松原 明の大リーグ

フィルダー、ついに球団巡業へ

いまだにサインしない、大物ＦＡフィルダー一塁手は、１３日から

獲得に乗り出している球団巡業へ。この日は、トップでレンジャース訪問。

しかし、今は、ダルビッシュとの交渉期限が迫るレンジャースは、とても、

ゆっくりと、相手をしている時間はないようです。

この次はマリナーズ、さらに、マイアミ、ワシントン、トロントへも足

を延ばすそうです。

「キャンプインの第１球までにサインさせたい」という作戦のボラス代理人

ですが、どの球団もすぐに返事はできません。

その上、年俸調停の交渉も始まり、この日は１４２人も調停へ持ち込む、

と、分かりました。その筆頭はジャイアンツのエース、リンスカム投手。

要求、提示とも、調停記録になる、と予測され、フィルダーのツアーはこの間をかき分けて

進むのですから，簡単にゆくわけがありません。

これからの攻防は、どうなるのか、毎日、ニューズを楽しみにして

います。

了

黒田投手、ヤンキース入り

ヤンキースは１月１３日、ドジャースFAの黒田弘樹投手と１年契約、

年俸は１０００万㌦（約７億８０００万円）と、言われています。

ヤンキースは左腕エースのサバシーアは抜けた存在ですが、

期待して大金長期契約したバーネットが全く不振で、投げれば打たれる

有様でやっと手にした地区１位でしたが、リーグ優勝はあえなく消え、

今度こそ、の願いを込めた黒田獲得です。

チーム年俸総額の贅沢税を避けるために、今冬は大金大物獲得は控えてきましたが、

もうキャンプイン目前。投手陣補強へ乗り出しました。

この日、マリナーズからピネダ投手を交換トレードで獲得。

出したのはパワー・ヒッターのモンテロ捕手。

さて、黒田はニューヨークのうるさいメディアに耐えることが

できるかどうか？弱みを見せれば情け容赦ないニューヨークです。

うまく交わしてゆけばいいのですが、ともかく怖いのは

有名です。

投げていればいい、というものでもありません。

井川も散々たたかれ、伊良部も消えてしまい、いかに、ヤンキース

で投げるのは大変か、過去の歴史は証明しています。

黒田が無事に難関を切り抜けるのを祈ります。

了

セリグ・コミッショナー２年延長

大リーグのオーナー会議は１１日から２日間の予定で、アリゾナ州

パラダイス・バレーで開幕。初日に理事会は、「バド・セリグ・コミッショナー

の任期を２年延長、２０１４年まで務める」、ことを決めました。

１２日の総会での承認を経て、正式決定されますが、これで、

２４年間、その職にあった、初代のコミッショナー、キーンソー・ランディス氏

に次ぐ、１９年間の長期政権になります。

この日、セリグ氏は「明日の承認を終えてから話す」と、明言を

避けましたが、笑顔で応対。「健康上の理由で今季限り」と、

引退を予告していた、これまでとは違う晴れやかな顔でした。

在任中は、大リーグを飛躍的にリッチ産業に繁栄させ、

多くのイベントを発掘した功績は、歴史に残る手腕です。

何といっても、労使対立時代を解消し、安定を築いた協調路線

が高く評価された延長ではないか、と、思います。

新たに労協は改訂、継続され、労使対立は全くありません。

もう７８歳。その激務に耐えるか、見守りたい、ものです。

了

キャンプイン日程決まる

ＭＬＢは１１日、今春のキャンプイン日程を発表しました。

バッテリー集合、野手集合の別ですが、マリナーズは一番乗り

です。

バッテリーが２月１２日集合、野手は１８日スタートです。

他球団より飛び抜けて早い号令は、今度こそ、最下位を

脱出したい、意気込みがうかがえます。

３０球団、すべてキャンプ地は同じです。アリゾナ、フロリダ

とも全く同じ１５球団ずつです。

他球団は２月１９日集合が９、２０日が１０球団集中しています。

一番遅いのは２３日バッテリー集合のレンジャーズ、ホワイトソックス

の２球団。バッテリー集合日には、故障リハビリ、再起を賭ける選手

たちも集まりますので、事実上、この日がスタート、

と言ってもいいでしょう。

しかし、まだ、ＦＡ選手は大量に残っています。動きもありません。

マイナーの若手で補うのか、その点は不明です。

マリナーズのホーム地区ＰＲキャラバン隊は９日から巡回を

始めました。３グループに分かれ、州全体をＰＲして廻る予定です。

球春を告げる便りはもうすぐです。

了

レンジャーズ、チケット値上げ

レンジャーズは今季のチケット値段を発表。一部の庶民スタンド以外は

ほとんど値上げされました。

もし、ダルビッシュ投手が入団すれば、日本からも、多くのファンが

観戦に行かれるでしょうから、チケット代金の値上げは痛い、で

すね。ツアーの料金に跳ね返るので、困ります。

なぜ、２年連続値上げするのか、何も営業からのコメントはありません。

据え置くのは外野席の７㌦（プレミア試合は８㌦）と、外野の

子供席６㌦だけです。

チケットは好カード、と、普通の試合の２種類。

外野のセンターは「プラザ・シート」に改修されるので、２７㌦

と３０㌦。飲食付きの「オールユーキャン・イート」席は３９㌦

から４７㌦へ。クラブ・レベルとなると、５８㌦から６６㌦へ。

この席もプレミア・カードになると、６５㌦から７４㌦へ。

シングル・チケットの売り出しは３月３日からです。

昨年は２９４万６９４９人を動員。前年を４４万１７７６人

も上回り、ア・リーグ２連覇の勢いは強気のセールスに

なるのでしょう。

しかし、夏の猛暑はものすごいテキサス。特に安価な外野席は、

西日がまともに照りつけるので、とてもたまりません。

安い席での観戦は、まさに命がけです。ご用心を。

了

来年のクーパースタウン殿堂入りは？

バリー・ラーキン遊撃手１人が選ばれた、クーパースタウン

野球殿堂入りの投票は、来年は一気に問題の多い年に

なりそうです。

新顔に、最多本塁打の７６２本を記録している、

バリー・ボンズ外野手、サイヤング賞６回の、ロジャー・クレメンス投手、

６０９本塁打のサミー・ソーサ外野手の”薬物疑惑トリオ”が

ついに登場するからです。

すでに、マーク・マグワイアは６年間、候補のまま、当選

していませんし、ラファエル・パルメイロも２年間やっと

延長しているだけです。薬物疑惑組には厳しい結果です。

全米野球記者会の投票では、クリーンな人物でないと、

当選はまず不可能。ボンズらが、果たして得票するのか、

「偉大な記録だからかまわない」と、いう記者もいるでしょうし、

「疑惑がある以上は投票すべきではない」の主張も起きる

でしょう。

どういう投票結果になるか、だれにも分かりません。

ＥＳＰＮでは「今後７５％以上の得票を得るだろう、と思われる選手」

のアンケート（１１１０５人）を発表していますが、

１位はデレク・ジター（９０・６％）２位はマリアノ・リベラ（８８・４％）

３位アルバート・プーホルス（８８・２％）４位イチロー（７７・５％）

５位ジム・トーミー（７５・９％）６位チッパー・ジョーンズ（７５・７％）。

この６人は資格初年度で文句ナシに当選組、と予測されるようです。

しかし、すでに薬物使用を告白した、アレックス・ロドリゲスは

記録は資格十分ですが、得票率は５７・３％で、届かない、

と、厳しい評価です。

さて、来年はどうなるのか、大きな変動が起きるのか？

過去に、このような、多くの疑惑が起きたことはないので、

記者会の判断が見物です。

了

 

バリー・ラーキン、3年目で殿堂入り

全米野球記者協会員の投票による、クーパースタウン野球殿堂入り

の結果は、９日発表され、レッズのバリー・ラーキン遊撃手（４７）が

規定の７５％（投票数５７３、４３０票以上）をクリア、ただ1人

当選しました。

ラーキンはレッズ一筋に１９年間プレー、通算打率・２９５、

２３４０安打、本塁打１９８、９６０打点、１３２９得点の

記録を残した、攻守走兼備の遊撃手。

１９９０年、アスレチックスを４戦スィープしたワールド・シリーズ優勝

では、打率・３５３で優勝に貢献しました。

前年より２４・３％もの得票が増えました。これは、１９４８年

のハーブ・ペノック投手以来の大幅増加、歴史的な

当選です。

ラーキンのように、「チーム一筋」という選手は、ＦＡでさっさ

と移籍してしまう選手が少なくない現代、実に貴重な存在です。

レッズでも3人目。最近ではジョニー・ベンチ捕手がそうでした。

これで、殿堂入りは２９７人。遊撃手は24人目です。

今季の初顔では、ヤンキースのバーニー・ウィリアムス外野手

でも５５票（９・６％）しか得票できず、来年も残りますが、

他の１２人の新候補はすべて落選。投票資格を失いました。

あの薬物疑惑のマーク・マグワイアは１１２票

（１９・％）。毎年、全く票は伸びません。

「初めて候補になったときは、夢の世界、と思っていた。それが

3年目でこんなに支持されるとは、言葉もない。私は

いつもチームのためになるには、どうしたら勝利に貢献

できるか、と考えてやってきた。野球人生で一番大事

なのは謙虚さだった」。

このコメントを聞くと、「これならだれにも好かれるな」と、感じ

ました。

表彰式は７月22日、ベテランズ委員会投票で選ばれた

故ロン・サントとともに、クーパースタウンのクラーク・ハッチ・センター

で午後式典が行われます。

レッズの帽子をかぶる、さっそうとしたラーキンの晴れ姿を

見たいですね。いまは、ＥＳＰＮの解説者です。

了

ディズニーも参戦

８日のＣＢＳスポーツ・コムによれば、ドジャースの買収には

さらに、ディズニー一家も参戦する、と伝えています。

以前はエンゼルスを保有していましたが、モレノ氏へ売却、

いまは、メジャーとは，しばらく無縁でした。

ディズニー・グループは手放したのは、２００３年ですから

９年ぶりの復帰になります。

今回の売値は１ビリオンの巨額（約１０億㌦、約１０００億円）

とも言われており、巨額資金なければ、とても交渉できない、

様相です。

参戦する以上は「ロサンゼルスにわれらの勢いを示したい」

意気込みで準備を整えた、とも感じられます。

これで、ますます、どこがオーナーになるのか、混沌と

してきました。いつ結論が出るのか、行方は知れません。

了

ポサダ、やはり引退

７日、ヤンキースのヨルゲ・ポサダ捕手は、ついに、引退を

決意した、と、ＥＳＰＮは伝えています。

レイズや、オリオールズ、フィリーズから「その経験を生かして欲しい」

と、誘われていたのですが、このまま、静かに去る、のが

ベスト、の結論に達した、ようです。

正式には、なにもコメントはありませんが、「１７年間もヤンキース

で過ごしてきたキャリアを大事にしたい」気持ちに傾いた、

のも自然の流れでしょう。

通算打率・２７３、２７５本塁打、１０６５打点。この数字は、

すでにクーパースタウン野球殿堂入りしている名捕手、

ゲリー・カーター、カールトン・フィスクもしのぐもので、

今、引退すれば、５年後には、クーパースタウン入りの道は

自然に開ける、のです。

殿堂入り投票権を持つ、今の全米野球記者協会員の記憶が

鮮明な間に、身を引いて置く方が賢明です。

引退の時期を逸し、殿堂入りのチャンスが薄れてしまった先人は

多くいます。

ユニホームを脱ぐのは，他人には分からない断腸の思いも

あるはずです。静かにバットを置く本人の気持ちは、いかがな

ものか、日本では推測できませんが、今は、ポサダの決断に

「ご苦労さま」と、拍手を贈るのみです。

了

野茂投手が殿堂入りの候補

毎年、ユニークな殿堂表彰を続けている「ベースボール・ラリンクアリー」

（テリー・キャノン理事長）から、今年度の殿堂入り候補者リストが

届きました。

クーパースタウン野球殿堂とは違う基準で選びたい、のを看板に、

毎年、１月に候補５０人を発表、４月に投票、５月殿堂入り３人

を選び、７月１５日、パサディナ市中央図書館で受賞者を招いて

表彰式を行います。

今年度は１０人の新顔が登場しています。

その１人が野茂英雄投手です。

「１９９５年、日本人のパイオニアでデビュー。その

独特の投球フォームで”トルネード旋風”を起こした投手。

新人王、２度のノーヒット・ノーランなど，輝かしい実績

を残した」と紹介されています。

日本人はまだ、だれもこの殿堂入りしていません。

ぜひ、選ばれて欲しい、と、願うのですが。

あとの新顔はホセ・カンセコ、チャーリー・フィンレー・

オーナー、レフレイ・オドウル。みなさん、クーパースタウンには

縁がなかった方ばかりです。

どういう結果になるか、楽しみに待ちましょう。

了