松原 明の大リーグ

キャンプ地ガイド、その５、フィリーズ

タンパベイ・レイズはすで「新キャンプ地」で紹介しているので、フロリダ地区の

ナ・東地区チームへ行きましょう。

王者・フィリーズがクリア・ウォーターで１９４７年から続けています。

もう６０年の歴史がありますが、今のメイン球場「ブライトハウス・ネットワーク・フィールド」は

新設されたスポーツ施設で今季で１０年目。収容８５００人。高速１９号線に面した

場所にあり、球場正面には噴水が上がる公園広場。ファンが楽しめる広々と

したエントランスになっています。

支配下選手３８人、招待選手２０人で争うベンチ入りですが、すでに、主力メンバー

はほとんど確定。いわば不動の陣容で3連覇へいどみます。

開幕予想オーダーも決まっています。

1番ロリンズ遊撃手、2番ポランコ三塁手、3番アトレー二塁手、

4番ハワード一塁手、5番ワース右翼手、6番イバネス左翼手、７番ヴィクトリーノ

中堅手、8番ルイス捕手。新たにタイガースから加入してポランコが入り、

2番だったヴィクトリーノが７番に下がる以外は全く変わりません。

まさに円熟の打線です。

昨年のプレーオフで活躍した左腕、クリフ・リー投手がマリナーズへ去りましたが、

ブルージェイズから右腕エース、ロイ・ホラデーが加入、フィリーズのオープン戦

開幕戦、3月4日のヤンキース戦（ホーム、デーゲーム）の先発に決まりました。

先発ローテ５人もほぼ決まっていますが、不安だった救援陣も、故障から

立ち直るクローザーのリッジ、ロメロもリハビリは順調に進み、開幕に

間に合うようです。

クリアウォーターはその名の通り、息を呑むほど美しい白砂の海岸が続く

青く澄んだ海の綺麗な眺めは最高です。特に夕日の沈む風景は素晴らしい

の言葉に尽きます。タンパ空港を出てセントピターズバーグへ向かう高速道路は

海の中を走る爽快さが忘れられません。

クリアウォーター市（人口１０万８６８７人）は名古屋市と姉妹都市提携しています。

ヤンキースのタンパとは目の前。この湾全体は交通便利で、とてもいい環境です。

オープン戦は３２試合。休日は3月１８日の一日だけです。

昨年、ワールド・シリーズを争ったヤンキースとは５試合（ホーム３）対戦します。

フィリーズはクリアウォーター・キャンプを4月1日で切り上げ、

２、３日はフィラデルフィアへ戻り、シティズンズ・バンク・パークパイレーツと

最後の2連戦で仕上げ、開幕に備えます。

了

キャンプ地ガイド、その４、オリオールズ

オリオールズは１９９６年から使用していた、東海岸のフォートローダーデールを

離れ、今春から西海岸、メキシコ湾に面したタンパ湾の一画、サラソタへ移転しました。

この地区は王者ヤンキースを始め、ナのチャンピオン、フィリーズ、東地区のレッドソックス、

中地区優勝のツインズの強豪がずらりと並ぶキャンプ地です。

各都市への移動も短時間で済み、便利さはこの上ない地域です。

サラソタは約８０年前にはサーカス団の冬期興行地帯で有名で、冬の名物として４０年間

も興行していたそうです。

サラソタにはレッズが昨年まで滞在していましたが、アリゾナ州へ移転して、空いた

ため、心機一転のオリオールズは強豪と相手するために移ってきました。

連続最下位。昨年もあと2敗で１００敗するほど弱いオリオールズ。もう、かっての

勢いはありません。

メイン球場の「エド・スミス・スタジアム」は７５００人収容。チケットは２０㌦から

２２㌦、自由席は１１㌦と、格安にしてあります。

昨年まではオープン戦も2年連続の負け越し。その不振のまま公式戦に

突入のオリオールズでした。

今季の補強もレンジャーズで１３勝１０敗の右腕エース、ケビン・ミルウッド投手

と、かってオリオールズにいたミゲル・テハダ内野手（アストロズ）が復帰しました。

ともにＦＡ。チームでは主力で活躍していたスターですが、いずれも

チームは引き留めませんでした。

テハダは昨年も打率・３１３、１４本塁打、８６打点の好成績を挙げていますが、

今季は遊撃手ではなく、モーラが抜けた三塁手に転向して、再スタートする

ようです。

救援へ転向する上原投手の2年目はイバラの道。最下位を抜けることが

できるかどうかは？です。

オープン戦は3月3日開幕。4月3日までサラソタ。３２試合（ホーム１６）の

予定です。休日は3月２２日の1日だけです。

了

キャンプ地ガイド、その3、ツインズ

中地区優勝のツインズは戦力充実、地区2連覇へ万全の態勢です。

ツインズもレッドソックスと同じフォートマイヤーズにキャンプインしましたが、

ここでは、レッドソックスを上回る２０年連続（１９９１年から）の同じ場所。

よほど環境がいい、と思います。

ツインズは同じフォートマイヤーズですが、サウスウェスト国際空港には近く、

シックスマイル・シプラス・パークウェーに面した場所で高速７５号線の

１３１出口を降りればすぐです。

球場は「リー・カウンテイ・スポーツ・コンプレックス」の複合スポーツ施設。球場

外壁には噴水が流れ、ここも、絵に描いたような綺麗な野球場です。

メイン球場は「ハモンド・スタジアム」。収容８１００人。ここでは3月4日から３１

試合（ホーム１６、ロード１５）を予定しています（休日は2日）。

フォートマイヤーズでは4月1日までで切り上げます。

当日すぐに空路ミネソタ入り。4月２、3日は待望のミネアポリス・ターゲット・

フィールドのこけら落とし。カージナルスを迎えて2日は午後5時１０分の

ナイター。3日は午後1時１０分開始のデーゲーム。お天気が心配

（雪の可能性あり）ですが、ツインズは何としても開催したい願いです。

支配下選手４０人、マイナーの招待選手２０人でベンチ入りを争う激戦です。

遊撃にＪＪハーデイ、二塁手にハドソンの守備の名手を加え、ベンチに

巨砲ジム・トーメも加入、好守とも万全の態勢です。

同じフォートマイヤーズのライバル、レッドソックスとは、ホーム３、ロード４

の最多７回も対決します。

チケットは最高３９㌦（約３５００円）から芝生席の１２㌦（１１００円）まで

十分余裕はあります。

了

キャンプ地ガイド、その２、レッドソックス

同じフロリダ州の南西部海岸の中央にある、フォート・マイヤーズ（人口4万６０００人）

には、レッドソックスとツインズ（２００９年中地区優勝）の2強が今季も連続キャンプ

です。

ここは内海。美しいサニベル島が目の前に浮かび、風光明媚なリゾート市。

避寒地で知られ、多くのホテル、インが並び、青く澄んだ海岸の美しさは例えようが

ありません。

レッドソックスはここで１７年間連続のキャンプ。メイン球場の「シテイ・オブ・パーム・

パーク」（収容７５７６人）は毎年、熱狂ファンのボストン・シテイズンが殺到。

いつも満員の盛況です。球場は目の前がカルーサハッチー川

（先住民のインディアンにちなむ）。フォートマイヤーズ市のダウンタウンにも近く、

サウスウェスト国際空港も至近距離です。

登録選手は４０人、招待選手２０人の激戦。テリー・フランコナ監督以下の

スタッフはブラッド・ミルズ・コーチがアストロズ監督に招かれて去った以外

は同じです。

松坂、岡島、田沢の3投手が健在。日本人3人はＭＬＢ最多です。

オープン戦は3月3日の大学相手のダブルヘッダーで開幕。３８試合

も組まれており（ナイター5試合）4月2日までフォートマイヤーズにいます。

3日、ワシントンで最後のナショナルズ戦、4日のボストン開幕戦に備えます。

休日は3月１８日の1日しかありません。

今季はエイドリアン・ベルトレ三塁手、マイク・キャメロン中堅手のゴールドグラブ賞

選手が加入、盗塁王のジャコベイ・エルズベリー外野手は左翼へ転出する

予定で、内野、外野とも守りは全くスキがなくなりました。

先発ローテにはエンゼルスの右腕エース、ジョン・ラッキー投手が加入。

松坂もローテに入れるか分からないほど充実したものになりそうです。

ここは発明王で歴史にその名が残る、トーマス・エジソンの冬の別荘と

実験所があったので、しばしば、自動車王、ヘンリー・フォードも訪れ、

親しい2人が談笑している彫像が公園（センテニアル・パーク）に建てられています。

当時のフーバー大統領も訪ねてきた、写真が残っています。エジソンの実験場、

博物館もあるので、野球観戦のあと、観光してください。

了

２０１０年キャンプ地ガイド、その１，タンパ

キャンプイン、全員集合！。いよいよ３０球団が公式戦の準備へ、スタートを切りました。

ＭＬＢのキャンプガイドブックがダウンロードで手に入りましたので、各地の巡回ツアー

を始めたい、と思います。

まずは、フロリダ州のキャンプ地からです。

王者ヤンキースのタンパに行きましょう。

西海岸の真ん中、内海に面したタンパは気温温暖。非常にいい土地です。

タンパ国際空港からも近く、交通至便。レンタカーがあれば自在に回れます。

ヤンキースのメイン球場は１９９６年から同じタンパで続けています。

ジョージ・スタインブレナー・フィルード。オーナーの引退を記念して昨年から

改名されました。収容1万１０７６人。フロリダ最大の観客収容力を誇る野球場です。

練習施設も十分。道路も良く整備され、川も流れ、草花は綺麗に咲き誇り、

自然環境も見事に整っていて、実に美しいスポーツタウンです。

オープン戦は3月3日、ホームでのパイレーツ戦でプレーボール。開幕まで３４試合

が組まれていますが、早めに引き上げるチームが多い中、ヤンキースは直前

の4月3日の打ち上げまでタンパを動きません。

宿敵のレッドソックスとは、すぐ近いのに組まれていません。開幕戦でボストン

で対決するまでお預けです。全部で１０球団と対戦しますが、タイガースの

6試合が最多、次いでフィリーズと５試合、パイレーツと4試合。休養日は3月１５日

と２３日の2日だけです。

キャンプ登録メンバーは４６人。これに招待選手２０人も参加する激戦。

開幕ベンチ入りの２５人には4分の１しか残れない毎日の争いになります。

招待選手の中には、いつまでも昇格できない左腕・井川投手（背番号２７）

もいます。

チームの写真撮影デーは2月２５日、午前8時からです。

昨年は１６万８９０５人のフロリダ最多動員を記録。２４勝１０敗1分けの好成績

を挙げた勢いでペナントを獲得しました。春の好調はそのままつながる見本でした。

チケットは指定席が１７㌦から３１㌦。毎年売り切れの人気です。

タンパ空港周辺にはホテル、イン、モーテルが無数ありますし、

試合後もタクシーが球場正面に待機しているので、足の心配は無用です。

しかし、ここの日差しはきつい。大半は午後1時５分開始のデーゲーム

（ナイターは８試合。午後7時5分開始）です。

球場は屋根がないので、よほど用心しないと日焼けで大変です。

帽子、タオルは観戦に欠かせない必需品のグッズです。水ももちろん必要です。

了

コックス監督、キャンプ最後のスピーチ

ブレーブスの名将、ボビー・コックス監督は、2月23日、全員集合のキャンプイン初日、

ナインに「今季限りの別れのスピーチ」を披露しました。

フロリダ州ディズニー・ワールドの総合スポーツ施設、キシミーにある

「チャンピオン・スタジアム」です。

もう６８歳の監督は、昨年９月「２０１０年は監督最後の年。ユニホームを

脱いだらメジャーにはタッチしない」と、明言していますが、その言葉を、改めて

伝えたもので、新たな宣言も涙もありませんでした。真剣に聞き入るナインは

「ついに父と別れる最後のシーズンが来たか」と、みんな、胸に迫るものがあった

そうです。

「選手諸君、フロントのみなさん、裏方さん、あらゆるブレーブス組織の方々。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。私が、これだけ長く務められたのは、

素晴らしい選手に恵まれ、みんな、一緒にやれたからです。さあ、最後のシーズンを

スタートしましょう。目標はただひとつ、ワールドシリーズの制覇です。心を

ひとつにすれば達成できます。さあ、やりましょう、みんなで」

この言葉を、ゆっくり、丁寧に語るコックス監督。あいさつが終わると、

何事もなく、フィールドへ向いました。

１９９０年のドラフト指名からコックス監督と、だれよりも長く接してきた、

チッパー・ジョーンズ三塁手は「いつも僕を励ましてくれた監督だ。

僕の失意のときも父のように助けてくれた。彼のためにやるよ、今年も」

と、話したそうです。

今季の公式戦は、さながらサヨナラ全米ツアーのようなものです。

チームは団結してきっと燃え挙がるに違いありません。

ナ東地区は3連覇を目指す王者・フィリーズが立ちはだかります。しかし、

このコックス魔術で結ばれれば、ブレーブスは奇跡を起こすチームに

なるかもしれません。

了

トーリ監督続投へ

ドジャースのジョー・トーリ監督は、アリゾナのキャンプ地、グレンデールで

「２０１０年で3年契約は終わるが、あと1年、続けることでＧＭ（ネッド・コレッテイ）

と合意した。私は就任してからの2年間、若者の進歩は目を見張るものがある。

彼らの成長をさらに後押ししたい、さらに指揮する意欲が沸いてきたから」と、

語りました。

3年契約終了で、7月には70歳の誕生日を迎えますし「７０歳を過ぎても

監督はやらない」と、明言していたので、今季限り、と思っていたのですが、まだまだ

やる意欲があるとは，驚きです。

２００8年、２００９年ともにプレーオフへ進出する（通算１４年連続出場）

の大記録を続けているだけに「今度こそ」の意欲が再び沸いてきたのでしょう。

この2年間は、リーグ・シリーズで敗れ（いずれもフィリーズ）てので「何が足りないか、

を良く研究してその壁を乗り超えたい」とも付け加えています。

このオフ、オーナー夫妻の離婚のごたごたで、大きな補強もないまま迎えた

キャンプ。各ポジションともほぼスキはなく、故障者さえなければ、今年も

優勝争いは確実のドジャースですが。

ただ、心配なのは4番・ラミー・ラミレス外野手の去就。本人はキャンプインにあわせ

「これがドジャースのユニホームを着るラスト・チャンス。もう外野を守らない」

と、本心を明らかにしました。３７歳の今年、外野を走り回るのはきつい、やるなら

ＤＨでア・リーグ、という考えのようですが、ドジャースはＧＭも監督も

「気持ちよくこの1年をやってくれれば、それでいい」と、あえて引き止めない

方針のようです。

ドジャースがシリーズの夢を実現するにはラミレスのバット次第。トーリ監督がどのように

ラミレスを機嫌良くプレーさせることができるかどうか、見守りましょう。

了

テッド・フルモトさんのドキュメンタリー放映

バンクーバー朝日チームの伝説復興に全力を傾けている、友人のテッド・フルモトさん

の努力が実って、3月4日午前2時５３分から1時間のテレビ・ドキュメンタリーが

フジテレビから放映されることになりました。

カナダ・ロケを行い、バンクーバー朝日のお元気な元選手の紹介、関係者の

インタビューも交えた、1時間番組です。もちろん、主役のテッドさんも出演します。

ご本人から今日、Ｅメールでその知らせが届きました。

ちょうど、バンクーバー五輪も終了、その余韻が残るなかの放映がグッドタイミング

ではありませんか。

放映時間が深夜なので、果たしてどれだけの方がご覧になるか、心配ですが、

オリンピックに思いをはせながら、是非見てください、と、テッドさんは訴え

ています。

3月2日にも、テッドさんは地元の湘南ビーチＦＭ葉山７８・９Ｍｈｚにもナマ出演

するそうです。語るのは「バンクーバー朝日」の話題です。朝日軍のプレー

していたころは、ここで、冬期五輪が開催される日が来るとは、夢のような

話だったことでしょう。その先人たちの苦闘の道がついに通じたのです。

日本人排斥に泣いた方々は、今の世界平和、あらゆる国から人々が集う祭典を

胸が熱くなる思いで見詰めておられるのではないでしょうか。

「多くの人に朝日の歴史を伝えたい」と、奔走するテッドさんの頑張りには

頭が下がります。

ＦＭ放送はインターネットでＦＭ葉山のホームページから捜せるそうです。

頑張れ、テッド！

了

カブスの新キャンプ建設にコミッショナー横やり

カブスのフロリダ・キャンプ地移転阻止へ、アリゾナ州メサ市が明らかにした

建設費の捻出案に、バド・セリグ・コミッショナーが異議を唱える事件が起きました。

メサ市は「カブスに逃げられたら死活問題」と、新キャンプ地コンプレックス新設を提案。

カブスは「新たな設備が出来るなら移動しない」と、ほぼ永久にメサに残ることを

約束しました。

ところが、この建設費用（メイン球場の新設を中心に）８４００万㌦（約７６億円）に

レンタカー税（1㌦加算）、チケット税（８％加算）の増税計画があったため、

セリグ氏は「他の球場のチケットまでも一律課税で値上げとはおかしい。

メサ球場だけの値上げでないと、ファンにはアンフェアなやり方である」と、

見直しを要求しました。

レンタカー業者も黙っていません。

「アリゾナ州は一番レンタカー代金が高いんだ。その上課税されては困る」

と、異論を唱えています。

チケット代金は他のクラブもすぐに文句を言いました。

「これではファンは来なくなる」。いずれももっともで、窮地に立たされたメサ市は

防戦に懸命。スコット・スミス・メサ市長は「セリグ氏は正しく理解していないのでは

ないか」と、弁明に行くようです。

メサ市の言い分は「カブスはアリゾナ一番の人気があり、どこに行っても、

多くのファンを集めている。他の球団も恩恵に預かっているはず。どうか、

州全体の利益を考えて欲しい。新たな施設ができれば、また、多くのファンが

やってくる。長い目で見ればアリゾナ州のプラスになる」と、いうのですが、

もし、この課税法案が承認されないと、新施設は実現せず、

カブスもフロリダへ移転案が再燃するかもしれません。いつ解決されるのか、

もうキャンプも始まった今、行方を注目している毎日です。

了

マック、初日は順調に

カージナルスは2月１７日、フロリダ東海岸のキャンプ地、ジュピターでプレ・キャンプ

をスタートしましたが、注目のマーク・マグワイア新打撃コーチは若手指導、アドバイス

に動き回り、まずは、順調な出足でした。

ステロイド使用を告白、謝罪したマックは、この日も集まったテレビ、新聞の担当記者

３０人に「私は誤った。その過去を清算して新たな道を進みたい。どうか、前進を

認めて欲しい」と、再び改めて謝罪し、コーチの仕事を始めました。

この情景の描写はＣＢＳ、スポーテイングニューズも報道していますが、トニー・

ラルーサ監督は「彼はやれる、と、任命したのは私。もし、彼が成功しなかったら

すべての責任は私にある」と、みんなの前で明言。マックの後ろ盾になる姿勢を

明らかにしました。

マックは「私が再び現場に戻れるように導いてくれた監督には感謝の気持ちで

いっぱいです。監督は私の”第2の父”です」と、応えました。

これまで、再起の誘いは、２００１年にマリナーズ、ロッキーズから短期コーチ

の依頼がありましたが、「短い期間では満足に教えられない」と、断り、沈黙の

長い休養を過ごしてきました。

復帰できたのは、セントルイス在住のステファニー夫人と家族の後押しだった

そうです。「私は家族に勇気付けられた。だから戻って来れた。今は幸せだ。

私は選手のためにここにいる。早朝トレーニングにも、夜間練習にも依頼が

あれば一緒にやります。毎日労苦をいとわない」と、決意を語りました。

このキャンプインの前、アリゾナへ飛び、調整中のマット・ホリデーら主力選手と面談、

彼らの信頼を得ています。

昨年、後半失速し、地区シリーズで完敗した不振を一掃するために、監督が

決断したマックの新打撃コーチの起用。マックの言葉がどんなに選手を励ますか、

楽しみです。ラルーサ監督はこう言います。

「選手は投手コーチより、打撃コーチにきつくなる。打撃コーチのチーム内の立場は重要

なのだ。マックがどんな信頼を得るか、注目している。それが、カージナルス

の運命を握っている」。

献身的なマックの仕事が順調に進めば、ペナントは明るい、と思います。

了