ブレーブスの名将、ボビー・コックス監督は、2月23日、全員集合のキャンプイン初日、
ナインに「今季限りの別れのスピーチ」を披露しました。
フロリダ州ディズニー・ワールドの総合スポーツ施設、キシミーにある
「チャンピオン・スタジアム」です。
もう68歳の監督は、昨年9月「2010年は監督最後の年。ユニホームを
脱いだらメジャーにはタッチしない」と、明言していますが、その言葉を、改めて
伝えたもので、新たな宣言も涙もありませんでした。真剣に聞き入るナインは
「ついに父と別れる最後のシーズンが来たか」と、みんな、胸に迫るものがあった
そうです。
「選手諸君、フロントのみなさん、裏方さん、あらゆるブレーブス組織の方々。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。私が、これだけ長く務められたのは、
素晴らしい選手に恵まれ、みんな、一緒にやれたからです。さあ、最後のシーズンを
スタートしましょう。目標はただひとつ、ワールドシリーズの制覇です。心を
ひとつにすれば達成できます。さあ、やりましょう、みんなで」
この言葉を、ゆっくり、丁寧に語るコックス監督。あいさつが終わると、
何事もなく、フィールドへ向いました。
1990年のドラフト指名からコックス監督と、だれよりも長く接してきた、
チッパー・ジョーンズ三塁手は「いつも僕を励ましてくれた監督だ。
僕の失意のときも父のように助けてくれた。彼のためにやるよ、今年も」
と、話したそうです。
今季の公式戦は、さながらサヨナラ全米ツアーのようなものです。
チームは団結してきっと燃え挙がるに違いありません。
ナ東地区は3連覇を目指す王者・フィリーズが立ちはだかります。しかし、
このコックス魔術で結ばれれば、ブレーブスは奇跡を起こすチームに
なるかもしれません。
了
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