ジャイアンツの左腕、ランデイ・ジョンソン投手は、6月4日、ワシントンでダブルヘッダー、
第1試合に登板、6回2安打、1失点の好投で、悲願の300勝利を達成しました。
実働22年間、45歳267日のゴールは、1985年10月6日、46歳188日で到達した
ナックルで有名な、フィル・ニークロ投手に次ぐ、史上2番目の高齢記録でした。
299勝目は5月27日、ホームのブレーブス戦。これも6回1失点でした。
ジャイアンツは、「何とか、ホームで達成させたい」と、願っていたのですが、
5月31日でホーム開催は終了、ロード10連戦の旅に出たので、雨中止も重なり、
この日になったのでした。
ランデイは「必ずやり遂げたい」決意があったのでしょう。リサ夫人を始め、4人の子供
を呼び、一家総動員の応援態勢。3日は雨で中止。この日に繰り延べになった
ダブル・ヘッダーも、雨は止まず、36分間も待機して、ようやくプレーボール
になる悪条件もものともせず、ランデイは必死に投げ、6回で交代、3人の
リリーフ陣に任せて、ベンチで試合を見詰めました。
次男のタンナー君(13)には、自分と同じ背番号「51」番のユニホームを着せ、
バットボーイでベンチ入りさせていたのです。救援陣は8回に2死満塁のピンチ
(このときは2ー1のリード)を招き、ひやり、とさせましたが、ウィルソンは
踏ん張って三振。ランデイの勝利を守りました。
ベンチを出たランディは息子を抱きしめ、飛び出してナインと喜びを分け合い
ました。その第1声は「私はいまあるのは、数多くの選手の協力のお陰。
感謝しきれないほど、特別の気持ちになる」という、コメントでした。
記者会見室には、家族も呼び、この日ばかりは、いつもの怖い顔も消え、
にこやかな笑顔で30分間もの長い会見に応じました。
大記録には難産がつきまとうものです。
300勝利へ”あと1勝”で、すんなり連続勝利を挙げてゴールしたのは、わずか
4人しかいないのです。1985年のトム・シーバー投手(メッツ、レッズ)以来
24年ぶりのことでした。ランデイは史上24人目の300勝投手に、ノン・ストップ
でゴールは見事ではありませんか。
記念のボールは、すぐ、夫人へプレゼントしました。
「健康なら何事も不可能ではない、ということを、私は実証した。
この勝利で満足はしない。まだ、僕にはやることがある。チームの優勝へ
最後まで頑張る」と、意気盛んなのには、驚くばかりのファイトです。
ジャイアンツは6月19日(金)対レンジャーズの第1戦(午後7時15分開始)
の試合前、盛大に「300勝祝典」記念行事を行う予定です。
ジャイアンツの投手で300勝利達成は、1912年のクリステイ・マシューソン
以来、実に97年ぶりの快挙。どんな祝典になるか、楽しみにしています。
了
コメント