松原 明の大リーグ

屋根付きのヒューストン、その２

アストロズの左翼、中堅への入り口広場「ハリバートン・プラザ」

には、クレイグ・ビジオ二塁手と、ジェフ・バグウェル一塁手の

コンビ（2人の頭文字”Ｂ”を取って”キラー・ビー”と、呼ばれていました）

の銅像が建っています。

各地の球場巡りをしてきましたが、この銅像が建設された当時、

まだ、2人とも、バリバリの現役選手でしたから、現役選手の銅像が建つ野球場は、

ここが、初めてではないでしょうか。

ビジオが併殺ボールを、今、一塁へ、転送しようと、している迫真

の瞬間です。2人の真剣な表情を見ると「アストロズの看板は、

この2人なのだ」と、いう、強い印象を受けます。

ここは、ベンチも数多く置かれている、憩いの広場。

かなり広いスペースを取り、円形ベンチの上には植木が日差しをさえぎり、

屋根付きの円形ベンチもあります。ここで、ひとときを過ごすのもいいでしょう。

２００４年、ヒューストンで開催された、オールスター・ゲームを記念して、

完成した広場です。球場のスタンドを形取るベンチの背には「ハリバートン・

プラザ」のマークが入っています。

ここを囲む煉瓦の外壁上に、６本のポールが立ち、アストロズの、

年代順ペナントがひるがえっています。

このコーナーには、ヒューストンの建設功労者を称える、ディスプレー

「ヒストリー・ウォール」も置かれています。

このプラザ設計者は、ジム・バーネット氏。ウォールのディスプレーには、

球団拡張当時「コルツ」と、名乗り誕生した、アストロズの年代記が、

銅版に刻まれています。

ビジオは、アストロズ史上初の３０００本安打を達成、バグウェル

は、体調の限界を感じて、ともに、２０００７年シーズンを最後に、

ユニホームを脱ぎました。

この野球場に来たら、もう、再び見ることができない”キラーＢ”の勇姿を、

じっくり見ては、いかがでしょうか。

この広場は、クロフォード通りに面した一画です。

スタジアムに来れば、すぐに分かります。

了

屋根付きのヒューストン、その１

ワールドシリーズは、あっけなくスィープで終了。メジャーの

２００７年シーズンは幕を閉じました。

「もっと、楽しみたかった」と、思う方も多い、でしょうが、

これで、良かった、のかもしれません。

1年目で頂点に上り詰めた、松坂投手の素晴らしさには、みなさん、

「日本からの代表が結果を残して、良かった」と、うれしくなった、

のではないでしょうか。

これからが大変です。２００８年は、松坂がどう進歩し、変化するか、期待しましょう。

今回は、テキサス・ヒューストンへ移動します。

１９６２年、ナ・リーグの球団拡張で「アストロズ」が誕生してから、

２００５年、ワイルドカードで、ワールド・シリーズ初出場。しかし、

ホワイトソックスに完敗。「初出場でスィープ負け」の悲運に

散りました。

２００６年は、ナ中地区2位まで迫りましたが、届かず、

２００７年も、最下位脱出がやっと。苦難の1年でした。

創立当時は、マイナーの「コルト・スタジアム」でプレーして

いましたが、猛暑のテキサスと、蚊の襲来がものすごく、

その被害を防ぐために、創立3年目に、ヒューストン郊外にアストロ・ドーム

が完成。しかし交通不便に悩み、２０００年、ダウンタウンに、

開閉式屋根を持つ、「エンロン・フィールド」が、新設。大変便利になりました。

２００２年6月、飲料水の「ミニッツ・メイド」が、エンロン社から、ネイミング権利

を交代。現在の球場名になった、ものです。

4万９７６人収容の適度の大きさ。アクセス便利なので、毎年、

年間２００万人を超えるファンで、人気を集めています。

球場の目の前に「イン・アット・ザ・スタジアム」が出現。

全米チェーンの「ヒルトン・アメリカス」も、わずか６ブロック先に

誕生。歩いてすぐ行ける便利さ。助かります。アメリカスは、２００３年にオープン。

１２００室もの巨大ホテルです。コンベンション・センターとも

直結しているので、大きな会議があるときは、満室になり

ますが、あとは、多分、大丈夫でしょう。

何しろ、真夏のヒューストンでの観戦は暑さ対策が第１。

ダウンタウンを歩いて行くと、焼け死にそうなほどの暑さですから、

球場に、ほど近いホテルがあるのは、本当に有りがたいものです。

この２つが出来る前は、やや離れている、ハイアット・リージェンシー

が、野球関係者の定宿でした。

了

高地コロラド、その３

いよいよ、デンバーで初めてのワールド・シリーズ。

前売り券は完売。もう、シリーズ・プログラムも完売、だそうです。

野球熱が盛んな、この地区のファンの興奮は、大変でしょう。

前回「天気は大丈夫」と、書いたら、とたんに、吹雪。ロッキーズ

の、ボストン入り直前、最後の紅白戦も中止されるほどの積雪。

今の予報は、２７日からの3日間は好天。気温も最高１９度、

と、なっていますが、何と言っても、冬の山岳地帯は、いつ雪

が降っても、不思議ではありません。

万一、雪で中止にならないことを、祈ります。

デンバー・クアーズ・フィールドは、これまで、投手泣かせ球場

でした。高地で乾燥し、やたらに、打球が飛ぶため、乱打戦の連続。

リーグ最多失点を毎年重ねる、苦闘の毎日でした。

その乱戦を減らしたのは、「加湿室を造り、使用球を保管した」から、

と、言われています。

地下のクラブハウス・レベルにできた、気温２１度、湿度５０％

に保たれた部屋で、ボールを厳重に保管。適度な湿気が、投手に

プラスになった、ロッキーズです。これは、年2回、ＭＬＢの

立ち入り検査も受けています。

いくら、本塁打しても、それを上回る失点に追いつけない、時代

は去り、今や、機動力と、リーグ1位の守備力が向上して、今季

の猛烈なラストスパートにつながりました。

本塁打に頼らぬ総合攻撃力が、今度、デンバーに、初めて迎える、レッドソックス

相手に、どう発揮されるか、楽しみですね。

加湿設備が、ロッキーズを助けるか？ボストンで、2連勝した、

レッドソックスも、別のチームのように変身する、ロッキーズに、驚く

のでは、ないでしょうか。

寒さは、ボストンも、デンバーも同じ。試合開始時間は、東部

時間のゴールデン・アワーに併せるため、午後6時３０分、

プレーボール。今度は、ホームに帰った、松井稼も生き返る

でしょう。初の高地、デンバーで、先乗りしている、松坂投手

は、どんなピッチングを見せるか、これも、待たれます。

了

高地コロラド、その２

デンバー市のダウンタウンには「さくらスクエア」と、呼ばれる

日本人街があります。

クアーズ・フィールドから、わずか３ブロック。２０、１９番街に

はさまれた一画です。日本食店、食料品店、本屋、雑貨屋、

旅行社、など、多数の日本人経営の店が並んでいます。

英語表記は「ＳＡＫＵＲＡ　ＳＱＵＡＲＥ」。市街地図にも

載っています。

ここへ、良く通うのは、ロッキーズの日本人選手、松井稼二塁手。

ごひいきの店もあり、うまくゆけば、松井に対面できるかもしれ

ません。コロラド在住の1世、2世が開拓した、お店が多く、

ここにある、小さな店は「ダウンタウン・デンバー」の案内ガイドには

載っていませんが、スクエア内を歩いて、好きな店を探してみては、

いかがでしょう。

店のスタッフが、全員日本人の「ふるさと」は、私も、訪ね

ましたが、もう、7年前のこと。みなさん、お元気かどうか、

気になります。

旅行者の「ＭＥＭトラベル」は、チケットの割引手配、など、

細かく、丁寧な対応でした。

１５、１４番街の2ブロックにまたがる「ラリマー・スクエア」は、

１８００年代の町並みを再現した、ショッピング街。みどころ

は多い、人気スポットです。

１６番ストリート・モールは、日本で言えば、銀座街。ここを、無料

のシャトル・バスが走っています。ユニオン駅からシビック・センターへ、往復

しているので、いつでも、利用できる、便利なバスです。

昔、デンバーには、ほとんど、日本人はいませんでした。しかし、

今や、アジア系の進出が目覚ましく、韓国人のコリアン・タウン

も、隣町に出現。日本人は、デンバー、コロラド両大学への

留学生が増え、陸上高地トレーニングの基地にも利用されて、

この「さくら・スクエア」も、自然に誕生しました。

この、コロラドの変遷を紹介した、アート・ディレクター、

山岸行輝氏の「ロッキー山麓の四季」は、豊富なカラー写真

満載で、楽しく読める本です。（１９９５年、東京書籍刊）。私は、

この本で、デンバーの良さを知りました。チャンスがあれば、

読んで見てください。コロラドの自然は、素晴らしい、と、

感じるはずです。

了

高地コロラド、その１

誰も予想しなかった、コロラド・ロッキーズのナ・リーグ初優勝。

陸上競技の高地トレーニング練習会場に、よく使用される

ロッキー山脈の「マウンテン・ゾーン時間帯」

にある、メジャー唯一の球団です。

１９９３年の球団拡張で誕生しましたが、最初は、ホーム

専用球場がなく、ＮＦＬデンバー・ブロンコスの「マイルハイ・スタジアム」

を借用して、スタートしました。

この巨大な、7万人収容のスタジアムは、連日連夜の満員。

何と、1年目は、年間４４８万３３５０人のメジャー新記録を作り、

その野球人気のすごさは、多くの人を驚かせました。

間借りは2年間で終わり、デンバーのダウンタウンに新設

した「クアーズ・フィールド」に１９９５年に移転。市民は、消費税

増税で、建設費捻出に賛成。5万４４９席の野球場が完成しました。

当初の計画では、4万３８００人収容でしたが、2年間の市民の

野球熱の盛り上がりのすごさ、に計画を変更。球団負担で、座席を

増設。現在になったのです。

球場の名前の由来は、ここで、醸造している、名産のビール会社

「クアーズ」がネーミング・ライツを取りました。もちろん、場内で

一手販売しています。

ここは、１８７６年に開通した、ユニオン鉄道操車場跡地。由緒

ある場所なのです。

ダウンタウンから歩いて行くことができる、アクセスの

良さが売り物。左翼場外に遠望できる、雄大な、ロッキー

山脈の山並みを背景に、素晴らしい景観が楽しめます。

しかし、ここは、冬はスキー・リゾート。10月はもう雪が降ります。

幸い、初のワールド・シリーズが行われる、10月２７日

からの3日間（第３、４、５戦）は好天に恵まれ、雪の

心配もなく、気温は最高１８度、最低5度の予想。何とか、シリーズ

は無事にできそうです。芝生地下には温熱装置もあり「たとえ

雪でもすぐに溶かす」と、されていますが、この日を

待ちに待った、市民は、どんなに、待ち遠しいことでしょうか。

了

砂漠の町フィニックス、その３

チェーズ・フィールドの、内野柱に沿う形のガラス・ケースには、

「あれっ」、と思う、珍しい展示もありました。

中日ドラゴンズの一塁手で活躍した、ジム・マーシャルの

展示です。日本から帰国後は、シカゴ・カブス監督にもなり、

一時、ダイヤモンドバックスのスカウトも務めたこともある

マーシャルです。中日時代の背番号「６」のユニホーム

まで飾られ「日米野球交流の先駆者、として、功績が

あった」と、説明文には、書かれていました。まさに、

異例の特別扱い、ではないでしょうか。

さらに、隣のガラス・ケースには、巨人、福岡、ロッテ、西武、

オリックス５球団のマスコット人形が展示されていました。

誰が、持ち帰ったのか、真相は不明ですが、その、説明文

には「野球は、日本でも、アメリカと同じように、ファンに

愛されている」と、あります。本当に、日本に関係がある展示

を発見するとは、懐かしさ、を覚えました。

ダイヤモンドバックスには、現在、日本人選手はいませんし、

リーグ優勝の夢も、あっけない、スィープ負け。ロッキーズ

に敗れ、いま、フィニックスは、静けさを取り戻しています。

フロリダのキャンプ地は、交通不便で、移動が大変ですが、

その点、アリゾナは、フィニックス市を起点に、市バスで

巡廻出来るのがうれしい、のです。

市バス・ステイションで「乗り方と、時刻表」がまとめられた

「バス・ブック」を入手し、研究すれば、バスで、大半のアリゾナ・キャンプ地

を回れます。バスは1日券３㌦６０㌣（約４６０円）で購入し、

下車、乗車時間をうまく調整すればＯＫ。ダウンタウンの

ホリデイイン・エクスプレスがステイションに近いホテルです。

市バスのインフォーメイションは、ホームページ

www.valleymetro.org で検索すれば分かります。

来春の3月は、日本からも近い、アリゾナ・キャンプへ

出かけようではありませんか。

了

砂漠の町フィニックス、その２

アリゾナ・チェーズ・フィールドの場内には、様々の

仕掛けがあります。

正面入り口から、メインコンコースへ掛けての、高い

天井に、飾られているのが「野球は紀元前から行われて

いた」と、いう、テーマの連作壁画です。

「ギリシャ時代から、ローマ帝国時代のボール遊びの

壁画は、野球の前身だった」の意味を込めた、古代スポーツ

の壁画が、柱と柱の間の天井に、はめ込まれているのです。

この学説が、正しいか、どうか、の議論はさておき、

建設前に、外壁に画かれていた、子供たちの絵も、

野球のイメージ画、として、大切に、保存されています。

まさに、見上げる高さの壁画は、他の、メジャー球場

にはない、特徴がある、創作美術でしょう。

メインゲートから入ると、すぐに右横ある「チーム・ショップ」

には、３人のスターが、ガラス・ケースに収められて、ファンを

迎えています。

アリゾナ州地区で社会福祉活動に従事している、

１９５０年代の黒人投手、ジョー・ブラックの額が、左に

あります。

さらに、元カージナルス捕手、放送解説者で有名な、ジョー・

ガラジオラ氏の額も右端にあります。

故障で休んでいますが、ダイヤモンドバックスの現役左腕、

次の３００勝投手、と言われる、ランデイ・ジョンソン投手の

額は、一番目に付く中央に置かれています。その関連写真、

記念グッズが集められ、ファンが、必ず足を止める、一番人気の場所です。

ランデイは、ここ、フィニックスに近い、パラダイス・バレーに、専用の

トレーニング室まで備える、豪壮な邸宅を構え、「選手

として、アリゾナで現役最後を迎えるように、ベストを尽くしたい」

気持ち、だそうです。

センター後方のピクニック・エリアには「ザ・コックス・クラブハウス」が

設けられ、クーパースタウン殿堂入りしている、名手の展示が

あります。

通路の柱には、ガラスケースに収められた、様々な選手、関係者の

展示が展開しています。場内を一周すれば、野球不毛の地だった、

アリゾナに、野球文化を浸透させよう、と、努力している、チーム

の姿勢が伝わり、野球の変遷が、地元ファンに良く分かる、

のではないでしょうか。

了

砂漠の町フィニックス、その１

アリゾナ・ダイヤモンドバックスが、ナ・リーグ優勝シリーズ

へ進出。１１日、ホームの「チェーズ・フィールド」で、第１戦を

行いました。

１９９８年、リーグ拡張で、全く、プロ・スポーツもなかった、

避寒地のアリゾナ州に、初めて誕生したメジャー球団です。

２００１年には、一気にワールド・シリーズへ進出。

ヤンキースを４勝３敗で破り、初の王座に着く、偉業を達成しました。

財政難から、多くのスター選手を放出。２００４年には、１１１敗もする

どん底の最下位、まで経験。そこから、３年目で、見事に生き返りました。

これまでの球場名は「バンクワン・ボールパーク」と、大手銀行が支援

してきましたが、２００５年９月２３日から、現在の「チェーズ・

フィールド」と、スポンサーが交代しました。

今の、ボブ・メルビン監督は、一度退陣し、マリナーズの監督を経て、

２年後に復活しました。

ここは、真夏は１００度（約３８度）を超す猛暑になるため、暑さ対策

で開閉式の屋根で場内気温を調節しています。

リーグ・シリーズの第１戦は、気温９３度（約３４度）の暑さでしたが、

もう、秋の風が吹き、ナイター時間には、涼しいので、屋根は開けた

まま、試合を行いました。

ダイヤモンドバックスは、赤のチームカラー。スタンドも赤に染まり、

ほぼ、全員のファンが、白のハンカチを振る応援は、華やか

でした。

ここ、フィニックス（日本ではフェニックス、となっていますが、私は、

何度聞いても、フィニックス、と耳に聞こえます）は、昔は、

何にもない、避寒に来る、金持ちばかりの町でした。

球団誕生へ奔走した、前のオーナー、Ｊ・コランジェロ氏が、独力

で開拓。野球ばかりか、ＮＢＡ、ＮＦＬ、ＮＨＬのプロ・チームを、相次いで

誕生させ、プロ・スポーツのメッカに一変させました。春のキャンプ地

は年々盛んになり、ついに、ドジャースも、長年親しんだ、ヴェロ・

ビーチを離れ、アリゾナへ、キャンプ地を移転します。

西地区球団は、全部、アリゾナへ集結。土地も安く、空き地は十分あるので、

新施設を造り、誘致するには、フロリダより、はるかに有利、なのです。

これから、スポーツは盛んになるばかりのアリゾナです。

スカイ・ハーバー国際空港からダウンタウンは、約５㌔の至近距離。

２００８年には、空港と、ダウンタウンを結ぶ、ライト・レイルも完成。

さらに、便利になるはずです。

私も、何回か、フィニックスへ取材に行きましたが、シーズン中は、とても、

昼間は暑くて、歩けません。夕方、涼しくならないと、苦しいですね。

でも、ダウウンタウンの真ん中に位置する、この球場は、

ホテルをうまく確保すれば、徒歩で往復ともＯＫ。夜間も

あまり心配はいらないでしょう。ナイター終了後は、球場外部

で音楽ライブが始まり、深夜まで、とても、にぎやかです。

ホテルは、球場へ７ブロック、と、一番近い「ワイダム・フィニックス」

が便利。以前は「クラウン・プラザ・ホテル」でしたが、ワイダムが全面

改装。新装なった１９階建ての一流ホテルです。２００㌦台で泊まれます。

ＮＢＡのコート「アメリカ・ウェスト・アリーナ」も「ＵＳエアー・ウェイズ・

センター」と、改名。野球場のすぐ隣に健在です。

了

魅力の町パサデナ、その５

　パサデナ市には、ご紹介したいフレンチ・レストランが

あります。その名も「メイゾン・アキラ」。市の発行している

「ヴィジターズ・ガイド」に広告を発見。「オヤ、私と同じ名前」

と、びっくりして、ホーム・ページ（www.maisonakira.com )

から予約を入れると、オーナー・シェフの広瀬陽（あきら）さん

から、メールが届き「お待ちしております」。

住所は７１３東グリーン・ストリート。住宅街の閑静な場所。

すぐにレストラン、と分からない平屋建ての家ですが、落ち着いた

店でした。

一番安いコース料理で４５㌦（約５２００円）ですが、カリフォルニア

の野菜を使い、私が頼んだ、スズキのグリルも上品な味でした。

食後、あいさつに来た、広瀬さんは「これは、１９９４年、天皇、皇后

両陛下がロサンゼルスへ、お出でになったとき、私は、指名を

受けて、差し上げた、魚料理です。とても、おいしい、と、お言葉

を頂いたときは、本当に恐縮致しました」と、説明してくれました。

フランスで修行。今年５２歳。滞米１７年。

「日本の味も入れて、食事を楽しんで頂く、のが、私の願いです。

お気に召した、でしょうか」

と、にこやかな、広瀬さんでした。

パサデナで奮闘している広瀬さん。もし、行くチヤンスがありましたら、

訪ねてください。パサデナは、レストランも多彩。パセオ・コロラド、

オールド・パサデナ、プレーハウス・ディストリクト、と、散策には

いい町です。

パサデナ観光局は、ロス・ロブレス・アベニューの、ヒルトン・ホテル

前にあります。小さな構えですが、ベテランの女子職員は、気さくに

相談に乗ってくれ、ホテル、施設のガイドも丁寧。困ることは、すぐに

解決してくれます。ここのホームページはwww.pasadenacal.com 。

メイン・ストリートのコロラド・ブルーバード沿いには、ホテル、イン、

モテルが多数並んでいます。

私は、ヒルトン、シェラトン、ウェスチンに泊まりましたが、どこも

リーズナブル。サービスも上々でした。

「メイゾン・アキラ」の電話は６２６・７９６・９５０１です。

了

魅力の町パサデナ、その４

パサデナ市で、毎年、ユニークな殿堂入り表彰式、を開いて

いる団体があります。

その名は「ザ・ベースボール・ラリンクアリー」（遺跡の宝石箱）。

主催者の専務理事は、テリー・キャノンさん。カリフルニア州

ロサンゼルス郊外、モンロビア市（パサデナ市の近く）在住の

高校の先生です。

メジャー・リーグの貴重な資料収集家、で有名で、私が、

ロビンソン・センターを訪ねたときも、「貴方が来る、と知らせた

ので、やがて到着します」と、ワシントンさんが、告げてくれました。

待つことしばし。やって来たキャノンさんは、山のような資料を

私に手渡し、克明に教えてくれました。いや、その熱心なこと。

クーパースタウンでは、まず、やらないような、特殊な存在の

選手を紹介し、表彰する（簡単な写真入りの額1枚と、表彰状）

団体です。

毎年、7月下旬に、このパサデナ市の公立中央図書館講堂で、

会員を集め、表彰式兼パーティーを開いています。

私も、一度、参加しましたが「日本から来られた、メジャー研究家」

と、キャノンさんに紹介され、満場の拍手を浴びて、恐縮しました。

この図書館は、石造りの立派な建物。ロビンソン・メモリアルの２

ブロック北にあります。

キャノンさんらのグループの、メジャーに掛ける情熱は、素晴らしく、

「メジャー野球は、これほど、地方ファンにも、深く入り込んでいる

のか」と、思いを新たにしました。

ここで、もう一度、ライトレイル（地下鉄）ゴールド・ラインを

説明します。チケットは全線均一、大人1㌦25㌣（約１４５円）

の安さ。ユニオン駅が始発で、パサデナ市内には、７つ目の

フィルモア駅から入ります。次のデルマー駅は、オールド・

パサデナが目の前。次のメモリアル駅は、ロビンソン・メモリアル

へワン・ブロック。次のレーク駅は、プレイハウス・ディストリクト

の中心街に出ます。

この、ライト・レイルを乗り継げば、ロサンゼルス国際空港から、

市内へ自在に行くことができます。大きな荷物を持たず、時間

があれば、大変便利、ではないでしょうか。ユニオン駅から、レッド、

グリーン・ラインへも乗り換えられ、ダウンタウン、ハリウッドへ

も行くことは可能です。

了