東日本大地震災害で、忘れかけていた、サンフランシスコ地震
のワールド・シリーズを思い出しました。
1989年10月17日、サンフランシスコのワールド・シリーズ
第3戦。開会式が始まったばかりの午後5時4分。試合球場の
キャンドルスティック球場は、突然の大揺れに悲鳴が上がり
ました。ジャイアンツとアスレチックスの対岸同士の
「ベイ・シリーズ」。オークランドの1,2戦は、アスレチックス
は2連勝の圧勝。その第3戦なのです。マグニチュード6・9。
快晴、まだ明るい夕方。スタンドの選手家族は、一斉に
グラウンドへ降り、選手と抱き合い、不安そうに天を
見上げる姿は、今も、目に焼き付いています。
すぐ、開会式は中止され、ファン、選手、家族、
関係者は、マイカー、球団が用意した無料バスで市内へ戻りました。
「日が暮れれば全市停電です。すぐにヤミになるので、早く帰って
ください」というアナウンスで、市内のユニオン・スクエア
へ戻りました。
道路は壊れておらず、何とか戻りましたが、もう夜に
なると、本当に全市停電で真っ暗ヤミ。バスを降りて、
手探りでホテルへたどり附くと、エレベーターは
動かず、階段をやっと部屋へ行くと、天井が抜け落ち、
ベットも机も破片ばかりの惨状。
もう呆然としました。
しかし、幸運だったのは、これが移動日でなく、試合日
で球場にいたことです。もし、もう1日早く地震が起きていたら、
この時間は多分、部屋で原稿を書いていたはずですから、頭から
破片をかぶってしまい、無事ではなかったでしょう。
思い出すと、ぞっとする一瞬でした。
残酷だったのは「もう、ホテルは使用できないから、
明日は退去してください」という、フロントの通告でした。
どうしよう!。
了
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