全米野球記者投票で野球殿堂入りした、リッキー・ヘンダーソンと、
ジム・ライス両外野手は、当選の翌日、13日午後、ニューヨーク・マンハッタンの
老舗ホテル「ウォルドフ・アストリア・ホテル」で合同会見。喜びを語りました。
注目されたのは「リッキーは一体、どこのチームの帽子をかぶるのだろう」
という点でした。
リッキー・ヘンダースンは、実に9球団でプレーしています。殿堂入りのスターで、
これほど多くのチームを渡り歩いた選手は少ないのです。メジャーから外れても
「まだ現役でプレーしたい」と、独立リーグに参加してまでユニホームを脱がなかった
男です。そのプレーへの執念はすさまじいものがあるではありませんか。
ヤンキースは「彼はヤンキースの帽子をかぶるのがふさわしい。彼こそ、
トルー・ヤンキー!」と、G・スタインブレナー前オーナーは、当選の日、即座に
コメントしたのですが。
しかし、今日、リッキーは断言しました。「私はオークランドの帽子です。あそこは
故郷。私の心はアスレチックスにある」
寒いニューヨークでタートル・ネックのセーター姿のリッキーは、クーパースタウンが用意
した殿堂入りのホワイト・ユニホームを着て、クーパースタウンの帽子をかぶり
出席しました。
2人は、ライバルで対決した時代を振り返り、お互いを称え合いました。
サンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙の、アン・キリオン記者は同紙の
ホームページで「リッキーは盗塁の地位を高め、走る野球の原点を切り開いた
功労者。永久にその功績は忘れることはない。私は、必ず満票、と信じて
いたのに、何と28人もの記者はリッキーの投票しなかった。彼らは野球の本質を
分かっていないのか」と、厳しい論調を載せています。
このマーキュリー・ニューズは私のところに、毎日送られてきますが、
記者のみなさんは、郷土愛に充ち満ちていて、熱い思いが伝わってきます。
リッキーはこう言いました。
「私は今日で引退する」。
もう、50歳ですよ、リッキーは。まだ、プレーしたかった、とは。
了
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