シカゴからサンフランシスコへ行きました。
ダウンタウンにある「オドウルの店」を訪ねるのが目的でした。
オドウルさんは、戦争終了後すぐに、サンフランシスコ・シールズを率いて来日。
戦後の荒廃した日本に、野球の楽しみを、思い出させてくれた、いわば、
日本野球復興の恩人です。
日米野球交流の道は、このときから開かれました。
日本野球界は、その長年の功労に感謝を込めて、2002年、「新世紀特別表彰」
を決め、フランク・オドウルさんは、日本野球のルーツを開いた、ホーレス・ウィルソン
さんとともに、初めて、外国人で野球殿堂入りしました。
そのオドウルさんのレストランは、サンフランシスコの繁華街、ユニオン・スクエア
の近くにあります。
オドウルさんは、1969年12月7日、72歳で亡くなりましたが、今も、
その思い出は生きています。
メイソン、パウエル・ストリートの間、ゲリー・ストリート333の道に面した
旧い店です。
午前7時にはオープン。朝食、ランチ、ディナーと、休みなく営業。
スポーツ・バーは午前2時まで開いています。食事に来るお客は絶え間なく
続いて来ます。これも、最初から「市民の、ファンのためのサービス」で
一貫している、店の方針で「廉価のサービス・レストラン」でファンは絶えないです。
私は朝食時間に訪ねてみましたが、パンケーキ・セット、オレンジ・ジュース、
コーヒーで14㌦(約1500円)。十分のボリューム、味でした。
大きなパンケーキ(メープル・シロップ付き)2枚には、特大のハム(またはベーコン)
と卵料理(スクランブル、オムレツなど自在)が付きます。
「これでランチも兼用できるな」と、思うほど楽しめます。
店は奥深く、広々としています。店内の壁には、無数のオドウルさんの記念グッズが
飾られており、時間を忘れるほど、懐かしい写真の数々に見とれました。
店員は全員、ダーク・グリーンのポロシャツ姿一色。対応もみんなてきぱきして、
嫌な感じの人はいません。ボックス・ソファもオール・グリーン。
このグリーン・カラーこそ、アイルランド出身のオドウルさんの
母国のカラー「アイリッシュ・グリーン」なのです。
この店は1958年1月にオープンしました。もう、半世紀も続く野球の歴史が
詰まっています。
サンフランシスコこそ、オドウルさんの故郷なのだからです。
了
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