カンザス・スポーツ殿堂の2階には、ジョニー・ベンチ賞のコーナーがあります。
ベンチはカンザス州には関係ありませんが、ウィチタは大学野球の中心地。
「捕手の革命を起こした」と、言われるクーパースタウン野球殿堂入りの名捕手
に教えを請い、若手捕手の育成にスタートしたのが、このベンチ賞の設定と、
捕手を目指す人のクリニックです。要請を受けたベンチは快諾。
「私のすべてをつぎ込みたい」と、ウィチタへやってきました。
ウィチタ地区スポーツ・コンベンションでは、大学野球の年間最優秀捕手に選ばれた
選手に、毎年「ベンチ賞」を贈り、この殿堂で授賞式を行い、表彰しています。
トロフィーは、完全武装のベンチ捕手が台座の上に立つ、高さ30㌢のブロンズ像。
2001年に受賞した、ケリー・ショッパッチ捕手はインディアンスのレギュラー
になり、2008年7月30日のタイガース戦では、1試合5長打のメジャー史上
6人目のタイ記録を作る活躍で、今や、一流捕手に成長しています。
ショッパッチは、ずっとV・マルチネス(4番打者)の陰に隠れたいましたが、
マルチネスが右ひじを痛めて故障リスト入り。以後、チャンスをつかんだ男です。
ベンチを思わせるパワー十分の選手で、ベンチも「これから頑張れ」と、喜んだ
と言われています。
毎年、受賞者は、授賞式後に、地元のセントフランシス大学病院を慰問、
闘病中の子供を励ますのが恒例になっています。グッズやサインボールを
贈り「一日も早く元気に」と、力強い激励に、大歓迎されています。
ベンチ賞の社会福祉活動も立派です。
クリニックは「ジャスト・ブロック・イット!」のテーマで、ベンチ自ら先頭に立って
基本を教え込みます。捕手専門のいいコーチは不足したいるので、ウィチタ地区
では「早くベンチさんは来ないかな」と、その日を待っているそうです。
了
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