カンザス・スポーツ殿堂の2階コーナーに、セネタースで「機関車」とまで言われた
ほど投げ抜いた鉄人投手、ウォルター・ジョンソンが展示されています。
彼は、カンザス州の農村ハンボルト(HUMBOLDT)の出身で、生家の写真が展示
されていますが、本当にアメリカの村、という感じの平屋建ての家です。少年時代から
実家の手伝いをし、足腰を自然に鍛えていたので、細身ながら、あれだけの実績
を残したのでしょう。メジャーの歴史に残る大投手は、こういう自然の環境に
育った人が多いようです。
ハンボルトはウイチタとカンザス・シテイの中間で、ミズーリ州に近い土地です。本当に
何もないような町です。
ジョンソン愛用のグラブ、バット、シューズも展示されています。
ジョンソンはカッブ、ルースとともに、クーパースタウン野球殿堂入りも、
1936年の第1回メンバー選出でしたが、このカンザスでも、
州全体の知名度を挙げた点から最高の評価を受け、1961年
の「チャーター・メンバー」として、最初に選ばれました。
もう1人、特別扱いで飾られているのは、ヤンキースのミッキー・マントル外野手
です。彼は「オクラホマ・キッド」と呼ばれたオクラホマ出身で、
カンザスとは関係ありませんが、ヤンキース入りした19歳のとき、
ニューヨークの大都会ショックにかかり、当時のヤンキースのマイナー、
カンザスシテイへ送られてプレーしたことがあります。その縁で展示されているのです。
彼はカンザスで生き返りました。心配して駆けつけた父の励ましで、快調に
打ち出し、ヤンキースにすぐに戻って、スター街道を走った、と、伝えられています。
そのカンザス時代の絵、バット、帽子、スパイクが並べられ、ヤンキースの背番号
「7」のユニホームも飾られています。この地方の人は「ミッキーはここから巣立った」
と、信じているのです。
了
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