カナダ野球殿堂・博物館は、オンタリオ州セントメリー市にあります。
「そんな町があるのか?」と、知らない方が多いでしょうが、
人口わずか6293人(2001年調査)の小さい町です。
ここへ行くには、オンタリオ州ロンドン市経由しかありません。ロンドン、とは
イングランドのロンドン市をモデルに、イギリス人入植者が建設して名付けられたものです。
ロンドンへは、アメリカからは、デトロイトから飛ぶノースウェスト航空便と、
アメリカから一度、トロントへ入り、エア・カナダ便でロンドンを目指す2つのルート
がありますが、(いずれも、双発のプロペラ機)、トロントからの方が、
断然便数が多いのです。
ロンドン市にはテームズ河も流れ、まるで、英国にいるような雰囲気の町です。
ロンドン国際空港は、平屋建ての簡素な建物。到着したとき、何にもないのには驚きました。
しかも、バスもタクシーもありません。「さて、足をどうするか?」と、思案
していると、空港広場には「白タク」が待機。どこへでもOKです。
トロントからセントメリーへ、日帰りも不可能ではありませんが、
時間的に無理、なので、ロンドン・ダウンタウン・ヒルトン・ホテルへ一泊しました。
白タクはメーターもないので、心配だった、のですが、
ドライバーは「ダウンタウンへ行くには協定値段です」と、最初に説明。
片道18㌦50㌣(約2000円)でした。トラブルもなく、安全運転で無事にホテル到着。
チェックインのあと、再びタクシーを頼み、すぐにセントメリー市へ。
ロンドン市からは北東へ50㌔。待ち時間を入れて120㌦(約1万2000円)でした。
何故、この小さな町に殿堂を建設したのでしょうか?
以前は、野球殿堂は、トロント市にあったのですが、寄贈されるメモラビリアが増え、
収蔵、展示場所がなくなり、カナダ全体から公募したところ、複数の
立候補都市から、セントメリー市が選ばれた、と言います。
セントメリー市は、別名「ストーン・タウン」と、呼ばれる”石の町”。
特産の石灰岩で有名です。石の建造物は、内部の温度を一定に保つ、
緊密な保温力があり、雪が降る冬でも大丈夫、と言われています。
セントメリー市の代表産業、セメント会社が土地、建設資金を全面サポート。
1994年8月25日、セントメリー市に認定されてから4年後の1998年6月4日に
竣工、オープンしました。
殿堂前にある広場には野球場もあり、濃いブルーの屋根、白の石灰岩外壁
のコントラストは美しい殿堂です。
了
コメント