メトロ・ドームには、様々の思い出があります。
1991年、ツインズ対ブレーブスのワールド・シリーズを取材しましたが、
「ロード3連敗、ホーム4試合全勝」の歴史に残る記録を作りました。
ツインズは、1987年、カージナルスとのシリーズでも、これと同じパターン
で2回とも優勝しました。「お互いにホーム・ゲーム全勝」を2回も記録したのは、
ツインズしかありません。2回とも7試合目に決着が着くシリーズでした。
メトロ・ドームで開幕し、ホームで4試合開催する”ホームの利”をフルに
利用したものです。
このブレーブスとのシリーズは、5試合が1点差、3試合も延長戦。
最後のメトロ・ドーム2試合は、いずれも延長戦になり、ツインズが
2試合連続のサヨナラ勝ち。王座に着く劇的な幕切れでした。
最終7戦目は、右腕ジャック・モリス投手が延長12回を完投。
第1戦に次ぐ2勝目で、見事にMVPに輝きました。
今でも、試合前、自軍ベンチで目を閉じ、瞑想して精神を集中していた、
モリスの鬼気迫る表情を忘れられません。
ツインズは、この1991年シリーズに、初めて「ホーマー・ハンキー」
と呼ぶ大型の白いハンカチ(1枚1㌦)を応援グッズに導入、ファン
全員がこれを振り応援する新スタイルで、ブレーブスを悩ませました。
天井はグレイのテフロン幕。ハンカチが一斉に振られると、打球を
一瞬見失ってしまう、のです。
ブレーブスがそれ以上に困ったのは、大騒音でした。
私は最上段の記者席にいましたが、やかましくて、隣の声も
聞こえないほど、応援コールはものすごいものでした。
サヨナラ安打も、この騒音にやられたのかもしれません。
ホーマー・ハンキーは、その後、各地で大流行。応援グッズには
欠かせないものになりました。
メトロ・ドームはスタンドは急傾斜になっているため、階段を登る
のは怖いほど。間隔も狭く、上り下りは大変でした。
この年を最後に、ツインズのワールド・シリーズはありません。
まさに、古き良き時代でした。
了
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