ヒューストンは、開閉式の屋根付きが売り物。地上74㍍の高さにかかる屋根は、
4枚のパネルが、折りたたまれて、右翼へ収納され、屋根を
閉じるときは、左翼側へ移動してつながり、天井をすっかり
覆います。約20分でOK。
4月から9月まで、ホーム開催81試合の大半はクローズされます。
2007年、屋根を開けた日は、12試合だけでした。
クローズで38勝31敗。オープンで4勝8敗。やはり、
屋根を閉めた方が、成績はいい、ようです。
ユニークなのは、左中間後方上段に、鉄道が敷かれ、昔の
蒸気機関車が、汽笛を鳴らして、約122㍍の線路を走る風景です。
常時走るわけではなく、試合前のひとときと、アストロズ選手
が、ホームランしたときだけ、走ります。
この機関車は、長さ17・4㍍の縮小模型。貨物車を1台連結し、ゆるやかに
走ります。
ここは、かって、ユニオン鉄道の跡地でした。その昔の駅舎ビルも、
保存され、往時の面影を残しています。メジャー初期、
球団が東部に集結していた時代は、チームの移動は、ほとんど
鉄道でした。その、名残を思わせる、1860年代の、
蒸気機関車、をモデルに制作したものです。
機関車の先頭に着いている鐘は、往復各1回、カンカン、カンと鳴る様子は、
ここならでは、のもの。本当に、ヒューストンだけしかない、演出です。
駅舎跡を取り込んだ建設のため、球場は変形。左翼は、わずか96㍍
しかありません。逆に、センターは、132・6㍍もの深さ。センター
には、芝生の丘があり、ここに、国旗、球団旗などを掲げる、
3本の黒塗りフラッグ・ポールが立っています。
ホームランは出やすく、投手陣が、よほど、しっかりしていないと、
苦戦します。今季、中地区の4位がやっとの成績は、投手陣
の不振が分かります。チーム得点723を上回る813失点。
アストロズの打たれた本塁打、206本は、両リーグ最多。
いかに、ここで、相手に打たれる、ことの方が多かったか、分かります。
フィールドと、スタンドの間隔が狭く、選手の表情が、目の前で
見られる、ファウル・ゾーンの短いのが特徴。どこの席からも、
見やすく、良く、設計された野球場です。
了
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