松原 明の大リーグ

レッドソックス、オープン戦も１０２試合売り切れ

レッドソックスは、3月２９日でキャンプ地、シテイ・オブ・パームパーク

のホーム主催試合を終わりましたが、ホーム・ゲームは完全売り切れの新記録でした。

これで２００３年3月１６日から、通算１０２試合完売のフロリダ新記録の動員。

今春はホーム、ロードとも満員。２９試合、すべて売り切れ、なのですから、その

人気のすごさは驚くほどです。

公式戦も２００３年5月１５日からフェンウェー・パークで５５０試合連続売り切れ

の記録を続けており、レッドソックス・ネイションの後押しの熱意には、ただただ

頭が下がります。

4月4日のホーム開幕戦はもう売り切れ。相手は王者・ヤンキース。昨年は

レッドソックスが9連勝。後半は全く逆の展開になりました。

4日は全米で、ボストンだけの1試合開幕です。ボストン地区を除いて全米へテレビ中継

（ＥＳＰＮ）されますが、果たして笑うのはどちらでしょうか。

田沢投手が右ひじ手術、約1年間休養は残念ですが、再起を期待しましょう。

レッドソックスは２，3日はワシントンでナショナルズと2連戦で打ち上げです。

3日はウエイクフィールド投手が先発、松坂投手が2番手に予定されています。

開幕シリーズを外れた松坂は内容次第で先発ローテに戻ります。

オープン戦も3日でフィナーレ（4日に1試合マリナーズ対ジャイアンツがサンフランシスコ

でありますが）。明暗さまざまでメジャー一気の開幕です。

了

マイナー・リーグのオールスター

マイナー・リーグの「２０１０年オールスター・ゲーム」の日程が発表されました。

大リーグの登竜門、と、年々注目を浴びている「フューチャーズ・ゲーム」は、

メジャーのオールスターと同じ、アナハイムで開催。７月１１日、アメリカ選抜対

ワールド選抜の対抗戦で、期待の新星が続々登場する、見逃せない試合です。

この2日後が本番のオールスター・ゲームです。

３Ａはインターナショナル・リーグ選抜と、パシフィック・コースト・リーグ選抜が争い、

７月１４日、アレンタウン（ペンシルバニア州）のコカコーラ・パークで開催。

ここはリーハイ・バレー・アイアンピッグのホームです。

２Ａイースタン・リーグはも7月１４日、ハリスバーグ（ペンシルバニア州）の

メトロ・バンク・パーク。東西対決です。

２Ａサザン・リーグは7月１２日、南北対決でハンツビル・スターズのホーム、

ジョー・Ｗ・デービス記念スタジアムで開催。

２Ａテキサス・リーグは6月３０日、ミドランド（テキサス州）シテイ・バンク・ボールパーク

で、これも南北対決に。

Ａ級カロライナ・リーグはカリフォルニア・リーグとの対抗戦で、６月２２日、

カロライナ・リーグのマートル・ビーチ・ペリカンズのホーム、ＢＢ＆Ｔコスタル・

フェデラル・フィールドです。

Ａ級フロリダ州リーグは6月１２日、ブレバード・カウンテイ・マナティーズの

スペース・コースト・スタジアムで南北対決。

Ａ級ミドウェスト・リーグは6月２２日、東西対決でフォートウェイン・ティンキャップス

のホーム「パーク・ビュー・フィールド」で行われます。

Ａ級サウス・アトランティック・リーグは６月２２日、南北対決でグリーンビル・

ドライブのホーム、フロア・フィールドで開催です。

Ａ級ニューヨーク・ペンシルバニア・リーグだけは８月、とあるだけで開催日

は未定。球場はスタテン・アイランドのリッチモンド・カウンテイ・バンク・ボールパーク

で開催します。

いずれの球場も祭典のイベントは盛んです。どこへ行っても、地元民が

楽しでいるのではないでしょうか。

了

スィッチ投手の出現

ヤンキースのマウンドに、”スィッチ投手”が出現。ファンを驚かせました。

24歳。ネブラスカ州オマハの出身。パトリック・マイケル・ベンディットＪ投手。

父のシニアがパトリック少年がまだ3歳のとき、左右で投げられれば成功するかも、

と、教えたのが始まり。自宅に人工芝を敷き、打撃ケージ、投球スピードガン、

ピッチング・マシンまで持ち込む本格教育。

少年は成長に連れて、フットボールを両足で蹴るトレーニングまでやったので、

体の使い方を覚えて、オマハ中央高校時代には州の第2ベスト・チームに

選ばれるような投手になりました。

大学ではさらに磨きを掛け、ついに、ヤンキースのスカウトの目にとまり、

２００７年にドラフト。このときは「卒業してから」と、断りましたが、

２００８年も、さらに指名順位を上げて２０位にランク。

今度はすんなり入団しました。

このベンディット投手は、最初、スタテン・アイランド・ヤンキースに所属。

救援投手として好成績を挙げたので、スタテンの殿堂入り。その

左右投げの写真額が壁に飾られています。

私は、スタテンを訪問したとき、これを発見。「いつ出てくるのか」と、眺めて

いましたが、3月３０日のオープン戦で、エース左腕、ＣＣサバシーアの2番手

でマウンドに上がるとは、また、驚きでした。

1回3分の１を２安打、１失点。デビューは上々です。

写真で見ると、右（利き腕）は上手投げの本格派。左腕では横手投げの軟投。

特に、左腕のスライダー、カーブが有効、という評価です。

ヤンキースではこの1試合だけで、今季は1Aタンパ所属ですが、

面白い存在になりそうですね。

グラブはミズノに特注した、親指が左右別々に入る「６本指」。これで左右持ち替えて

投げるのです。

メジャーでスィッチ投手の登板は、１９９５年のグレッグ・ハリスが最後。

果たしてベンディット投手がいつ昇格するのか、楽しみです。

了

マイナー３球場新設

マイナー・リーグは、今季３つの野球場がオープンする、と公表しました。

「マイナー・リーグ・ニューズ」２０１０年第1号に掲載されたものです。

２Ａタルサ・ドリラーズ（テキサス・リーグ）の「ワンＯＫフィールド」と、Ａ級ウィンストン・

サーレム（姉妹都市）ダッシュのダウンタウン「ＢＢ＆Ｔ」ボールパーク、

ルーキー・リーグのユージン・エメラルド（オレゴン州）「ＰＫパーク」です。

タルサはオクラホマ州北東部の都市。ロッキーズのマイナーですが、

「世界の石油都市」、と呼ばれるように石油資源が豊富で、資金の心配はいりません。

ワンＯＫ社は自然ガス・エネルギー・サービスの会社で建設を全面支援、

総工費６０００万㌦（約５４億円）の内、半分の３０００万㌦（約２７億円）

を援助、チームはリース料金５００万㌦（約4億５０００万円）の負担で済みます。

その豪華施設は２Ａレベルでは一番でしょう。

近年、マイナー・リーグはどこも施設改修、新築が進み、これが地域経済

を活性化し、各地で成功しています。

市民、住民に愛されるマイナー・リーグ野球をともに楽しみたい、努力で、

野球は深く浸透しています。

素晴らしいマイナー・リーグ。今季も面白い展開になりそうです。

了

オバマ大統領、ワシントンの開幕戦始球式

オバマ大統領が4月5日、ワシントン・ナショナルズ・パークで行われる

ナショナルズ対フィリーズの開幕戦に初めて始球式を務めます。

3月２９日、正式に発表されました。

この日は午後1時5分開始のデーゲーム。昨年、セントルイスのオールスター・ゲーム

で始球式に臨んだオバマ大統領は、ホワイトソックス（大統領がファン）の黒の

グランド・コート姿でマウンドに立ち、左腕から第1球を投げました。

ジーンズにスニーカーの軽装でした。

これまでの歴代大統領は、スタンド最前列からスーツの正装で、近寄る捕手に軽く

トスしたものでしたが、ジーズンズ、グラウンド・コートとは、

時代の流れを感じさせる始球式でした。

昨年はオバマ大統領は不在でワシントンの開幕戦には見えませんでした。

さて、今回はどんなスタイルで現れるのでしょうか。

今年は開幕大統領臨席の始球式１００年の歴史的記念イヤーです。

１９１０年、当時のハワード・タフト大統領が初めて第1球（ワシントン

のグリフィス・スタジアム）を投じてからちょうど１００年目。

迎えるワシントンは大変です。万一、テロ騒ぎが起きては、と厳戒態勢。

ゲートは午前１０時開門。荷物検査が1人、1人厳重に行われるため

「少しでも早く来て欲しい」と、呼びかけています。

最下位続きのナショナルズは「これで開運！」と、新スタートを念じています。

わずか５㌦の席を特別サービス。ビールも５㌦の特価で販売。先着2万人に

レプリカ打撃ハットも提供。数多くのプレゼントも用意してファンを迎えます。

球場内部に植えられた日本からの桜の苗木が育って開花したでしょうか。

桜咲くワシントン。王者・フィリーズを迎えての期待は大きいのですが。

了

バンクーバー朝日物語の出版

元名古屋中部日本放送（ＣＢＣ）のスポーツアナ、後藤紀夫さんが、長年の研究

を土台に現地調査した「バンクーバー朝日物語」が、3月２６日、岩波書店から出版され、

私の手元に届きました。

綿密な調査と、インタビューを交えた四六判２４８頁の大著で、（定価２２０５円）実に

素晴らしい出来映えです。

後藤さんは私が名古屋勤務のころの同期生で、ドラゴンズの取材を通じて、交友

のあった方です。後藤さんが先頭で、ＴＢＳとタイアップしてドキュメンタリーを

制作したのは１９９４年。それから１０年余。ほとんど毎年、カナダへ渡り、夫人の

後押しで、この本を完成させたのです。

その絶え間ない努力の積み重ねには、頭が下がる思いです。

テッド・フルモトさんがすでに「バンクーバー朝日軍」の本を出版されていますが、

この2冊がそろえば完璧です。

私も、バンクーバーへ2回行き、月刊ドラゴンズの「アメリカ野球博物館の旅」

で2回紹介しました。また、このブログでも、何回か朝日の話は書いていますが、

駆け足で廻り、1日で取材した私とは、比較にならないほど内容の濃い本です。

これで多くの日本の方に、戦前、バンクーバーで、いかに日系人の方々が迫害

に耐えて頑張られたか、朝日軍が活躍したか、を分かって頂ける、と思います。

私も、微力ながら、朝日の道を紹介しましたが、バンクーバー五輪が無事に

開催され、世界の多くの人々が交流し、五輪を楽しまれたのは、本当に

うれしい限りです。

後藤さんの努力に乾杯！。

了

キャンプ地ガイド３０、レイズ恐るべし

レイズのキャンプするシャーロッテ・スポーツ・パークは、すでに紹介してありますので

省略しますが、レイズはすごい勢いで勝ちまくっています。

3月２８日終了現在、１７勝7敗でグレープ・フルーツ・リーグの単独首位。あと６試合

残していますが、２００８年のチーム記録、１８勝８敗2分けを上回るのは確実です。

「たかがオープン戦」と、昔は言われていましたが、今や、オープン戦の調整成功は

公式戦に結びついています。

レイズは２００８年のオープン戦の成果を持ち込み、ワールド・シリーズに進出して

あっと言わせました。今年はその２００８年再現のペースです。

特に、アメリカン・リーグ東地区相手に１６試合を組んでいますが、何と、１１勝2敗の

快進撃。負けたのはヤンキース、オリオールズだけ。レッドソックスには４連勝０敗

なのです。まだ東地区チームには3試合残していますが、このまま行けば、

ヤンキースの王座を脅かす一番手はレイズでしょう。

オフの補強はブレイロック三塁手、ショッパッチ捕手、ソリアノ投手ぐらいですが、

岩村二塁手がパイレーツへ去ったあとは、ゾブリストが埋め、ほとんどアナは

なく、若手の成長目覚ましいものがあります。

3番・ロンゴリア三塁手は「ウチはみんなやれる自信を付けている。毎日が

楽しい」と、話しています。

この日で３３本塁打のパワーもリーグＮＯ・１。「本塁打を狙いすぎるな」と、

5年目のマデン監督は戒めていますが、お家芸の機動力は磨きがかかり、

3年連続開幕投手のシールズも準備ＯＫ。難点は救援投手陣の不安ですが、

その心配を吹き飛ばす若さがあります。

レイズが再び風雲を巻き起こす予感がします。

了

キャンプ地ガイド２９、アスレチックス

昨年も２２ゲーム差の最下位。今季も明るくはないアスレチックスですが、オープン戦は

3月２７日終了現在、１１勝１２敗２分け。その内容はそう悪くはありません。

アリゾナ州キャンプは４２回目。フィニックスでは２９年連続になる、アリゾナの古参です。

メサ、スコッツデールと移転してフィニックス・ミュニシパル・スタジアムへ。

ここは1964年3月８日に完成。収容８７７５人の野球場です。

竣工記念式典は、当時のフォード・フリック・コミッショナー、ウォレン・ジャイルズ・

ナ・リーグ会長、ホーレス・ストンハム・ジャイアンツ会長らの首脳が出席、アリゾナ

進出の第1歩を祝福しました。

道路から直接メイン・スタンドに気軽に入れる、庶民的な野球場、という評判です。

ここは3月３１日で打ち上げ、4月1日からは開幕前、恒例の「ベイ・シリーズ」で

ジャイアンツとの3連戦です。

4月１、2日はサンフランシスコ。3日はオークランド。このオープン最終戦の3日、

オークランドの駐車場で球団主催の「テールゲート・パーティー」が午前9時

から開催されます。これが「開幕ファン感謝祭」なのです。

焼き肉などの他、スター選手が顔を見せるサイン会、グッズ・セール、

優勝のトロフィー展示など、広場いっぱいに行うようです。

入場無料、プレゼントもあります。

オークランドはチケットは安く、センター後方の外野指定席は５㌦（４５０円）で入場できます。

試合は午後1時５分開始。その前の感謝祭りです。

今季は1年余の長期ブランクを克服して再起を図るベン・シーツ投手が注目のマト。

シーツの第1戦はＫＯでしたが、マイナーの調整は順調で希望も出てきたようです。

全くノーマークのアスレチックスですが、ひと波乱も起こせるのではないでしょうか。

了

キャンプ地ガイド２８、エンゼルス

エンゼルスは開幕まであと１０日、に迫っているいま、不振から抜け出せないまま

ピンチの状態です。昨年まで春のオープン戦は５年連続勝ち越し。昨年は

２６勝８敗の圧勝の勢いで公式戦も地区連覇でした。

ところが、今春は2連勝が1回しかなく、3月２６日現在、７勝１３敗2分け。カクタス・リーグ

ブービーの惨状。これでは地区Ｖも？ではないでしょうか。

打線も3番・ハンター、4番・松井、5番・モラレスのトリオがそろったのは今週末から。

エーズ、ラッキーを失い投手陣も苦戦。強打・ゲレロもレンジャーズへ去り、

フィギンスもマリナーズへ。そのアナ埋めは容易ではありません。

日本の新聞は松井の行動しか報じていないため分からないでしょうが、

その内容は安心しておられないのです。

何しろ、エンゼルス担当記者は3人、ＭＬＢコムの記者が1人。あとは日本人メディア

が４０人（テレビ、写真も含む）もいる異様な取材風景では、エンゼルスも集中できず

迷惑なのではないか、と、心配しています。

テンピ・ディアブロ・スタジアムは１９６８年オープンの歴史ある野球場。

収容９７８５人。２００６年に２０００万㌦の工費で改修。最新設備が整う

立派な施設です。エンゼルスはここで１８年目。この”松井騒ぎ”が収まらないと、

開幕は一丸になれるのでしょうか。

了

朗報！ドジャースが球場往復バスを運行

3月25日、ドジャースからファンの皆様へ朗報が届きました。

これまで臨時、不定期バスしか運行していなかった、ロサンゼルス市ユニオン駅

からドジャー・スタジアムへの往復バスが、4月1日から毎試合、必ず出ることに

なりました。

この日、ロサンゼルス市メトロ交通局と、ドジャースが共同声明で明らかにしたもので、

ドジャースは、フランク・マコート・オーナーがユニオン駅のバス始発場に自ら立ち会い、

満面の笑顔で「ロサンゼルス市の発展と、ドジャースのファンのために素晴らしい

解決方法になった」と、あいさつしました。

バスはオレンジの車体に、白の「ドジャー・スタジアム・エクスプレス」

と書かれた看板が横に下がる新車（クリーン・エネルギー車）が展示され、

4月1日のドジャース対インディアンスのオープン戦からスタートします。

ホーム公式戦には必ず運行されるので、車がなくても、足のない人も安心です。

その日のチケットを持つ人は無料、持たない人でも片道１㌦２５㌣（約１００円）

のサービス。試合開始1時間３０分前から運行。帰りは試合終了後４０分

まで動いています。

ドジャースタジアムへは、これまで公共バスは臨時しか運行されておらず、

昨年、実験的にユニオン駅から運行したところ、好評だったので

年間運行に踏切りました。

この料金からみても有り難いサービスです。車椅子の方も乗車はＯＫ。

ユニオン駅は鉄道、バス、地下鉄が直結、集中しているので、乗り換えは大変便利です。

ロサンゼルス空港からバスでユニオン駅へ行けば、ナイターには十分間に合います。

これで年間最多動員を誇るドジャースのファンはさらに増加するのは確実

でしょう。地区3連覇へ、ゴーゴー・ドジャース！

了