全米野球記者協会は、そのホームページで投票方法、選考過程を公表
していますが、その経過を紹介しましょう。
投票はア・リーグが球団所在地の14球団、1都市各2人、合計28人、
ナ・リーグは16球団2人の32人が投票します。
各球団所在地の担当記者の投票で「だれが投票するか」の選考は
その都市の記者会の指名に任れています。ニューヨークのような大都市
と、ローカル都市では、担当記者の数も違い、ローカルでは1人で全部投票
することもあります。今や年々、地元紙の担当者、ビート・ライター
(常時チームと同行)も減りました。
同じ地区の試合は19回も対戦しますが、別の他地区とは6試合(ホーム、
ロード各3)しかやらないので、年間1シリーズしか見ることができません。
どうしても同じ地区の対戦の印象は強くなるのは仕方がないことでしょう。
全米記者会は、「どの記者がだれに投票したか」、をすべて公開している
のが特徴です。日本では一切公表していませんが、結果が一目で
分かるのは、アメリカの公明正大さ、だと思います。
「何で、この選手に」というような投票をすると、その記者の見識を疑われますから
ミスは許されません。
来年1月初旬に発表される、クーパースタウン野球殿堂入り投票は
12月31日に締め切られます。全米野球記者会員(10年以上担当経験者)
ならみんな投票権があります。
日本の殿堂選考投票は、新聞社、通信社所属の長年経験者で
定年で退社すると権利はなくなりますが、アメリカは定年後も
引き続き投票できるのが大きな違いです。
この方式だと、昔の選手を知る記者はそのまま残っているので、若い記者の
知らない選手もカバーできます。
2010年で581人が投票、年々増加し、今年度は600人を超える、
と言われています。
表彰式典は来年、1月19日、ニューヨークのホテルで豪華晩さん会の
形式で表彰者を呼び行われます。昨年はナのMVPに当選した、ライアン・
ブラウン外野手(ブリュワーズ)がその直後に薬物疑惑が発覚、
受賞辞退か、と騒がれましたが、式典に出席した本人はトロフィーを
受け取りノーコメント。
声明を読み上げただけでした。
了
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