レンジャーズは何故、カージナルスに勝てなかった、のか、
今も不思議に思います。
運命の第6戦、レンジャーズは、7回に3点、8回はまだ2点
のリード、9回も2点差、そして、10回にも、ハミルトンの2ラン
でまた2点リード。いわば、事実上の最終戦で、
7回以降、これほどのリードを失ったチームは、
歴史的にも異例のことなのです。
過去には、1960年、パイレーツがヤンキースに逆転サヨナラ
勝ちした第7戦以来、と言われています。
ヤンキースは8回表、7ー4とリードし、あと2回でしたが、
その裏、5失点で、9ー7と逆転され、9回表に追いついた
その裏、ビル・マゼロスキーにサヨナラ本塁打された波乱の年
ですが、今年のように、7回から4イングも連続リード
しながら失った例は史上初めてのことです。
「なぜ、またもリードした10回裏、クローザーのN・フェリッツ
を連投させなかったのか?」という疑問を持ちました。
10回裏、カージナルスの攻撃は8番から。
フェリッツの球威なら抑えられる、と思ったのですが、
ワシントン監督は、7戦の試合前、ベンチで記者団にこう言った、そうです。
「彼のショック(9回2死から同点2点三塁打)は大きく、10回
も行け!といえる状態ではなかった。相手は左打者2人、
もうカージナルスのベンチには代打もいないから、
左のオリバーで行ける、と判断した。だが、機能しなかった」。
もし、フェリッツが「ヨシ、もう一度やる」と、気力を奮い起こせば
抑えられる球威は十分あります。ボールに力のないオリバーとは
違うはずなのです。
カージナルスは、その左打者2人が右翼、左翼へ連安打。
またも同点に持ち込み、もう、レンジャーズには、カージナルス
を止める投手は残っていませんでした。
2番からの9回裏とは違い、カージナルスは、10回は運命を祈るしか
なかった、のですが。
2イング連続で「あと1人、あと1球」のチャンスを逃した
のは悔やんでも悔やみきれません。
このシリーズ、レンジャースは四球41個も出すワースト新記録。
ここに、カージナルスの忍耐野球のすごさが見られます。
カウントを悪くさせる粘りの待球戦術。これがナインに
浸透しているからこそできるワザ。
オガンドも、フェリッツも、球威ある2人は、このワザにはまって
負けました。歴史と経験の深さははるかに上のカージナルス、
脱帽しかありません。
了
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