ハットボロのような、フィラデルフィアのローカル小都市で、もう、
ほとんどの人が忘れかけている「戦前のアスレチックス」を、
懸命に守り立てて、保存を続けていこう、という人々の情熱には、
本当に、頭が下がります。
今や、博物館を維持していくだけでも大変な不況の時代です。
ローカルのスポンサーはいますが、毎年の表彰式には、その都度、
多くの援助がないと、やって行けません。
表彰額は、クーパースタウン方式の立派なものですが、全部、毎年
違うスポンサーが額作製の資金を出しているのです。
だから、少しでもグッズを売って、運営資金を助けよう、という努力は
涙ぐましいものがあります。
今、地元の絶大な人気がある、フィリーズのグッズが多数飾ってある
のも、そのためです。
歴代の表彰額は2003年が最後。その後の選考はまだやっていないようです。
年間の会員費用は30㌦(約2650円)で、会報も発行し、グッズのPR
に努力中です。
「もっと、広い施設なら」と、惜しまれる館内の狭さでした。
旧アスレチックスの球場「シェイブ・パーク」も、もう跡形もありませんが、
建設地を示す案内板をこの会が設置。コニー・マックのPRも努めて
います。「日本からやって来るなんて、うれしいよ。もっと、多くの地方に広まれば
有り難い」と、ディレクター。毎日、動き回り、資金援助の運動を
続けています。これほど規模の小さい博物館を取材したのは初めてですが、
その愛情が印象に残る旅でした。
(了)
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