カンザス・シテイにある「黒人野球リーグ博物館」が、存続のピンチに立っています。
1月31日、ESPNがホームページで報じたもので、2009年は入館者の減少、寄付
の激減、企業の支援不足、などが原因で、年間20万㌦(約1800万円)の赤字。
このままでは、博物館の維持経費が足りず、閉鎖の危機に面している、
と、言われます。
ここはカンザスシテイのダウンタウンから18番通りを行けば、(徒歩でも行けますが)
バイン通りとの交差点に建つ2階建てのビル「アメリカン・ジャズ博物館」と同居しています。
道路を隔てて「ジェム・シアター」があり、かっては、カンザスの中心街でした。
私は、2回訪問しましたが、いずれのときも閑散としていて、この地区は、全く
人通りがないのです。周囲の公園も整備され、美しい環境ですが、訪ねる人が
いないのでは、運営もいつか、ピンチになるのでは、と危惧していました。
入館料金は大人6㌦。これでは入場者がすくなければ寄付がない限り
運営できないのは当然です。
ここは公共のバスも少なく、特に夜間はとても歩けないほど怖い地区です。
内部は「ジャズ博物館」(左側)と二分する形で別れており、様々の展示が
あります。場内には黒人リーグの盛衰がわかる展示の工夫がされています。
この博物館建設の奔走した、バック・オニール氏も亡くなり、黒人運動の中心
人物、顔の広い人を失っては前途は多難です。
今後は各地にある黒人展示館へ分散するか、クーパースタウンへ移管するか、
何らかの道を考えないと、消滅してしまいそうです。
または、2009年にカウフマン・スタジアムを大改修した、
地元のロイヤルズが左翼に新設した「ロイヤルズ野球博物館」へ移転するのも
ひとつの方法でしょう。
黒人野球の足跡が消滅しかけるとき、この博物館が、せっかく集めた貴著な資料が
保存されることを祈ります。
了
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