全米野球記者協会員の殿堂選考の投票結果は、1月6日、公表されましたが、
今年度も、クーパースタウン野球殿堂入りは1人でした。
エクスポズ、カブスで活躍、21年間もプレー、晩年はひざの故障と戦いながら
頑張ってきた、アンドレ・ドースン外野手です。9回目のチャンスでした。今年55歳。
「何年も待つのは辛い、と毎年思ってきたが、家族と祈っていたら、
神様は見捨てなかった。家族を感謝した」と、コメント。そして「わずか5票足りず
涙を飲んだ、ブライルベン投手(2位)の気持ちを思うと、何とも複雑な心境です」
と付け加えました。
ドーソンはいつも怖い顔でいかつい体、近寄りがたいような男ですが、その真剣な
プレーは、記者の印象に残っていたに違いありません。もう古巣エクスポズは
消滅しましたが、「人工芝のモントリオール(11年間)でひざを痛めた。
だが、自然芝のカブス・リグレー球場に移って生き返った」と、
打点王(1991年)MVP(1987年)はいずれもカブス時代(6年間)の成果、
と振り返るドーソンです。
通算438本塁打、314盗塁。この”400・300”の大記録は、ウィリー・メイズ、
バリー・ボンズの2人しか達成していない快挙です。
長いキャリアでも、ついにワールド・シリーズに縁はなかったドーソンは、
最後はマーリンズで引退したのですが、ユニホームを脱いだ翌年、1997年
にマーリンズはワールド・チャンピオンになりました。残念だった、と思います。
マーリンズではすぐにフロント入り。社会福祉、地域発展に努力し「マイアミ出身の
私は故郷のために最後まで働く」と、現役時代と変わらない仕事を続けました。
マーリンズのオーナー、ジェフリー・ローリア・オーナーは「彼ほどフィールドでも
フロントでも献身的にやってくれた男はいない」と、殿堂入りを祝福しました。
表彰式は7月25日、クーパースタウンで行われますが、4球団に在籍したので
「どこの帽子を被って受賞するのか」と、注目されましたが「デビューのエクスポズ
の帽子で」と、決断。モントリオールの帽子で受賞するのは、2003年に
選ばれた、ゲリー・カーター捕手以来2人目になります。
7日にはニューヨークで記者会見。晴れの日に、
クーパースタウンでのスピーチが楽しみです。
了
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