私がオフの個人表彰発表で驚いたのは、アメリカン・リーグMVPの結果です。
当選したのは、ツインズをラストの猛烈な追い込みで中地区首位に導き、首位打者
に輝き、本塁打、打点ともに自己ベストの好成績を挙げた、ジョー・マウアー捕手。
ほぼ独走の387ポイント。投票した28記者の内、27人が1位に推し、2位票は1票。
しかし、マウアーと、最後まで首位打者を争ったイチローは9位。ベストの票は6位が2人。
あと8位、9位は各4票、10位は3票。合計33ポイントしかありませんでした。
打撃成績は少しも遜色はなく、史上初めての9年連続200本安打、
4年連続のリーグ最多安打も記録したのに、全く評価されなかったのか、
と思うと、残念です。
全米野球記者協会員の個人賞投票は1都市2人、毎年代表投票記者を選出
して、全米で合計28記者が(ナ・リーグは16都市、32人)投票しています。
この結果から見ると、イチローに曲がりなりにも投票した人は全体の半分にも
ならない13人。他の15人に記者は投票ゼロ、としているのです。そんなに価値観
が違うのか、と改めて驚くばかりです。
「ただヒットを多く打っただけではないか」と、見ている記者が少なくないのでは
ないか、と気になります。同じような成績で,マリナーズ入り1年目の2001年、
MVPに輝いた年から、年々評価は変わってきているのをはっきりと感じます。
これも、常駐記者との対話が欠ける疎外感が深まってきたからではないか、
という気もします。
かって、日本人記者にも話さず、背中を向けてしゃべる、ということも報道されたこと
があります。私は、改めて「郷に入りては郷に従え」の格言を思います。
例えば、ゴルフ界にセンセーションを巻き起こした18歳の石川遼君。
彼は「いつかは、アメリカの本舞台に立ちたい」夢を持ち続けてきました。
「そのためには英語の学習を、自分でしゃべる」と、スピード・ラーニングの練習を続け、
耳から体に流れる英語を覚え、現地での記者会見にも自分の英語で話し、
魅了しました。この相手の世界へ単身飛び込む態度のけなげさ。
これは自然に彼らを味方に付けます。
ドミニカンのサミー・ソーサ外野手がオールスターの会見で、最初は英語、すぐに
母国語のスペイン語でラテン系に記者に話し分けし、好感を持たれていました。
その話す態度は懸命でした。「何とかみんなに分からせよう」という気持ちが
伝わってくるのです。
だから、今も、薬物疑惑に包まれたソーサを悪く思ってはいません。
人生は頂点に立てば下降も始まります。急降下したとき、それ見ろ、と
バッシングも待っています。アメリカのプロ社会で生き抜くのは本当に大変なのです。
了
イチローがMVP投票で票が少なかったのは本塁打が少なすぎだからでしょう
今年本塁打王のペーニャもMVP票は入らなかったですよね?事実マウアーも長打が増える前はMVPとは無縁の選手だった
イチローもペーニャも一つは良くても総合的に見れば両方の成績を残してる選手には劣ります
一年目のMVPの時は成績より印象でとったと思います。新人で来て首位打者でしたからね
冷静に見ると打率は高いが長打が打てない影響力の少ない選手と思われてるのでしょう
投稿情報: プロフェッサ | 2009年12 月30日 (水) 15:33