ドジャー・スタジアムの第2戦。まさか、の事件が起きました。
カージナルスが2-1とリード、簡単に2人凡退。3人目の5番・ジェームス・ロニー
は左翼へ浅い飛球。ところが、前進した左翼・マット・ホリデーは、
捕球しようとして、ボールはグラブに入らず、前にこぼれ、打者は二塁へ。
代走が送られ、次打者は粘って四球。
ここで、7番・ロニー・ベリアードは同点タイムリー、マーチン四球のあと、代打・マーク・
ロレッタはサヨナラ安打。
場内総立ち、大歓声の中、まさかの逆転サヨナラ。ドジャースは一気の2連勝、
王手です。まさか「あと1人!」でミラクルが起きるとは。
この日は午後3時7分開始のデーゲーム。ロサンゼルスでは約3時間の試合終了間際
(6時過ぎ)ではまだ空が明るく、日没寸前で打球が見にくいのです。
呆然とするホリデーは「打球が低く来て、ボールが見えなかった。
前進して突っ込んだが、ボールがグラブにどう入ったのか、分からない」と、
無念のコメントです。しかも、ドジャースのファンは、全員、真っ白なハンカチを
くるくる振り回して大応援の最中。打球が見難い、というのも
無理もありません。
「白球に白ハンカチはアンフェア。ここは、”ドジャー・ブルー”でやってくれよ」と、
カージナルスは自棄気味でした。
先発・アダム・ウェインライトが8回、3安打の力投、ホリデーも2回に左翼へ
先制本塁打。カージナルスの打つ手は間違いなかったのに、
運命の打球が左翼へ飛んだのは、明暗の分かれ道でした。
これまで、地区シリーズで0勝2敗からのカムバックは、両リーグで4回ありますが、
全部ア・リーグ。ナ・リーグでは一度もありません。
名将・トニー・ラルーサ監督も、2004年、レッドソックスとのワールド・シリーズ
は、これと同じケースでストレート負け。逆転勝利はやってていないのです。
「我々にはセントルイスで巻き返しのチャンスはある」と、監督は無念の表情でしたが。
1908年、カブスと小差で優勝を競り合っていたジャイアンツは、閉幕目前の
対カブス戦(ニューヨーク)9回裏2死、サヨナラ勝利になった、と思われた瞬間、
一塁走者(マークル)が「終わった」と思って、二塁へ進塁せず、アピールで
アウトを宣告され、得点は取り消されるアクシデントが起きました。
試合をフイにした事件で、ジャイアンツは優勝を逃しました。
この「マークル・ボンヘッド」以来の歴史的落球ではないか、と、
外電は伝えています。
今後、どんなドラマが起きるか、短期決戦の地区シリーズは油断できません。
了
コメント