クリーブランド・インディアンスの前オーナー、リチャード・ジェイコブス氏が6月5日朝、
亡くなりました。83歳。兄のデビッド氏は1992年に、亡くなられていますから、
これで、ダウンタウンの専用野球場を建設。クリーブランド市の再開発に
多大の尽力をした兄弟は、ともにこの世を去られたことになります。
インディアンスは、リチャード氏のチームの殿堂入り記念式典を、8月1日に行う
予定でしたので、その功績を称える行事になるでしょう。
今の専用野球場は、1992年に着工。その1ヶ月前に、兄のデビッド氏は亡くなりました。
球場は1994年4月に新装オープン。1995年、1997年の2回、ワールド・シリーズ
進出の土台を築いたのです。
それ以前のインディアンスは、NFLブラウンズのホーム、ミュニシパル・スタジアム
と共用していましたが、7万8000人収容の巨大スタジアムでは効率が悪く、
エリー湖の目の前なので、カナダから湖面を渡って吹き付ける風は、とても
冷たく、毎日の野球観戦には不向きでした。
「歩いて行ける便利な専用野球場」は、市民を引きつけました。455日間
連続売り切れのア・リーグ動員記録を作るほどの名所になりました。
ジェイコブズ氏は、現在のオーナー、地元のラリー・ドラン氏へ売却。
2001年に引退し、ジェイコブス・フィールドの名前は、新たな球場スポンサー、
「プログレッシブ・フィールド」にバトン・タッチされ、新時代へスタートを切りました。
2回のワールド・シリーズは、ブレーブス、マーリンズにいずれも敗れ、オーナーは
ついに一度も王座を見ることなく、去ったのですが、ダウンタウンの再開発はさらに
今も進み、町全体が暗かった昔とは、見違えるほどの活気を見せる土地に変身
しています。
ここに、野球場、アリーナを建設した、ジェイコブス氏の功績は長く伝え
られるのではないでしょうか。
了
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