フィリーズの専属アナ(実況中継、プレイ・バイ・プレイ担当)ハリー・カラスさんが、
4月13日(月)ワシントン・ナショナルズの球場内、フィリーズの放送ブースで、
試合前の準備中に倒れ、すぐに、近くのジョージ・ワシントン大学付属病院へ
救急車で運ばれましたが、息を引き取りました。享年73歳。
カラスさんは、前日の12日、コロラドでの対ロッキーズ戦の中継を終え、同夜、ワシントン
入。、この日、午前にナショナルズ・パークで中継の用意を始めたばかりで、倒れた
時間が午後0時30分ごろ。亡くなったのは午後1時20分。
死因は明らかにされていませんが、心臓発作ではないか、と思われます。
カラス・アナは”ボイス・オブ・フィリーズ”と、ファン、選手に親しまれ、
中継の盛り上げの呼吸のうまさには、みんな、聞き惚れていました。
昨年、見事にワールド・シリーズ優勝を果たしたフィーリーズの後押しを
したのも、カラスさんの激励があったからこそ、とも言われています。
2002年、その功績を評価されて、「フォード・フリック賞」を受賞。
クーパースタウン野球殿堂入りしています。
愛称は「ハリー・ザ・K」です。
フィリーズの専属になったのは1971年。勤続38年の大ベテランでした。
カブスの名アナだった、殿堂入りのハリー・ケリーさんも、オフに
倒れ、亡くなりました。球界は2人も名物アナを失いました。
多くの伝説アナは、その死を惜しみ「友人として、人間として、彼を失ったのは、
本当に残念なこと。40年間のつきあいで、心から信頼できる男だった」
と、ドジャースの伝説アナ、ビンス・スカリさんも追悼の言葉を贈りました。
カラスさんの名文句は、ホームランの描写「オッタ!ヒア!」です。
アーチの飛ぶさまを形容する、見事なタイミングで飛び出します。
前日、ロッキーズ戦の9回表、代打・マット・ステイヤーズの決勝2ランが飛ぶんだとき、
この名文句が流れました。フィリーズ・ファンは小躍りした、と言われます。
逆転快勝を土産に戻った翌日、突然悲劇が起きたとは。
フィリーズの優勝記念指輪贈呈式の行われた4月8日。カラスさんは始球式に
起用されました。彼がマウンドに上がったとき、満員の場内のファンは、
全員立ち上がって万雷の拍手。これが、ファンの前に姿を見せた最後でした。
チーム専属の実況アナは、連日の試合で休みも取れず、大変な激務です。
カラスさんも過労には勝てなかった、のではないでしょうか。
了
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