オークランド・アスレチックスは2月24日、ついに、フリーモント市郊外に建設を
予定していた新球場「シスコ・パーク」(3万2000人収容)の建設を断念しました。
この日、ルー・ウォルフ・オーナーは断念の声明を発表。フリーモント市ボブ・ワサーマン市長
へ書簡を送り「市の対策遅れと、地域住民の反対が強く断念したい」意向を明らかに
しました。
移転計画は2006年に発表されましたが、約2年半も掛けても一向に進展せず、
諦めたのです。移転の意向は、アスレチックスのホーム球場、オークランド・コロシアムが
NFLのレイダースと同居使用のため、都合の悪いことが多いので
「専用野球場を建設したい」と、2005年、アスレチックスを買収したウォルフ氏は
先頭に立って運動し、北カリフォルニア州各地を捜しましたが、
適当な土地がありませんでした。
最後に、ようやくたどり着いたのがフリーモント市でした。
地下鉄(高架鉄道)のバート路線の終着駅で、サンノゼ市の目の前にあり、シリコーン・
バレーのIT産業地帯にもつながる場所。高速道路880号線にも沿う絶好の場所
のはず、でした。
市とタイアップし、球場だけでなく、住宅、店舗の地域開発も兼ねる大プロジェクト。
シスコ・システム社とも提携し、30年間のネイミング権利も結び、スタートした
のですが、「道路混雑、地下価格の下落を招く」という住民反対運動が起きるとは、
オーナーも予想外のことでした。「今後の地域発展につながる」という
賛成の住民もいたわけですが、フリーモント市は何ら手を打てず、
空しい歳月が流れてしまい「もう、これ以上は待てない」と、オーナーは決断しました。
オーナーは、この土地開発経費に、すでに2400万㌦(約22億8000万円)
も投資しており、今後、どうするのか?前途は分かりません。
バド・セリグ・コミッショナーは「他の土地へ変更するのもかまわない」と、後押し
してくれましたが、果たしてどうなるのでしょうか。
了
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