ウィンター・ミーテイングは、デマ情報が乱れ飛び、結局、大物は、C・C・サバシーア投手
のヤンキース入り、フランシスコ・ロドリゲス投手のメッツ入り、と、金持ちチームの独占
契約の2件だけ。カブスもサイヤング賞投手、ピービー獲得を最終日に突然断念。
カブス、フィリーズ、マリナーズの3角トレードは宙に浮いたまま閉会、というフィナーレ
でした。
ラミレス外野手らの残り大物は、代理人、球団が折り合わず、この不況の中、
すべて持ち越し。どちらが、折れるのか、年末を控えて注目です。
大会終了前、クーパースタウンのライター表彰(J・G・テイラー・スピンク賞)には
サンフランシスコ一筋の、ニック・ピータース記者(69歳)が、選ばれました。
ピータースさんは、オークランド・トリビューン紙、サクラメント・ビー紙の2新聞社
で47年間もジャイアンツのビート・ライター(担当記者)を務めた、郷土愛に
燃えて書き続けてきた人物。
2007年シーズンで担当記者を引退しましたが、ジャイアンツ関連の書物
を5冊出版。1958年から、ジャイアンツの全試合に皆勤した記録の持ち主。
いわば”ローカルの神様”です。
全米野球記者協会員447人の投票で210票を獲得。次点のボブ・エリオット
記者(トロント担当)の123票を大差で引き離した栄冠でした。
「私は全米カバー記者(ナショナル・ビート・ライター)ではないので、こんなに
知らない方からの支持を頂くとは、信じられない気持ちです。私は、終生
ベイエリア(サンフランシスコ湾岸)で働いてきた。ここを離れない、ことを、
今も誇りにしています」と、いうのが受賞の感想でした。
ピータースさんは昨年は、ボストン・グローブ紙のラリー・ホワイトサイド記者(故人)
に及ばず次点でしたが、このときから、ピータースさんの休みを知らぬ働きぶり、
チーム愛は、全米に知られていたのでした。
約半世紀もチーム一筋の働きが評価される、というのは、実に素晴らしい
ではありませんか。アメリカではローカルから大都市の一流へ、飛躍したい、と、
野心に燃える記者が多く、終生ローカル・ライター、という人物は貴重なのです。
ピータースさんは7月26日、クーパースタウンの野球殿堂入り表彰式典
で受賞します。ローカル・マンの素朴なスピーチが楽しみです。
了
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