インディアンスのプログレッシブ・フィールドで働く、ヤング日本人に出会いました。
オハイオ州のBAKDWINーWALLACE COLLEGEの3年生、今季からインディアンスの
広報部に所属、小林投手の専属通訳兼任の新川諒(しんかわ・りょう)君(21)です。
新川君は2歳から父親の赴任でアメリカ西海岸の約8年滞在。「本格的にスポーツ・
マネージメントを勉強したい」と、帰国後、中学、高校を京都で過ごしたのち、
このカレジに入学。インディアンスに小林投手の入団が決まった、と知るや、すぐに、
面識のない球団へメール攻勢。「私は小林さんのお役に立ちたい」と、直訴が認められ、
面接の結果、難関を越えて採用された、冒険心旺盛の青年です。英語は堪能ですから
アメリカ人とも仲良くやっています。
「本格的に勉強したい、と願って渡米したのですから、本場でやれるチャンスを、3大プロ
スポーツがある、クリブランドでつかんだのは大変幸運でした。小林投手のために、
日々努力しています」
今はインターン(研修生)の身分で正式社員に認められるのは、これからが大変です。
アメリカ人の記者は、小林投手が何かの手柄を立てない限り話題にならないので、
ほとんど寄り付かない。それでは、居ても、いなくてもいい存在になりかねないので、
存在を認められるように、本当の修業が始まるのです。
学生ビザの資格で居住しているので、卒業までの、あと1年間で正式採用の道が開かれない
と、夢は絶たれてしまいます。車もなく、空港近くのアパートから、電車で通う毎日。ナイター
で遅くなると、一苦労のようです。観光で渡米するのと、アメリカ人社会に入って仕事をする
のとでは、全く違い、様々の難関があります。それをどう克服するのでしょうか。
「ここで仕事をのチャンスを得た以上、日本へは帰りません。どん欲にやります」。
彼は別れぎわにそう言いました。
小林投手が、日々明るく仕事をしている、というのも、影の新川君の支えが実っているから
ではないでしょうか。インディアンスの不振で日本人記者も立ち去る寂しい今、
どう盛り上げて行くか、新川青年の前途を祈りたいものです。
了
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