この博物館のドアを開けると、すぐに、目に付くのは、中央にセット
されている「レジェンド・フィールド」。
ミニ内野が作られ、各ポジションに、等身大の伝説の英雄人形が
並び、ウーン、とうならされます。マウンドに立つのは、黒人野球
史上最高の投手、と言われるサッチエル・ペイジ投手。身長191㌢、
体重81㌔の右腕。黒人リーグで通算2000勝利以上、ノーヒット
ノーラン40回以上、速球のスピードは161㌔以上、とも言われる
豪腕エースです。
42歳の晩年にインディアンス入り。1948年、ジャッキー・ロビンソン
内野手がカラー・ラインを破ってデビューした1年後。この年、6勝1敗。
往年の片鱗を見せ、通算28勝31敗。1953年に引退しました。
ところが、1965年、何と、59歳で再びアスレチックス(カンザス・シティ)
のマウンドに立ち、1試合、3イニングを投げた怪物です。
ホームプレートにマッチ箱を置き、マウンドから当ててみせる
ピンポイント・コントロールのアトラクションを演じたり、
わざと3人を歩かせ、満塁にして「これから3人を三振させます」と、
予言して成功。大喝采を浴びた、という伝説もあります。
黒人リーグの正確な記録は残っておらず、すべて、伝説になって
いるため、偉大なスターの足跡をたどるのは難しい、とされています。
捕手は823本塁打したジョシュ・ギブソン、一塁にはバック・レナード、
二塁にジュデイ・ジョンソン、三塁レイ・ダンドリッジ、遊撃ポップ・ロイド、
外野はクール・パパ・ベル、オスカー・チャールトン、モンテ・アービン。
みな、有名なスターです。
クーパースタウン野球殿堂にも、1971年のペイジを先頭に、
黒人リーグ選手も多数加えられました。
この黒人野球博物館建設に奔走、黒人リーグのスポークスマン、と
言われた、バック・オニール一塁手、監督は、2007年、亡くなられましたが、
その功労を称えて、特別にクーパースタウン入りしました。
オニールさんは、きさくな老人でしたが、この功労者が亡くなられたのは
大変惜しい、と思います。
了
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