カンザス・シテイには、もうひとつ、見逃せない野球博物館があります。
「黒人野球リーグ博物館」です。18番通りに面した「歴史的地区」指定
の場所。かって、黒人リーグの代表チームだった「カンザス・シテイ・
モナークス」の本拠。モナーク(君主)はその言葉通り、「第1回黒人リーグ・
ワールドシリーズ」の初代王者になった強豪でそのホームです。
この18番通りとバイン(VINE)通りが交差する場所は、かって
ジャズの本場でした。この黒人野球博物館と「アメリカ・ジャズ博物館」
は建物を半々に分けて同居しています。
当時「昼間は黒人野球を楽しみ、夜はジャズで遊ぶ」のが、カンザス
の人々の合い言葉でした。
この建物の正面、向かい側に建つ1920年に創立された「ジェム・シアター」は、
いまはマルチ・イベントのセンターですが、昔はカンザスの中心的娯楽街として栄え、
正面に輝くネオンサイン「GEM」は昔のままの面影を残している、と
言われています。この1920年はモナークスの誕生の年でした。
当時の繁栄をしのぶこともできます。
昔は、ケンタッキー州のアメリカン・ヘリテージ・パーク歴史館に
黒人野球資料が保存されていましたが、クーパースタウン野球殿堂
が、この維持、保存を引き受け、1985年閉鎖されました。「このまま
では忘れ去られるてしまう」と、関係者が奔走。1997年、由緒あるカンザスに
黒人野球博物館を設けたのです。
正面入り口の円形ホールを挟んで、右側が黒人野球博物館。左側に
ジャズ博物館。建物正面上部には、ジャズメンたちと、野球選手
の群像が並び、ファンを迎えてくれます。
了
コメント