ヤンキースの松井秀喜外野手は、1日の試合前、初めて記者会見に
出席。心境を語りました。「立ち話では彼の気持ちが良く分からない」と
いう要請で開かれたものです。
これは、MLBと全米野球記者協会との取り決めで、指定選手が出席するもので、
両チームの監督は、試合前、後の2回、必ず会見に応じる約束になっています。
日本と違って、アメリカの記者会の権限は強力で、担当記者のリクエストを集め、
MLBに出席を要請します。
このため、指定された選手は「嫌だ、出たくない」と、拒否することはできません。
監督も話したくなくても、欠席した人はいません。
インタビュー・ルームでの会見は壇上に座り、あらゆる質問に応えるのは、かなり
辛いものがあります。A・J・バーネット投手は、勝利投手会見で、
自分の子供2人を左右に座らせ、巧みに会見場の雰囲気をやわらげる作戦?でした。
松井は日本語で通訳付きの会見。スペイン語しか話せない選手の通訳付きは
見たことはありますが、日本人選手が指名されてのワールドシリーズでの公式会見は、
初めてです。オールスターでは史上初めて先発した野茂投手、
MVPになったイチロー以外はいない、と思います。
全米から集まる記者ばかりか、世界各地から様々な記者が来るのですから、
質問はまさに千差万別。
「そんなことを聞いてどうするのか」というものあれば「売名のためなのか」と、首を
かしげる質問もあり、うまく答えるのは大変です。
松井の一問一答は、その人柄そのままで、誠実に応じていましたが
「契約切れでどうなるのか」と、オフのことを聞かれたときは「今の私には
何も答えられません」と、口を閉じてしまいました。
通訳はロジャー・カルホーン氏。今季で契約切れの松井はポスト・シーズン大活躍。
この日も9回に登場。平凡な遊フライでしたが、2死から一気の3得点で
3連勝。松井は何か不思議な勝負強さがありますね。
「チームの勝利へ、与えられた場面に全力を尽くすだけです。
先発できないイライラはありません」と、言い切ったあたり、さすが、と
うなずく記者もいました。
契約切れのジョニー・デーモンも大活躍。ヤンキースは優勝後、この2人をどうするのか、
注目のオフになります。
(了)
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