エンゼルスは、レッドソックスとの地区シリーズ第3戦、9回表、2死ランナーなし
から、一気の3得点。ボストンの守護神、パペルボンを攻略、逆転勝利(7-6)
で3連勝。2005年以来のリーグ代表決定(優勝)シリーズへ進出しました。
ドジャースが第2戦、9回裏、2死ランナーなしから逆転サヨナラ勝利したのと、
同じケースでしたが、ドジャースは3者凡退になるはずが左翼手の落球から
だったのに対し、エンゼルスは、自力でポスト・シーズン不敗のパペルボン
を攻略したのです。何と、敵地で、ものすごい粘りではありませんか。
先頭の7番・イズトゥーリス二塁手が捕手のファウル・フライ、8番の代打・マシューズ
もセンター・フライ。最後は9番打者ですから、だれも「終わった」と、思った瞬間、
4-6の2点差から、恐るべき粘りのエンゼルスなのです。
これは、MLBテレビの中継を見ての再現です。
アイバー遊撃手は2ストライク、と追い込まれてから中前安打、すかさず二進、
一番・フィギンス三塁手は、フルカウントまで粘り、四球。ここで、2番・アブレイユ
もファウル3本で2ストライクから、左翼頭上を抜く二塁打。
1点差。なお、2、3塁。ここで、4番・ゲレロDHは初球を中前にタイムリー。
値千金の快打でした。最後に勝負強い、打とう、と思ったら、必ず打ってしまう
ゲレロの出番になったのは、エンゼルスの勝負運でしょうか。
ゲレロは言いました。
「オレたちには、亡くなった、ニック(故アイデンハート投手)が見守ってくれ、
励ましてくれる。みんな、無念の死を遂げたニックのために、1年間やってきた。
その思いがヒットになったんだ」。
エンゼルスのポスト・シーズン試合で、9回に決勝打した選手は、ゲレロが4人目。
彼自身初めての快挙です。
第2戦で投げたウィーバー投手は、ダグアウトに掲げてあった、アイデンハート
のユニホームをつかんで、マウンドへ突進しました。彼の背番号「34」は、
エンゼルスの配る「ゲーム・ノート」にも印刷され、ユニホーム左袖にも
パッチがあります。ユニホームは、常にダグアウトにあるのです。
開幕目前、4月8日の夜、飲酒運転の無法ドライバーに追突される自動車事故
で急死したアイデンハートとともに、エンゼルスは、1年間、闘ってきたのです。
パペルボンはポスト・シーズン初敗戦。これまで、27回無失点の記録は、
1905年から11年へ投げた伝説の名投手、クリスティー・マシューソン以来ですから、
ナインはまさかのショックに、呆然とし、その裏は、三者凡退。失望がありあり
でした。
エンゼルスは、2005年(ホワイトソックスに1勝4敗で敗退)以来の
リーグ決定戦へ。勝てば、2002年(ツインズに4勝1敗)以来の
リーグ王座へ。この年は、ジャイアンツも優勝。エンゼルスは、4勝3敗で
王座に就く”西海岸シリーズ”でした。
今年は、ドジャースもすでに進出。7年ぶりの「西海岸対決」実現が、楽しみに
なりました。
了