カレッジ・フットボール試合を70年に渡って開催してきた、伝統を持つ、
オレンジ・ボウル・スタジアムは2008年1月26日、サヨナラ試合を開催しました。
ここを本拠にしていた、マイアミ大学ハリケーンズと、マイアミ・ドルフィンズのOB対決で
別れを告げました。
伝統あるスタジアムの消滅を惜しむ約1万5000人のファンが集まった、イベント
でした。解体工事は3月8日から始まり、5月14日に修了。今は、更地になっています。
その前に2月8日から3日間、記念品オークション(椅子、ロッカー、施設部品など)
が行われました。
この地区一帯は、キューバからの移民が多く(約50万人在住)別名”リトル・ハバナ”とも
言われています。
マイアミ国際空港からも近く、マイアミ・ダウンタウンから約3㌔。ドルフィンズ・スタジム
とは違うアクセスの便利さは格別です。
この日を待ちわびていた、ジェフリー・ローリア・オーナーも、デビッド・サムソン会長
も、「これで不入りに泣いていた時代は去り、チーム年俸にも十分な資金は
確保できるし、新設されたら、オールスター・ゲームの開催も申請、2013年の
第3回WBC球場にも立候補したい。再びワールド・シリーズもチャンスだ」
と、夢いっぱいです。
マイアミ・デード郡の市民公聴会は、9時間30分もかかる、白熱した論議が
展開され、みんな、へとへとになった、とも言われます。
公開されている球場模型は、白一色のデザインの美しい景観です。
屋根はスルスルと伸びてくる自動開閉式。両側は駐車場。市内のどこからも
すぐにたどり着けます。7万4746人収容の広大なスタジアムでしたから、
敷地はたっぷりとあります。ダウンタウンからも3㌔なら、歩いて行けないことはない
距離です。
ローリア・オーナーは「球場が完成したら、フロリダから”マイアミ・マーリンズ”
に改名する」と、発表しました。
建設・管理する、マイアミ・デード郡の意向に沿うもので、完成したら、同郡
から借りる形で運営します。
ファンは新設決定に大喜び。3月23日の発表ともに、この日だけで一気に
1万5000枚も今季の前売りが売れた、という人気です。
「ファンは新球場の座席権利確保へ、先行投資したい、気持ちの表れでは
ないか」と、サムソン会長は予測しています。
3万7000席収容ですが、クラブ・シート3000席、プライベート席600を設営。
フィールドは天然芝です。
マーリンズは、今季も使用するドルフィンズ・スタジムの借用期限が、
2010年で切れるために、「完成する2011年まであと1年延長したい」と、
ドルフィンズ側へ近く申し入れします。
「これで、資金がなくて、若手有望選手を引き止められなかった悩みも
解消できる。スターの長期契約も考えることができる」と、言うオーナー。
1997年、2003年の2回、いずれも、ワイルド・カードから進出して、ワールド・シリーズ
を優勝した、輝かしい歴史に、新たな1ページを書き込むことができる日も
近い、のです。
了
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