チームを去る選手の、ファンと別れを告げるメッセージがありました。
カブスが再契約せず、インディアンスへ移籍したケリー・ウッド投手、
レイズをFAになり、レッドソックス入りした、ロッコ・バルデリ外野手の2人です。
ウッドは「FAでもカブスに残りたい」と、希望したのですが、代理人が3年延長を押したため、
「ケリーは残って欲しいが、彼はこの4年間で62%の試合を欠場している。
これでは、リスクが多すぎて長期は無理」と、球団は主張しました。
破談の形になって、やむなく誘いのあった、インディアンスへ去ったのです。
だが、ウッドはうらみがましいことは一切言わず、カブス・コンベンションの最終日、
1月18日、自分のサインが入ったメッセージが、スクリーンに映しだされ、
「テキサス・キッドからここまで投げられたのは、チームメート、多くのファン
のサポートのお陰です。1995年のドラフトから、再三故障した私を見捨てず、
いつも応援してくれたのは感謝するだけです。シカゴは一生忘れません」
が流れました。
1995年7月28日の入団契約、1998年5月6日、対アストロズ戦で20三振
奪取の記録を打ち立てた姿の写真も投影され、満員のファンは盛んな
拍手を贈りました。
バルデリは、レイズの地元紙「セントピタースバーグ・タイムス」の半ページ
に感謝の言葉の広告を載せました。彼の写真とサインを入れました。
「2000年のドラフトの日からタンパの社会に迎え入れてくれたみなさん、
1人の人間として扱ってくれたのは感謝します。私も故障でフル活動
できなかったのは申し訳ありませんが、幸いにも、昨年のワールド・シリーズ
には参加できました。今は、友人として別れを告げたい、と思います」という内容でした。
バルデリは新人王候補にもなったパワー十分のデビューでしたが、故障に悩み、
特に昨年は「ミトコンドリア」と言われる難病で再起を危ぶまれたほどです。
生まれ故郷のロード・アイランドは、ボストンにも近く、再起の手をさしのべてくれた
レッドソックスとは、年俸50万㌦(約4450万円)でサインしました。
2人とも、まさに「飛ぶ鳥あとを濁さず」の綺麗な別れではありませんか。
「最近の選手はチームへのロヤリテイがない」とも言われていますが、
清々しい別れのメッセージには「新天地で頑張れよ」と、声をかけたくなりました。
了
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