オールスター・ゲーム前日のホームラン・コンテストで話題をさらったのは、
予選に当たる第1ラウンドで13連発を含む28本のスタンド入りの新記録を作った、
レンジャーズの新鋭、ジョシュ・ハミルトン外野手の怪物ぶりでした。
この競争は1人10アウトで交代。ファウル、ヒット、ゴロはすべてアウトカウントですから、
打てない人は、10スイングであっさりと終わってしまう、難しい競争です。
ハミルトンはこの参加が決まると、故郷・ノースカロライナ州時代の高校の恩師、
クレー・カウンシルさんに電話で「先生なら私のコースを知っている。是非投げて
欲しい」と、協力を依頼。すでに71歳で引退している先生は空路駆けつけ、
再起のハミルトンに投げてくれました。背中に名前入り、背番号8のユニホーム
でマウンドに立った先生は、実にホームランの打ちやすいボールをスイスイと
投げ続けました。この投げるコツは大変難しいのです。
いつも、フリーバッティングで投げている打撃練習専門のコーチでも、
タイミングを併せて投げ続けるのは簡単ではないのです。
打てそうな人が意外に駄目になってしまうのも、2人の呼吸が合わないからなのです。
ところが、第1ラウンド、師は楽に投げて連発を誘いました。全く一心同体
の息のぴったり合う名コンビでした。
さすがに、第2ラウンド以降は、71歳の年に勝てず、投げるコースも乱れたため、
モルノー(ツインズ)に優勝は譲りましたが、ヤンキースタジアムのファンは
「これゾホームラン!」というハミルトンの快挙に、そのパワー全開に大歓声でした。
この歴史に残る競争は、今年のハイライトではないでしょうか。
ハミルトンは本番も3番センターで先発。ヒットも残し、成果十分のオールスター
だった、と思います。
試合終了が午前2時近く、さすがにファンも途中で帰り始め、半分に減り
ましたが、2002年は延長11回で投手がいなくなり、打ち切り、引き分け
になり「なぜやらない!」と、ファンのブーイングを浴びただけに、バド・セリグ・
コミッショナーはサヨナラ勝利にほっとしました。
3ー3の同点になったとき、セリグは「勝利がつくまで」と、両方のベンチに確認。
ともに、最後の投手を使い切っただけに、もし、あの回も無得点だったら、
この日のMVPになった、J・D・ドルーがマウンドへ、のウルトラCもあった
ようです。(ナ・リーグはジャイアンツのリンスカム投手は体調を崩しダウン)
そういう最悪の事態にならず、深夜のフィナーレは大変でした。
了
コメント