ベースボール愛好家の非営利団体「ラリンクアリー」の今年度表彰式は、7月20日(日)
ロサンゼルス・パサディナ市の中央図書館で午後、行われます。主催者のテリー、キヤノン氏
からメールで連絡がありました。
今年度の掲額者は3人。黒人リーグのスポークスマンだった、故・バック・オニールさん、黒人
審判第1号のパイオニア、エメット・アシュホードさん(1980年に76歳で死去)レッドソックス
のビル・バックナー一塁手。
オニールさんは、カンザスシテイ・モナークスの一塁手、1946年には首位打者になり、
オールスター出場3回、カブス入りして黒人初のコーチに就任。カンザスシテイに誕生した
黒人野球博物館の推進者で、黒人の地位向上に努力された方です。温かい微笑と、巧みな
語りでファンをつかみました。クーパースタウンの殿堂入りはかなわず、2006年、94歳
の高齢でこの世を去りました。
アシュホードさんは1951年からマイナー審判になり、1966年、アメリカン・リーグ初の
黒人審判に昇格。オールスター、ワールド・シリーズにも出場。ショウマン、と言われた
人柄で好感を持たれていた審判です。
バックナーさんだけははお元気です。通算22年間、2715安打した一流の選手でしたが、
レッドソックス時代のワールドシリーズ第6戦。ゲームセットになるはずの一塁ゴロ
をはじき、メッツの逆転優勝をプレゼントした、張本人、と、長らく非難されていました。
今年、ボストンの開幕戦に招かれ、始球式を勤め、ファンも全員、スタンディング・
オベイションでバックナーを迎え、長年続いた怨念は、ついに消えたのです。
この3人とも、クーパースタウンには縁がなかった、のが共通点。この団体のユニーク
なところは「歴史に残る人物を忘れないで」の一貫した主張です。
「野球こそアメリカン・アート、文化なのです。それにふさわしい功績を残した人物を
彼方へ追いやることはできない」と、キヤノン氏は説明しています。
当日は参観自由。表彰は簡素なものですが、参加者はみな、熱狂的な野球ファンばかり。
温かく迎えてくれる雰囲気はうれしいものです。招かれたバックナーさんが、どんなスピーチ
をするか、楽しみです。
ホームページ(www.baseballreliquary.org)で表彰の詳細は分かります。
なお投票は4月に行い、50人の候補の中には、元巨人、中日で活躍した、与那嶺さんも上っ
ていました。
了
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