2年連続100敗以上もする惨敗から、見事に立ち直ったのが、
デトロイト・タイガースです。2006年は、ワイルド・カードでワールド・シリーズ
へ進出。カージナルスには敗れましたが、今や、アメリカン・リーグ中地区の
ビッグ・クラブに再建しました。
タイガースは100年余の歴史を誇り、タイ・カッブ外野手を始め、多くの偉大な
スターを送り出しています。タイガー・スタジアムから、今の「カメリカ・パーク」に
移転したのは、2000年4月1日、2002、3年と100敗以上のどん底にあえぎ、
ファンも集まりませんでしたが、今は、年間300万人を超える動員を記録。
人気も、実力も一流チームのなりました。
昔、タイガー・スタジアムを取材したとき、木造の記者席は、床はギシギシ音
を立て、床が抜けるのではないか、と冷や冷やするほどの古さでした。
新球場は、地元大手銀行「カメリカ」がネイミング権を得て支援しています。
日本のガイドでは「コメリカ」となっていますが、私は、自分の耳で
聞いた発音で書いています。英語名は「COMERICA」です。
私の親友、タイガース番のベテラン記者、トム・ゲージさんを紹介しましょう。
ビート・ライター(チーム付き担当記者)として、人生をタイガースに捧げている、
心から信頼できる方です。
日米野球で来日されたとき、私は、いろいろご案内しましたが、
そのときから、今も交友は続いています。
常にタイガースのことを思い、不振な時代もくじけず、あせらず、
いつも、暖かくチームを見守る姿勢には、頭が下がります。
私より、やや若い方ですが、もうチーム付き記者では、最年長。私に何でも
教えてくれる親切さ。チームを愛する、その情熱には感心することばかりです。
日本では、年功を重ねると、チーム付き担当記者は離れてしまい、デスクに転身する
新聞社が多いのですが、アメリカは、ベテラン記者を大切にし、いつまでも、
引退するまで、社の看板、として現場で優遇しているのは、本当に
うらやましい、と思います。
ゲージさんは、私を、いつも「ミスター・マツバラ」と、丁寧に呼んでくれます。
友人には、尊敬を込めて、の態度に人間味を感じます。
タイガースは、このような、ビートライター記者が取り囲んで
いるから、雰囲気はいいですよ。
「危ないから、デトロイトのダウンタウンには泊まるなよ」と、ゲージさんはよく
忠告してくれました。夜はサラリーマンは郊外の自宅へ帰ってしまい、
ダウンタウンは、ゴーストタウンになってしまう、からでした。
しかし、今は、デトロイト市の懸命な努力で、市街地の再開発
は進み、町は明るくなり、そのような危険は減ってきた、と思いますが。
了
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