テッド・ウィリアムスの殿堂を取材して、感じたのは、
彼の信念です。
入場口の銅像右に、シューレス・ジャクソンのコーナー
を設けて、彼の打者、としての偉業をたたえているのが、
注目されます。
ジャクソンは、ワールド・シリーズのホワイトソックスのメンバー
で”ブラックソックス事件”に巻き込まれ、八百長容疑で、
永久追放処分を受け、クーパースタウンの殿堂には、飾られて
いません。しかし、打者としての記録を重視したテッドは、
ここに飾ったのです。
このコーナーに、ジャクソンを見つめる、テッドのスケッチ画
が置かれているのでも、テッドの気持ちが分かります。
同様に、最多安打記録保持者ながら、野球賭博に手を
出し、永久追放された、ピート・ローズも、2階の殿堂
コーナーにいます。
王貞治を、1階のメイン待遇にしているのも、偉大な
記録への、彼の評価が分かります。
テッド自身、この打者の殿堂には、一番で入る資格
があるのに、彼は「私は後でいい」と、固辞し、この仲間
入りしたのは、2003年なのです。
全体を構成する、そのテッドの信念を、深く感じた
旅でした。
(了)
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