レイズのマット・ガーザ投手が、7月26日、ホームの対タイガース戦で
チーム史上初のノーヒットノーランを達成しました。2回に四球を1個出した
だけで、これも、併殺に打ち取り、打者27人、準完全試合の快挙でした。
26歳、フレズノ州立大学時代から期待された、右腕剛球投手でしたが、
感情に走りやすく、風変わりな行動が多く、2005年に、ツインズのドラフト指名で入団
しましたが、もてあましたツインズは、2年後の2007年、
レイズとのの交換トレードで移籍、新天地で開眼した男です。
レイズのジョー・マデン監督の教育で立ち直り、2008年のリーグ優勝、
ワールド・シリーズ進出の力になった投手です。
このとき、一緒に移籍したジェイソン・バートレットも遊撃手のレギュラー
に定着。大活躍しています。
ツインズは交換で強打のデルモン・ヤング外野手を獲得したのは、彼も
また問題児で、ハッスル・プレーをしなかったため、「他球団で修行を」
と、放出されたのです。ヤングは今季、ツインズの4番で猛打
をふるい、存分のパワーを見せていますから、まれにみる交換成功トレード
だった、ようです。
環境を変えれば、選手は花開く、見本でした。
レイズは昨年もホワイトソックスの左腕、マーク・バーリー投手に完全試合をやられ、
今季も5月9日、アスレチックスの左腕、ダラス・ブレイデンに、またも
完全試合。さらに、6月25日には、ダイヤモンドバックスのエドウイン・
ジャクソンにもノーヒットノーラン。わずか1年間に、3度もやられる有様
で、まさに「今度こそ!」の快挙でした。
ガーザは、大学時代に右目の視力矯正手術を受けています。
今年はこれで、大リーグでは、年間通算5回目のノーヒットノーラン。
実に1991年以来のラッシュ、ノーヒット異変でした。
ガーザは18歳で学生結婚。長男のマシュー君はもう8歳。波の激しいパパ
をいつも激励する、厳しい批評家です。カリオルニアの自宅から「この
調子で」と、電話してきました。
「子供に押されてがんばれた」と、ガーザ。次のマウンドはいかがか、
注目しましょう。記念ボールはクーパースタウンへ寄贈されました。
了