松原 明の大リーグ

ジャイアンツＣＥＯ、ニューカム氏退任

ジャイアンツから１６日、届いたＥメールで、現オーナー（ＣＥＯ）

ビル・ニューカム氏は今季限りで退任、後任には会長・ＣＯＯの

ラリー・バー氏にバトンタッチが決まりました。

「２００８年にＣＥＯに就任したから、ファンは増加、王座も勝ち得たのは

多くの方のサポートによるものです。熱烈支持を続けてきた

サンフランシスコのファンのみなさん、本当にありがとう」と、

感謝のメッセージが添えられていました。

連日4万人を超すファンで満員続き、昨年の王座から続く人気は

少しも衰えません。

この湾岸地区は、かって倉庫群のわびしい環境だった、のを思うと、

今のにぎやかさは想像もできないほどの発展ぶりです。

今や、ＡＴ＆Ｔパーク一帯は、楽しい娯楽ゾーンに変わり

ました。

この開発の先頭に立ったニューカム氏は「バー氏がさらに

勝利を築く新時代をリードして欲しい」と、言っています。

今季は腰砕けで、ダイヤモンドバックスに抜かれ、ポスト

シーズンも絶望的ですが（やっと5連勝しましたが）来季は

ニュールックで楽しませてくれるでしょう。

現場スタッフの変動はないはずです。

このオフ、新たな補強を待ちたい、と、思います。

了

フィルダーのサヨナラ宣言

ナ中地区の首位を行くブリュワーズの主砲、

プリンス・フィルダー一塁手から、ついに

「今季限りでサヨナラ」の宣言が飛び出しました。

14日、ＴＶのインタビューで「同僚のブラウンと、すごいコンビ

だが」という質問に応えたもので「もう、彼とは６年間やったきた。

”多分”これでワンツー・パンチはおしまい」のコメントです。

昨年オフ、ブリュワーズの長期契約延長を断り、単年契約し

（つまり今季限り）て臨んだ２０１１年ですから、おしまい、

の言葉が（多分、という表現でも）出てきても

不思議ではない、のですが。

それにしても、ゴール目前のいま、まだ、地区優勝も、

ポストシーズン進出も決まっていないのに、看板スター

が「出て行く！」と、宣言してしまっていいのでしょうか。

2位カージナルスとは、一時、１０・５差もありましたが、

いまは「５・５差」。

こういうケースで最後のどんでん返しは、過去にも多数

実例があるのです。

もう1人、メッツから移籍したフランシスコ・ロドリゲス投手も

「オレは中継ぎで来たのではない。クローザーを

やれないならイヤだ」と、監督に不満をぶつける有様です。

残り試合はあと「１２」（ホーム、ロードとも６）。すべて下位

球団ばかりです。マジックは「８」。しかし、マジックはマジック。

万一、カージナルスの猛追に夢が消えたら、どうするの

でしょう。

１９８２年から２９年ぶりの地区優勝を目の前に、ダグ・メルビンＧＭは

「今は残り試合に集中したい」と、ナインに呼びかけましたが。

了

2012年公式戦日程決まる、その２

２０１２年の日程は以前の姿に戻る編成です。

１６年目を迎えたインター・リーグは、5月１８日からと、6月11日から

の2回行いますが、いずれも、東対東、中対中、西対西のア、

ナの同じ地区同士の対決で、各地区を盛り上げます。

「第８３回オールスター・ゲーム」はカンザス・シテイ。7月１０日。

２０１２年はボストンの１００周年、ロサンゼルスも５０周年、

メッツ、アストロズも誕生５０周年、をそれぞれ祝います。

不入りに泣くオークランドは、ヤンキース、レッドソックスを迎えて

のシリーズが決まったのは朗報。

初めてオークランドへワールドシリーズ開催から４０周年の記念イヤー

にふさわしいカードです。ヤンキースは5月25日から3連戦、

さらに7月２０日からも訪れます。

レッドソックスも7月4日からと、8月３１日からの2回シリーズで

オークランドへ登場します。

来年、松井はアスレチックアスに残留しているのか、まだ、

全く分かりませんが、ベイ・エリアのファンには、

楽しい日程ではないでしょうか。

了

２０１２年公式戦日程決まる、その１

ＭＬＢは9月14日、２０１２年の公式戦日程（全３０球団）を

公表しました。

まだ、対戦相手、ホーム＆ロードが明らかになっただけで、

開始時間は未定ですが、3月に開幕した今季と比べ、

開幕は例年通り、4月初旬へ戻りました。

一番早く開幕するのは、マイアミに新球場がオープンする

マーリンズです。4月4日（水）、マイアミだけの単独開催です。

目下、マイアミ・ダウンタウンに建設中の専用野球場は

3万７０００人収容、フロリダ名物のシャワーを避けるため、

開閉式の屋根を備え、もう、大半完成しています。

こけら落としのオープン戦は、ヤンキースを迎えての

2連戦。4日は中地区のカージナルスが相手です。

不便なドルフィンズのＮＦＬスタジアム時代のアクセスの

悪さは解消。歩いて行ける便利な野球場です。

この開幕カードはこの1試合だけ。マーリンズは、これまでの

「フロリダ」のチーム名を「マイアミ」に変更。新シーズンへ

スタートします。

5日（木）にはメッツ（ブレーブス）タイガース（レッドソックス）

パドレス（ドジャース）パイレーツ（フィリーズ）インディアンス

（ブルージェイズ）カブス（ナショナルズ）の５都市で

開幕します。

６日（金）は１０都市で開幕。これで全部の球団が

登場します。

閉幕は１０月3日（水）です。

各球団別の日程は明日から紹介しましょう。

了

記録デー、リベラ投手６００セーブ

9月１３日は、まさに「記録デー」でした。

ヤンキースのクローザー、マリアノ・リベラ投手が、史上2人目

の通算６００セーブ達成の偉業。

レッドソックスの大ベテラン、チィム・ウェークフィールド投手が

涙の２００勝利ゴール。

さらに、タイガースの豪腕、ジャステイン・バーランダー投手

が独走の２３勝、チームは１１連勝で地区Ｖのゴール目前。

いや、すごい記録ラッシュの1日でした。

シアトルでヤンキースは３－２でマリナーズを振り切りました。

９回裏にマウンドに上がったリベラは、先頭の代打、

ＷＭペーニアを三振、1番・イチローに左前シングルを

許しましたが、2番・シーガーも三振。3番・アックレー

の打席でカウント、ワンボールから二塁へ走った

イチローを、マーチン捕手が二塁ベース上の

ジター遊撃手へストライクの送球。ピタリと刺し、

ゲーム・セット。

ベンチから全員が飛び出し、次々にリベラに抱きつく

喜びようでした。

「ヤンキースにいて、こういうチャンスを与えられたのは

感謝したい。ナインのお陰だ」と、控えめに言うリベラ。

１９９７年に正式にクローザーに抜擢されてから、実に

１５年間、最低でも２８セーブ以上を挙げてきた成功ぶりは

ものすごいものです。

防御率1点台の年は１０年も。３点台に落ちた年は

２００７年の1年しかありません。

つまり「彼がマウンドに上がれば必ず逃げ切れる」ほど

の信頼感を得てきたのです。

カッター、と言われる速球は「ピンポイントのコントロール

で打者を封じる」武器です。

この間、大きな故障も起こさず、４１歳の今季も投げ

続けているとは、まさに驚異の体です。

昨年で引退した、トレバー・ホフマン投手の持つ

歴代最多セーブ「６０１」に並ぶ、抜くのも時間の

問題です。ヤンキースは、この日で９０勝。

ア・リーグの単独1位です。

チーム一丸でポストシーズンのトップの座を

目指します。

「できれば５９９で止めておきたかった」と、

悔しがるイチロー。２盗に成功して逆転サヨナラを

逃した無念さを込めたコメントでした。

了

ミラー賞候補にヤンキースのロバートソン投手

選手会主催の「選手選定賞・マービン・ミラー賞」の最終

候補6人が、9月１２日、選手会組合から発表されました。

試合実績とともに、社会福祉、チャリテイ活動に力を入れている選手を

３０球団から各チーム1人を選び、さらに、東西中の両リーグ６地区から

各地区1人の6人を選んだものです。

すべて、選手独自の投票で、これまでは、アルバート・プーホルス

一塁手、ジム・トーミーＤＨらが選ばれています。

今回の最後に残って選手で注目は、ヤンキースの中継ぎ投手、

デビッド・ロバートソンでしょう。

9月１１日終了でホールド３２、防御率は１・１９の素晴らしい

内容で、クローザーのマリアノ・リベラ投手につなぐ

重大な役割をこなす、貴重な存在です。

ロバートソンは、ひざまでズボンの裾を上げる

「ハイ・ストッキング」スタイルが売り物。

スラリとした脚の”脚線美”が、実にかっこいい

投手です。アラバマ大学卒業、26歳の白人。

エリン夫人と共同で、ローカル・チャリテイに協力。

三振奪取1個に１００㌦の寄付を「ホープ・キャンペーン」

を通じてやっています。

他の5地区代表はポール・コナーコ一塁手（ア中。ホワイト

ソックス）マイケル・ヤングＤＨ（ア西。レンジャーズ）

デビット・ライト三塁手（名東。メッツ）アダム・ウェンライト

投手（ナ中。カージナルス）トロイ・ツウロウィッキー

遊撃手（ナ西。ロッキーズ）と、スターばかり。

最終結果（1人を決める）が待たれます。

了

レイズの猛追

この前、「レイズは本気でワイルド・カードを狙う」

と、紹介しましたが、その、まさか、と思うことが

本当に起きてしまいました。

１１日の日曜日。３位・レイズは、ホームに2位・レッドソックスを迎えてスィープ。

レッドソックスとの差は、一気に「３・５差」とつまりました。

首位・ヤンキースは、アナハイムでエンゼルスに

逆転勝利。何とかスィープを免れ、レッドソックスとの差

を今季最大の「３・５」に広げました。

これで、レイズはレッドソックスに９勝5敗と勝ち越し、

あと残りの4試合は、１５日からボストンで4連戦。

まさか、の大逆転2位進出も不可能ではなくなりました。

しかも、ボストンではレイズが４勝1敗と勝ち越して

います。12日から１１試合のロードに出るレイズ。

この攻防は本当に楽しめます。

苦悩のレッドソックス、テリー・フランコナ監督は

「相手は勢いがあるし、ウチは打線が沈黙。

投打の団結しかない」。

エースのジュシュ・ベケット投手は右足首の故障

も回復、１３日から合流するので、１５日からの

レイズ・シリーズには間に合います。

一時は、東地区首位を独走していたレッドソックスは、

今季初の5連敗とは。

レイズのＢＪアプトン外野手は、満塁本塁打を含む4打数４安打

の１０割。ダイヤモンドバックスにいる、3歳下の弟、

ジャステインとともに、メジャー初の同じシーズン

「２０盗塁・２０本塁打兄弟コンビ」になりました。

ダイヤモンドバックスは地区シリーズ進出はほぼ

確実。レイズが出てくれば「兄弟対決」も夢では

なくなりました。

了

の

タイガース、スターウォーズの夜に祝う

ア中地区首位独走のタイガースは、9月１０日の土曜日、

「スター・ウォーズ・ナイト」のプロモーション・デー。

3万８５６７人のファンが集まり、９回、８番・インジの

サヨナラ・アーチでツインズに快勝。

ついに、今季ベストの８連勝。１９８９年9月以来の

快進撃です。

この日は、午後4時１０分開始のデーゲーム。

スター・ウォーズの役者たちが、試合前、おなじみ

のコスチュームで登場。ファンを楽しませました。

先着７５００人にスター・ウォーズのタンブラーが

プレゼントされました。

この演出をベンチから眺めていた、ツインズの新星、

トレバー・プルフェ遊撃手が、ベンチを飛び出し、

主役のダース・ベイダーの頭を手に持ったバットで

コツン。デトロイトのファンはどっと歓声。本人は「ツキが来る」

と、信じていたようですが、2打席連続三振。

「ベイダーのたたりたゾ！」と、ヤジが飛ぶ始末

でした。

もはや、2位・ホワイトソックスに「９・５差」も引き離す一気のスパート。

球団は、この日、初めて「地区シリーズの前売りを12日

（月）から売り出します」と、アナウンス。

日程は今後の勝率次第ですが、チケットは「タイガースの

ホーム・ゲーム」と書いてあるだけです。

ジム・リーランド監督の胴上げはいつか、楽しみです。

了

最多併殺打のカージナルス

ナ・リーグ中地区の2位に低迷しているカージナルス

の敗因の一つに「やたらに併殺が多く、チャンスをつぶ

している」のが明かになりました。

9月９日（対ブレーブス。４－３の勝利）にも２つを記録。

これで今季「１５４回」。ナリーグ最多の併殺打です。

１００を超しているチームは、あとカブス、ロッキーズ、

ジャイアンツ、パイレーツの４球団ですが、いずれも成績不振。

ア・リーグは３分の２以上のチームは１００を超していますが、

カージナルスほど多いチームはない、のです。

それも、3番・プーホルスがナ一番の「２９」。第2位

が4番・ホリデーの「２０」。

つまり、チャンスは多いのに、この強打コンビが

つぶすことが多い、のでは、ブリュワーズ追撃も

届かない、のも分かりました。

この日で今季のチーム併殺打１５４は、ナ・リーグ

記録に「あと１２」。ワースト新記録も更新間違い

ないペースでしょう。

まだ「７７勝」。ポスト・シーズン出場もほぼ絶望。チーム

打率・２７０のナ・リーグ第1位ですが、全く走らないので

（盗塁はナ最小の５０）勝利を呼び込めない、のです。

これだけの強打線を持ちながら、本当に惜しいですね。

あと残りは「１８試合」。大逆転は夢でしょうか。

了

ダイヤモンドバックス、王座１０周年祭

ダイヤモンドバックスは、パドレスを迎えた今週末、

２００１年、ヤンキースを４勝3敗で破り、初の王座

に附いた１０周年記念祭を、ホームで行う

ことになりました。

２００１年は、ともにホーム全勝のシリーズ。

ダイヤモンドバックスは、ホームで開幕した２試合に

連勝。ヤンキースはヤンキー・スタジアムに戻った

シリーズに３連勝して王手を掛けましたが、６、７戦に

ダイヤモンドバックスは連勝。再び逆転したのです。

このシリーズのヒーローは、何と言っても、カート・シリング、

ランデイ・ジョンソンの先発コンビです。

ともに公式戦は２１勝（ジョンソン）２２勝（シリング）を

挙げた豪腕。その球威でヤンキースをねじ伏せた

のです。ランデイは６、７戦と連投。７戦は救援の

マウンドに上がる、大車輪の活躍でした。

「もう、あれから１０年も経つた、か、と思うと、感慨

深い。ともに、アリゾナで再会し、喜びを分かちあい

たい」と、ランデイは楽しみにしています。

ダイヤモンドバックスは、８日も快勝。2位・ジャイアンツ

に、今季最大の「７・5差」も附ける独走態勢。

最下位から一気に地区優勝を目指します。

その景気附けに、これ以上はない援軍です。

ともに現役を引退。優雅な日々を送る両雄には

素晴らしい週末になる、に違いありません。

了