松原 明の大リーグ

カージナルス・ダンカン投手コーチ去る

カージナルスは６日、今季の投手コーチにブルペン・コーチの

デレク・リリキスト（４５）が就任した、と、発表しました。

昨年までトニー・ラルーサ監督の下で投手コーチを

務めていた、デーブ・ダンカン（６６）はジャニーン夫人が

昨年８月、頭部腫瘍の手術を受け、回復したものの、

「附きそっていたい」と、球団に申し入れ、休養したため

復帰は難しい、と、判断した球団は、昨年８月に一時

代役コーチだったリリキストの正式就任に踏み切った

ものです。

ジョン・モジリアクＧＭは「私はダンカンの復帰を願っていたが

もうキャンプインの準備をしなければならないし、夫人の病気看護

では戻るのは難しい、と判断した」と、説明しています。

昨年は看護から戻り、ワールドシリーズ優勝に尽くしたダンカン・コーチ

ですが、もう、心身とも疲れたのではないでしょうか。

彼はアスレチックス時代からラルーサ監督とは、３３年間もコンビ

で支えてきた人物。その恩師が引退し、新監督は未知の

マイク・マシニー。

「もう、私の出番は終わった」と、ダンカンも引退を決意した、

とも取れます。

これで、エンゼルスへ去ったプーホルスと、３人の功労者

がいなくなりました。カージナルスは、まさに、多難の

船出です。

了

 

ハッチ賞はロイヤルズのＤＨバトラー受賞

本年度の「ハッチ賞」受賞者は、ロイヤルズのＤＨ、ビリー・バトラーに

決まりました。

フレッド・ハッチンソン・ガン・リサーチセンターの選考委員会が

６日、発表しました。この賞は、ガンに犯されながら、不屈の闘志

で亡くなる最後まで陣頭指揮した、故レッズ監督、フレッド・ハッチンソンを

称えるため、設立されたもので、監督の出身地、シアトルの

セーフコ・フィールドで表彰式典を開催しています。

「第４７回式典」は、２月１日、左翼芝生の特設舞台で行います。

式典は昼食会の形で行われ、参加者の会費（１５０㌦）はガン対策委員会へ

寄付されます。今年のゲスト・スピーカーは、オリオールズの

カル・リプケンＪさん。

バトラーは子供たちへの食料支援活動を長年続けており、その社会

活動を評価されました。歴代の受賞者は、第１回（１９６５年）の

ミッキー・マントル外野手ら錚々たるメンバーぞろいです。

バトラーには黄色のコイルを巻いたブルーの花瓶が贈られます。

ロイヤルズからは、１９８０年のジョージ・ブレット三塁手以来

４人目の受賞。今夏、カンザスシテイでは、オールスター・ゲームが

開催されます。バトラーにはこの受賞はさらに励みになるでしょう。

了

ここで昼食会の

 

岩隈投手、マリナーズ入り

マリナーズは５日、楽天からＦＡの岩隈久志投手と１年契約した、

と、ホーム・ページで公表しました。

年俸は１５万㌦（約１億２０００万円）。試合数、イニング数による

加算ボーナスは３４０万㌦（２億６０００万円）です。

アスレチクスと交渉した２０１０年は「４年契約を望んだ」岩隈

ですが、右腕故障の前科があるので、両者慎重な交渉だった

ようです。

発表したズレンシックＧＭは「１年の方がお互いにプレッシャー

を感じないでいいのではないか。結果が良ければ延長したい

のは、岩隈もマリナーズも同じ。ウチはずっと投げて欲しいのだ。

この方式の方がいい、と思う」と、”単年契約”

の理由を説明しています。

すでに３０球のテスト投球もやり「もう痛みはない」のを確認した上

でのサインです。

「日本のサイヤング賞（澤村賞）を取った投手。彼のベテランの経験を

ウチの若手に見せて欲しい」と、ズレンシックＧＭは附け加えています。

大金・ダルビッシュと投げ合うのはいつか？日本から観戦に行く

楽しみが増えました。

了

中島アウト

西武からポステイング・システムで大リーグ入りを目指していた

中島裕之内野手は、交渉期限切れの６日、破談になり、

今季は西武でプレーする、しかなくなりました。

２０１０年の楽天・岩隈久志投手がアスレチックスと折り合わず

中止されて以来２人目の破談。あくまで控え選手、としか評価しないヤンキース

と、条件は全く折り合わなかった、のです。

ヤンキースは、キャッシュマンＧＭが「残念ながらヒロユキとは契約合意は

できなかった。来るべきシーズンの健闘を祈る」と、外交辞令的なコメント

でしたが、いま、大リーグが日本の内野手をどう見ているか、の流れが

うかがえます。

このニューズに付属して載った多くの投書には「ポステイング・システムの制度が

おかしい」という批判が多く、「来年ＦＡで自由に交渉できるようになる

のが、球団にも、本人にもいい」と言っています。

日本の内野手の評価は今年末になっても、急に上がる、とも思えません。

ブリュワーズ入りを目指して渡米した青木外野手も、練習テストで高い評価を

受けるかどうかは？です。

シビアですよ、大リーグは。甘く見るのは禁物です。

了

 

 

ドジャース買収大混戦

４日のＥＳＰＮ・コムによると、ドジャース買収グループに

ＭＬＢ副会長、ジョー・トーリ氏も急遽参戦、ＭＬＢを１年間

で辞任。不動産業のリック・カルソー氏のグループに参加

する、ことが明らかになりました。

トーリ氏はドジャース監督を辞任したあと、ＭＬＢの要請を

受けて、オン・フィールドのトラブル解決担当に就任、事件をさばいて

きましたが、この問題は日々無数に起こり、その調停、裁決には

神経を使うことが多く、相当疲れたようです。

ちょうど、潮時、と、反転、いわば現場に戻ることになった

のではないでしょうか。

しかし、この買収騒動は、まさに大乱戦。

実に６つものグループに分かれている複雑な状況です。

買収にはＭＬＢ２９球団オーナーの承認がなければパス

しないので、一応、正式立候補受付は１月２３日が、書類審査の

締め切りになっていますが、まだまだ、買収グループの変化は

十分あります。

元ドジャース関係者は、トーリ氏の他、オマリー・オーナー、

ガービー、ハーシュハイザーらが顔を見せています。

こんな騒動では、キャンプは無事にできるのか、チーム編成は

間に合うのか、疑問だらけです。

名門はどうなるのか、不安はいっぱいです。

了

ＦＡ市場動かず

新年を迎えても、ＦＡ選手の動きはほとんどありません。

これも例年と同じ流れですが、ベテランは声がかかりません。

プリンス・フィルダー一塁手は、どこも商談は成立せず、

キャンプインギリギリまで延びる様相です。

プーホルスに巨額契約を先行され、これに負けない契約

をしたい、と、なると、まとまらないのです。

候補に挙がった、マーリンズ、ナショナルズ、カブスは、

静観したまま。大物代理人のボラス氏は、様々のテクニック

を使って翻弄しているため「当分ほっておく」ようです。

そのうちに、どちらがじれるか、注目です。

余っているＦＡスターは、オリオールズの中心だった

ゲレロＤＨ、ＪＤドルー外野手（レッドソックス）ラウル・イバネス

外野手（フィリーズ）デレク・リー一塁手（パイレーツ）

Ｊピエール外野手（ホワイトソックス）カルロス・ギエン、

Ｍオルドネス外野手（タイガース）イワン・ロドリゲス捕手

（ナショナルズ）ら、まだまだやれる選手がノー・サイン。

４４歳のヴィスケール内野手、４５歳ウェークフィールド投手

３９歳のバリテク捕手（ともにレッドソックス）も浪人。

カブスの４番だったカルロス・ペーニア一塁手はまだ

３３歳使えるのにフリーです。

さて、彼らの行方は？

了

 

フィラデルフィアでアイスホッケー

ＮＨＬの公式戦が、1月2日、フィラデルフィア市・フィリーズの

ホーム「シティズンズ・バンク・パーク」で開催されました。

「広い戸外で多くのファンを集めたい」というＮＨＬ側

の願いで実現したもので、昨年のオフから計画を進行。

試合は当初の午後1時を3時に変更。特設アイスリンク

は準備ＯＫ。満員の4万５０００人以上が期待されました。

対戦するのは、イースタン地区首位のニューヨーク・レンジャーズ

と、１ゲーム差で追う、地元フィラデルフィア・フライヤーズ

の好カード。

野球場でのＮＨＬ試合はこれが３回目です。

カブスのホーム「リグレー・フィールド」、レッドソックスのホーム

フェンウェー・パーク」に次ぐもので、いずれも、野球の

シーズン・オフ、1月に開催しています。

フィリーズのデーブ・モンゴメリー会長は「われわれはスポーツ・ファン

のために、より多くのスポーツを提供したい。ＮＨＬもそのひとつ、

ＮＢＡ開催もできるし、共存共栄で前進したい。

その上、このシティズンズ・バンク・パークで、チーム創立２５０周年の

２０２６年には、ここで盛大にオールスターゲーム開催を

実現したい」と、雄大な構想を披露しています。

今のフィラデルフィアは寒い。気温４度。

どうやって暖を取るのか？「ホット紅茶さ」と、会長は

ジョークを飛ばしています。

了

 

大晦日のトレード

パドレスは年末12月３１日、ホワイトソックスのパワー・ヒッター、

カルロス・クインテン外野手を、2人のマイナー選手との交換

で獲得、最下位からの脱出へ、チーム再建の第1歩です。

クインテンは、サンディゴ出身の地元選手。２０００年には

「サンディゴ男子アスリート賞」を受賞。サンディゴ大学高校当時は

３つの州スポーツの花形だった男です。（大学はスタンフォード）。

ダイヤモンドバックスからホワイトソックス入り、いわば

故郷に錦を飾る形の凱旋トレードになりました。

２９歳の働き盛り。本来なら、チームの主軸として、キープすべき

選手ですが、今年は年俸調停の資格ができ、年末ＦＡになる

ので、「今のうちに商談をやってしまおう」というホワイトソックスの

狙いがあったのではないでしょうか。

投書には「もう３Ａのチームに成り下がったのか！」と、

ホワイトソックス首脳を糾弾する、手厳しい声も殺到

しています。

左腕・バーリー、フレイザー、サントス、ら出て行く選手ばかり

のホワイトソックス。今季は戦力減でピンチではないですか。

パドレスの新ＧＭジョシュ・バーンズは「貧打のチーム改革に

これが第1歩。クインテンは必ず故郷に帰って大活躍する、

と、信じている」と、コメントしました。

昨年は７１勝９１敗の最下位。チーム打率・２３７、９１本塁打は

ともに最下位。５９３得点もワースト2位、リーグ2位のい１３２０

三振も記録したパドレス。

「ペトコ・パークは広いが、私は、ここで打撃のコツをつかんで

いるから大丈夫。広い球場の方が伸び伸びやれるさ」

と、やる気十分のクインテン。ダイヤモンドバックスに続いて

パドレスも最下位からの優勝を目指せるか、どうか、お楽しみ

です。

了

2012年の日本人選手は

新年、おめでとうございます。

２０１２年の新しいシーズンも、明るい年でありますように、

私も、良いスタートを切りたい、と、思います。

今季の日本人選手のチャレンジは、果たして明るいでしょうか？

定位置が約束されているのは、２０１１年は不振だった、とはいえ

イチローただ1人。再スタートへ、「3番起用説」も明らかになり、

連続２００本安打の重荷から解放されて、新境地お開く期待も

持ちたい、と思います。

しかし、他の選手は、ほとんど、期待はできないようです。

帰国した松井秀喜外野手は、いまだにオファーはなく、いわば

浪人状態。アリゾナへ移籍した斎藤投手は、故障再発がなければ

やれる、と思いますが、本人の体調次第です。

オリオールズ入りした和田投手は、最下位球団で援護点も

期待できず、いくら好投しても、ヤンキース、レッドソックス、レイズ

の3強がそろう激戦の東地区では，勝つのは大変です。

マイナー契約の岡島（ヤンキース）五十嵐（パイレーツ）は昇格

できるかどうかも未知数。

ツインズの西岡もベンチ入りできるかどうかのピンチ。

レンジャーズの上原、建山も？

メジャーは、役に立たない、と見極めれば、実にシビアです。

今は「みんな頑張ってくれ」と、祈るしかありません。

だれが這い上がるのか、見守るのですが。

了