バド・セリグ・コミッショナーは11月28日、MLBコムのインタビューで
「私は2012年12月31日で任期の切れるまで働くが、以後は再延長はしない。
オーナーも私の意図は分かっているはず」と、改めて引退宣言をしました。
本当は、2009年12月31日で任期終了だったのですが、オーナー会議
で「あと3年延長を」と、満場一致の議決を受けて、延長しました。
そのときも「私はそれ以上はできない」と、明言していたので、何で?と思いますが、
このほど、5人のオーナーが連名で延長要請をしたため、なのが明らかに
なりました。
セリグ氏は、1934年7月30日生まれ。もう75歳です。任期延長の終わる
2012年末には78歳になります。
「私は疲れるから引きたい、というのではない。今は多忙すぎて、自分の
やりたい仕事ができないからだ。心身ともにだめになってからでは
それもやれない。オーナーのみなさん、どうか、私の気持ちを理解してください。
そして”グッドバイ、バド!”と言ってください」
という心境なのです。
セリグはブリュワーズのオーナーから、多くのオーナーに推挙されて
1992年代行に就任、1998年には正式に就任、この任期の間、
アメリカン、ナショナル・リーグを統合してMLBに一本化し、1994年
の長期ストを乗り越え、3地区制度の導入、新球団(アリゾナ、タンパ)
を誕生させ、審判も合同して一本化にし、インター・リーグ(交流試合)
のスタート、世界野球のWBCを生み、破綻したモントリオールを
MLBの管理下に置いてワシントンへ移転、オールスター・ゲームの
勝者にワールド・シリーズのホーム開催権を与え、ビデオ裁定の
導入、と、矢継ぎ早の改革で、野球人気の回復の先頭に立った功労者
です。
最大の業績は、選手会との融和で、労使協調の平和路線を確率し、
MLBが飛躍的に収入増加の道を付けたことです。
引退後、何をするのか?
「あとは本を書くこと、大学で教えること、をやりたい。特に、1960年
からの50年間の野球問題を学生に教えるスポーツ講座を持ちたい。
今でもすぐにやりたいが、時間がない。だから、この夢を大事にしたい」そうです。
薬物問題の遅れなどの批判がありますが、大リーグをこれほど
発展させた功績は歴史に残るものではないでしょうか。
了