「まさか、こんなことになるとは」。MLBで一番早く地区優勝を決めたカージナルス
は「独走チームほど、ポストシーズンは危ない」という過去の歴史を繰り返した
のです。
中地区優勝を決めたのは、9月26日。それ以後は1勝6敗。負けてもいい、
という集中力のなさがたたり、盛り上がりのないまま、ドジャースとの地区シリーズに臨んだ
のが、完敗の原因でしょう。
優勝の牽引車だった3番・プーホルスは、9月9日に45号を打って以来、
89打席ノーアーチ。アスレチックスから移籍以来、爆発的に打ちまくった、
4番・ホリデーも、第2戦の致命的な落球事件で急降下。
この2人が打てないと、カージナルスの道は開けません。
史上3人目の「2500勝監督」になった、トニー・ラルーサ監督は、ポストシーズンは
先手を打たれると、何もできない歴史があるのです。
1988年、ドジャースとのワールドシリーズは、第1戦に切り札、デニス・エカーズレー
が打たれて逆転負けすると、1勝がやっと。1990年のレッズとのワールドシリーズも、
1勝1敗も持ち込めるはずの第2戦で、エカーズレーが打たれてストレート負け。
2004年のワールド・シリーズも、レッドソックスにストレート負け。
このすべての敗戦は、ロード・スタートだったのです。
ロードの第1戦に勝ったタイガースとの2006年ワールドシリーズは、
ホームに戻って優勝したのが、唯一の例外でした。
「今後は分からない。オーナーが私を支持してくれるのか、選手は私を信頼
してくれるか、すべて?だ」と、苦悩の表情のまま、語っています。
第3戦終了後の記者会見は、わずか1分で終了。怒りの表情のまま、何も
答えなかった、そうです。
青写真が狂うと、もう、カッとしてしまう短気なラルーサの姿も、何回か、
私はポストシーズンで見ました。もう、そばにも寄れず、呆然とするばかり
でした。
ラルーサは65歳。円熟の年齢ですが、69歳のジョー・トーリは我慢、忍耐の男、
なのと対照的なです。
来年、ラルーサが暗雲を払って、再スタートして欲しい、と、願うのですが。
了
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