松原 明の大リーグ

ビンス・スカリ・アナ、放送限定に

今年８４歳の最年長アナ、殿堂入りのドジャース専属、ビンス・スカリさん

は地区限定で放送を続ける、ことでチームと合意しました。

17日、ＥＳＰＮのキャンプ・ニューズです。

もう高齢のため、ホーム・ゲームも、ドジャー・スタジアム以外では、サンディゴ、

サンフランシスコ、6月の交流試合、オークランドの3地区に限定してマイクの前に

立ちます。

高地のコロラド、と北端のシアトル遠征には、チームに同行しない、ことが決まりました。

今季で６３年目のシーズン。限定しても１００試合はこなすハード日程です。

２０１２年の第1声はカクタス・リーグの対ジャイアンツ戦。カムルバックの

ダブルヘッダーの1試合を担当する予定です。

「もう無理はできない体になった。日程を限定するのは、私からの

お願いでした」と、コメントしています。

いつまでも、あの明快なアナウンスを聞きたい、ものです。

お元気で、スカリさん。

了

 

引退左腕、ペテイット投手、突然、ヤンキースで再起

ヤンキースで昨年2月5日、ユニホームを脱いだベテラン左腕、アンデイ・ペティット投手が

突如、復活する、という１６日のニューズは驚きです。

ＥＳＰＮを始め、各ホームページはトップ・ニューズで報道しました。

「もうハングリー精神がなくなった」というのが、引退のときのコメント

でしたが、ブライアン・キャッシュマンＧＭは、「もう一度戻らないか」と、

再起を誘っていたようです。

この発表（マイナー契約でタンパ・キャンプに参加）の前には、打撃練習

の投球をしており「インストラクター」で投げたようです。

通算２４０勝、ポストシーズン最多勝利の栄光を背に、殿堂入りも可能な

実績を残しているのに、何故カムバック？と、首をかしげ

ますが、ヤンキースのチーム事情は、6月には４０歳になるペティットに

頭を下げて頼むしかなかった、のでしょうか。

周囲の反応も複雑。みんな「なんで？」という表情です。

ヤンキースのチーム事情を聞くと、前途は多難ではないでしょうか。

了

連覇へ心配な故障者多いフィリーズ（チーム分析第11回）

昨年も両リーグ最多勝利で圧勝したフィリーズだが、昨年最終日に

アキレスケンを痛め、手術した、4番・ハワード一塁手が、果たして

無事に再起できるかどうか？なのが、一番の問題点。

代役に４１歳の老雄、６００号本塁打した、ジム・トーミーが

古巣へ戻ったが、一塁手は２００５年を最後に全く守っていないため、

とても、フルには使えないのが悩み。

本人は「ハワードの再起までやる」と、気力盛んだが、内野手で

健在なのは、ロリンズ遊撃手1人。三塁へ移るポランコも

故障明け、二塁のアトレーはいまだプレーできない。

その上、エースのハラデー投手は右肩の不調で、オープン

3試合打たれ放題。防御率１０・５７の不振。「たかが

オープン戦」では済まない球威のなさも心配。

昨年のオープン戦はチーム史上ベストの２１勝を挙げた

勢いで一気のスパートだった。

今春はまだ６勝７敗。ナの東地区はどこも強化され、

楽に勝てるチームなど全くなくなった。

チャーリー・マニュエル監督は、このピンチを切り抜けることが

できるかどうか？

了

貧打返上、マリナーズ（チーム分析第１０回）

打てないので有名なマリナーズはキャンプ好調です。

１３日終了で９勝３敗１分け。アスレチックスと並んで、カクタス・リーグ

の首位を快走しています。この日まで、チーム打率・２９４、８７得点も

挙げ、全員で打ち、走るマリナーズ野球を見せています。

昨年はア・リーグ・ワーストの貧打、貧攻。とても勝負にならず、あえなく

最下位に沈む悪夢の１年でした。

Ｊスモーク一塁手、２番のオックレー二塁手、らの若手が順調に成長し、

右腕エースのヘルナンデスも健在。

問題は新３番のイチロー。足を上げない新打法のテストも、いろいろ

改良を加え、いかに打線のキーマンになれるか、試行錯誤中。

すでにキャンプ参加は４７人に絞られ、８人は解雇、７人はマイナー。

投手陣は２４人に減りました。

４７人中、支配下選手は３３人。１４人の支配下外選手が必死の

ベンチ入りを目指しています。

マイナー契約の川崎内野手も８打点を挙げ、まだ生き残り中。

右腕・岩隈はピタリの結果を出していませんが、果たしてローテ入りは

当確になるかどうか？

地元開幕の４月１３日、対アスレチックス戦には、２０００年から３年間、

ゴールド・グラブ賞受賞のマイク・キャメロン外野手に決まりました。

レンジャーズ、エンゼルスが抜けている西地区。どこまで食い下がれる

のか、これからの勝負です。

了

カクタス首位のアスレチックス（チーム分析第9回）

主力投手を放出して「最下位間違いナシ」と、言われていた、アスレチックスは

何と、アリゾナ・カクタス・リーグで１３日終了現在、９勝3敗（目下５連勝）

で首位を快走しています。

新参加の１０人の無名メンバーが活躍。キューバ亡命のセスペデス外野手

が３月3日、3番でデビュー、初試合で本塁打の働きでした。

それに、禁止薬物使用で、今季は５０試合場停止中の問題児、

マニー・ラミレス外野手ともサイン。１３日は今季第1号アーチです。

ラミレスは４番に収まっていますが、公式戦はしばらく出られないの

ですから、どうするのか？です。

昨年のオープン戦は２１敗のワースト記録。そのまま公式戦も

沈みました。アの西地区は、レンジャーズ、エンゼルスが大型補強

で、断然の存在です。アスレチックスは勝てるのか？

キャンプは４６人、投手は２２人。どんどんふるい落としが

進む中、この首位快走は、まさに意外ではありませんか。

了

プーホルス好調のエンゼルス（チーム分析第8回）

１０年契約で迎えられた、アルバート・プーホルス一塁手は好調

のスタート。11日まで打率は５割を超す猛打ぶり。初めてのア・リーグ

も何の違和感もなく、エンゼルスのリーダーです。

投打とも補強は万全。エースのウィーバーを先頭に、ハレン、サンタナ、

新加入のウィルソンの先発ローテはみなＯＫ

打線は編成に困るほど人材豊富。「ベンチはイヤ。出られないならトレードを」と、

要求しているアブレイユ外野手ははみ出すのは確実の模様。

不振のウェルス外野手とともに放出される可能性は十分あります。

昨年躍進の新鋭・トロンボ一塁手は三塁へ転出。

故障から再起のモラレス一塁手もＤＨしか場所がないほどです。

”プーホルス人気”で前売りは好調。シーズン席はもう５０００枚は

売れ、オープン戦も５試合完売のすごさ。今季も３００万人以上の動員は

確実のペースです。

4月２２日には、エンゼルス・スタジムの駐車場で「ファン・フェスト」を

開催。今季のエンゼルスは見逃せません。

了

リベラ投手、最後のシーズンへスタート

契約切れで、今季限りで引退、と、言われている、ヤンキースの

クローザー、マリアノ・リベラ投手は、１１日、ホーム（タンパ）の

フィリース戦に２番手（４回からの１イニング）でマウンドに上がり、

３人（外野フライ２、内野ゴロ）１４球で料理。１万８１０人、満員の

ファンはスタンディング・オベイションで、初出番のリベラを称えました。

ＥＳＰＮのキャンプ・レポートです。

これが１８年目のシーズン、ヤンキース一筋に投げてきたリベラは

もう背番号と同じ４２歳です。

「１０月まで進退は話さない。そのとき、どういう心境になって

いるか、だれにも分からない。私も何もコメントしない。今は、いつものように

楽しむだけ。今日のボール？グッド！」

と、淡々としたものでした。

フィリーズに３－０の快勝。これでオープン戦は５勝５敗です。

ヤンキースはプレーオフへ出ることはできるのか、歴代最多セーブ王

になった、リベラ投手の元気な姿をいつまでも見たい

ものです。

了

３連覇へ万全、レンジャーズ（チーム分析第７回）

ダルビッシュ投手の加入したレンジャーズは、リーグ３連覇へ万全の

態勢。先発ローテからＣ・Ｊ・ウィルソン（エンゼルス入り）が抜けても

十分なスタッフがそろっています。

まだ、クローザーのフェリッツ投手をローテに入れるか、さらに

ＦＡのオスワルト投手も獲得するのか、未定ですが、投打とも何の心配

はいりません。

１１日のホーム（サープライズ）戦はインディアンスに６－１の快勝。

連敗を食い止めました。先発・ホランドは３回無難に投げてＯＫでした。

２連覇の打線は不動。大きな故障者も出ず、開幕を待つばかり

です。

救援陣もオガンドが固定、オフにはネイサンを獲得。アダムスも好調。

上原、建山の出番はあるのか、気になります。

ダルビッシュが順調なスタートを切れば、エンゼルスを振り切れる

でしょう。

ワールド・シリーズ２連敗は、１９９１。２年のブレーブス以来です。

３度目の正直で、今度こそ王座へ、ですが。

了

故障者の再起がカギ（チーム分析第６回）

ウインズは昨年、故障者続出、戦力ダウンで最下位に転落。

あわや１００敗目前の９９敗。この惨敗から再起の今季ですが、オープン戦は

４勝５敗、いま一息です。

マウアー捕手、モルノー一塁手の看板コンビが全快するか、がカギです。

アスレチックスからウィリングハム外野手（３年契約）

ドジャースからキャロル遊撃手（２年契約）の新戦力が、果たして

プラスになるかどうか？

昨年、故障して後半は沈黙の西岡内野手は、遊撃、二塁には

ライバルがひしめき、ベンチ入りできるかどうかも？です。

このキャンプ参加は６７人。６ヶ国の選手が集まり、にぎやかな

集団です。５日（レッドソックス）と、９日（カージナルス）はともに

売り切れの人気でした。

大補強のタイガースを追跡できるかどうか、再起は大変です。

了

ウェンデルステッド審判亡くなる

審判生活３３年間のベテラン、すでに引退、故郷フロリダで審判学校を開いていた

ハリー・ウェンデルスタッドさんが亡くなりました。享年７３歳。

この１年間、ガンとの闘病生活。息子で審判を受け継いだ、ハンターさんは

「父はやはり病には勝てませんでしたが、その審判生活には誇りを持っていました」

と、語りました。ESPNの報道です。

１９６６年からナ・リーグ（昔はア、ナ担当に分かれていた）に所属。

リーグ・チャンピオン・シリーズ７回、４回オールスターを経験、ノーヒット・ノーラン

の主審を５回も務めました。

ドジャースのドン・ドライスデール投手が５８回３分の２連続無失点を続け、新記録目前

の試合、満塁でカウント２－２から死球、押し出し、と思われた瞬間、

彼はボールを宣告、猛烈な抗議を受けましたが、判定は変えず、

この回をゼロで逃れた、ドライスデールは新記録を達成した、ことがあります。

ドジャースのトム・ラソーダ監督は「彼は常にフェアだったし、ミスはミス

と認めた男」と振り返ったいます。

ストライク・ゾーンは広いので知られていました。つまり、常に投手に有利

だった、ようです。

現役を引退後、故郷・オルモンド・ビーチで審判学校を開いて、後進の

指導に専念していました。

了