松原 明の大リーグ

ＭＬＢの年俸は３００万㌦

１３日、ＭＬＢ選手会組合が公表した、２０１０年

ＭＬＢ選手の平均年俸は３０１万４５７２㌦（約２５０億

２０９万円）でした。前年比０・６％のの伸びで、２００４年

の２・５ダウンに次ぐ低い伸びでした。

今年の開幕時には、３３４万１３３㌦（約２７億７２２０万円）

だったのに、９月に調査した時点では、マイナーの若手

が昇格、ベテランの解雇があり、全体でダウンした、と、されて

います。

ＭＬＢの首位はヤンキース。７６０万４９３７㌦（約

６３億１２１０万円）で断然のトップですが、それでも

優勝した昨年は７６６万３３５１㌦（約６３億６０５８万円）

だったので、少しダウンしました。

８位から一気の２位に年俸が増えたのはフィリーズ。

５６６万２５５１㌦（約４６億９９９２万円）。

しかし、年俸の上位７チーム中、プレーオフ出場は

３チームだけ。ヤンキース、フィリーズ以外では、

７位のジャイアンツ（４０４万２９５０㌦）だけが

王座に就きました。ア・リーグ優勝のレンジャーズ（２７７万８９２０㌦）

は１４位でした。

他のプレーオフ組、ブレーブスは１０位、ツインズ１１位、レイズ１６位、

レッズ１９位。「大金を投資すれば、チャンピオンが

手に入る」というわけではない、ことを示すデータです。

ポジション別では一番大金は一塁手の９５０万㌦、

一番安いのは救援投手の２１１万㌦。

バド・セリグ・コミッショナーは「利益配分が中間層に

生きてきた」と、分析しています。

３位のレッドソックスは、このオフ、巨額の大金を投資して

大物を集め、年俸上昇でヤンキースに迫る勢い

ですが、来年、王座は戻って来るかどうか？

了

 

 

メトロ・ドームの屋根が壊れた！

昨年までツインズのホームだった、メトロ・ドームが積雪の

重みに耐えかねて壊れました。

ミネソタは有名な豪雪地帯。メトロ・ドームの屋根は、東京ドームと

同じテフロン構造で空気圧で支えています。

１９８２年にオープン、ツインズと、ＮＦＬバイキングスが

共同使用してきたドーム球場です。

これまで壊れたのは、１９８３年４月１４日、ツインズ対

エンゼルスの公式戦大雪でつぶれ、この試合は中止

順延。２度目は１９８６年４月２６日。この日もツインズ対

エンゼルス戦。今度は強風で屋根が壊れましたが、９分間

中断で再開。何とか、試合は成立しました。

この日以来、２４年ブリの珍事です。

１２日は日曜日。試合はなく、１３日にバイキングスの

「マンデー・ナイター」が予定されていましたが、雪の

重みでつぶれたため、早急に修理はできず、

バイキングス対ジャイアンツの試合は、デトロイト

の「フォード・フィールド」へ移して行う予定です。

ミネソタならではの大雪被害。今季、ターゲット・フィールド

で戸外野球をオープンしたツインズは、ついに、雪

の被害は一度もなく、無事に１年目を終えました。

メトロ・ドームで、行う予定のファン集会は、今の

ところ、予定通りにやるそうです。

了

 

マリナーズ、故ナイハウス・アナの惜別セレモニー

マリナーズは、１２月１１日、ホームのせーフィコ・フィールド

で、１１月１０日、７５歳で亡くなった、マリナーズ・チーム・アナ

デーブ・ナイハウスさんの「惜別セレモニー」を行いました。

スタンドには、３４シーズン、チーム５３８５試合中、５２８４試合

もアナウンスし続けた、ナイハウスさんを偲ぶファンが集まり、

多くの関係者は、別れを惜しむメッセージを贈りました。

ＯＢも多数駆けつけ、フロリダから飛んできた、ケン・グリフィーＪ

は「私がデビューしたころから、あの人は恩人だった」

とあいさつ。ビンス・スカリさんら、殿堂入りのアナも

思い出を語りました。

ビデオボードには、昔からのシーンの数々が上映され

ました。２００８年にフリック賞を受賞、クーパースタウン

殿堂入りした、ナイハウスさんの後継者は、

すぐに出るのでしょうか。

「偉大な、チームの宝を失った。だれも、彼の真似は

できない」と、グリフィーＪは話ました。

サヨナラ、ナイハウスさん。

了

山下大さん、来季もドジャース若手コーチに

ドジャースは、１２月１０日、２０１１年のマイナー組織全コーチ陣を

発表しましたが、元楽天コーチ、山下大輔さんが、来季も

マイナー、アリゾナのキャンプ地、カムルバック・ランチ

（グレンデール）のインストラクター兼プログラム編成担当

に任命され、若手の指導に当たることになりました。

もう３年間、アリゾナで過ごし、グラブの持ち方、

内野手のフットワークなどを丁寧に教えています。

「野球は基本が大事です。常にワザを磨かないと

メジャーへの夢は消える」と、マンツーマンの

熱血指導です。

昔は、慶応大学時代からセ・リーグで名遊撃手で知られた

山下さん。今は、ドジャースが大切に処遇しています。

ドジャースは、この日、本年度の「トップス年間組織賞」を受賞しました。

マイナーの選手が月間賞、オールスター選出、

年間賞、その他の受賞を合計したポイントで争うもので、

１９６６年に制定され、ドジャースはメジャー最多の

６回目の受賞。１９９７年以来１３年ぶりになりました。

次点は５回のヤンキース、ブリュワーズ。この久々

の受賞は、今のドジャースのマイナー組織が

いかに充実しているかが分かります。

ドジャースは育成に力を注ぎ、多くの優秀な人材

を送り込んできた努力が実ったものです。

山下さんもその一貫を担っているのです。

頑張れ、大ちゃん！。

了

 

ウィンター・ミーテイング終了

１２月９日、ブエナビスタ（フロリダ州）のリゾート・ホテルで

開催された「ウィンター・ミーティング」は、最終日の「ルール５

ドラフト」で全日程を終了しました。

大騒ぎされたにしては、意外に大物の動きは少なく、注目の左腕、

クリフ・リー投手は、ヤンキース最有力、と言われながらも、

所属していたレンジャーズも諦めず、ついに決着のないまま

持ち越しでした。

この他、クローザーのラファエル・ソリアノ投手、２年前

のサイヤング賞投手、ザック・グリンキー、アドリアン・

ベルトレ三塁手らも、みんな持ち越しでした。

このフロリダの４日間は、各球団の腹の探り合いに終始し、

いつ決まるか、分かりません。

今のところ、快足の外野手、カール・クオロードをエンゼルス

からもぎ取り、７年契約した（総額約１９億円、１億４２００万㌦）

レッドソックスは、このミーテイングの王者、と、されています。

さらに、パワーヒッターのＡゴンザレス一塁手も手に入れ、

今季のパワー不足、故障者続出を一気に解消する

レッドソックスの大攻勢でした。

こんな大金をつぎ込まれては、他球団は、とても太刀打ち

はできません。

何としても、ペナントを奪い返す、意欲が感じられる

レッドソックスのすごさでした。

しかし、オフの補強合戦はこれから。どんな展開に

なるか、注目です。

了

スピンク賞はコンリン記者、フリック賞はホーン・アナ

２０１１年のクーパースタウン野球殿堂入りする

メデイアの取材記者賞「スピンク賞」は、ビル・コンリン氏

（フィラデルフィア中心に活動）放送活動の「フリック賞」は

マーリンズのベテラン、リード・ボイス、デーブ・バン・ホーン氏

が選ばれ、ウィンター・ミーテイング会場で発表されました。

記者投票は、全米野球記者会員の投票で、４３４票中、

コンリン氏は１８８票で１位当選でした。

フィラデルフィア生まれ。ブルックリンへ移り、テンプル大学

卒業後、１９６０年ジャーナリズム科を優秀な成績で

卒業。１９６６年から約２０年間、フィリーズ担当記者を

続け、ゴルフ、他のスポーツもカバー。コラムニスト

になり、野球関係の著書も出した、７２歳（推定）

の長老です。

ホーンさんは放送生活４２年間の人気アナ。表彰委員会

の投票で１０人の候補者の中から選ばれました。

今はないエクスポズの英語アナを３２年間、エクスポズ消滅後は

マーリンズへ移り、１０年間、多彩な活動でした。

お２人は２０１１年７月２４日、クーパースタウンの表彰式に

臨みます。これで、あと最後の野球殿堂入りは、２０１１年１月５日に発表

される、全米野球記者協会員の開票を待つだけに

なりました。

了

意気上がるカクタス・リーグ、その２

ソールト・リバー・フィールド一帯は、原住民居留地で、

インディアンの先住地でした。この土地を話し合いで

開発。スポーツタウンに変身させたのです。

ハイウェーも走り、フェニックス国際空港からの

アクセスも便利。ツーソンの古い施設で約１３年間

もキャンプしていた両球団は、「是非来てください」の

誘いに乗ったのは自然の流れでした。

拡張を続けるアリゾナ・キャンプ。２００７年からの

観光客誘致など、経済効果は約３億㌦にもなる、

と試算されています。

メインスタンドには屋根もかかり、熱いアリゾナの

太陽光線もさえぎります。

芝生席は８㌦。一番高いメインスタンドのボックス席

でも２５㌦（約２０００円）売店も豊富に作られ、観戦

にはあらゆるサービスがあります。

スタンドに上がれば、両球団の練習も左右に眺め

られます。

「このキャンプ・タウンこそ、球団が目指している

”ファン・フレンドリー”にぴったり合う」と、

ダイヤモンドバックスＣＥＯ・デレク・ホール会長は

力説しています。

了　

意気上がるカクタス・リーグ、その１

カクタス・リーグ（アリゾナ・キャンプ地）は、８日、

今春のアリゾナ・オープン戦日程を発表しました。

開幕は２月２５日、スコッツデールでホームのジャイアンツが

ダイヤモンドバックスを迎えます。

アリゾナでは３月２９日が最終日。３月３１日の公式戦開幕

へ備えます。

今年度は、ツーソンを離れたダイヤモンドバックスと、

ロッキーズの２チームが、スコッツデールの北東に

新設された「ソルト・リバー・フィールド」へ移転。

新たなスタートを切るのが最新のニューズ

です。

総工費１億ドルを掛けた施設は１月３１日に

オープン予定で、付随の練習フィールド１２面、

サッカー・フィールド２面も出来る広大な施設計画で、

２チーム同時にキャンプインする最新施設です。

目下、８５％の進行状況で、ＨＫＳアーチテクト社は

「練習開始には間に合わせます」と、約束しています。

１万１０００人収容のメイン球場は、２階にスィーツ室８、

ボックスシート１１８も備え、ナイター設備も完備。

これで、グッドイヤー、グレンデールと、３つめの

２球団キャンプ・新タウン誕生になります。

土地がふんだんに余っているアリゾナでないと、とても

できない芸当です。

大半の施設は、フィニックス市を中心に、市バスで巡回できる、

アクセスの良さは抜群です。

了

ツインズのファン・フェストは１月２８日から３日間

ツインズからＥメール通信が来ました。

「２０１１年のファン・フェストは１月２８日から３日間、

メトロドームで行います」という知らせです。

この時期は雪もあり、すごく寒いので、ターゲット・フィールドでは

とえもでいません。ドームでやるしかないようです。

２８日の金曜日は午後４時から９時３０分まで。

２９日土曜日は午前９時から午後６時まで、

最終日の３０日土曜日は、午前９時から午後４時

まで。チケットは１２月８日から前売りされますが、

大人９㌦（当日は１５㌦）です。すべて一般席。

１日券です。

ＯＢ、現役約６０人の選手が出席。サイン会や

野球教室に出演します。２０１０年のターゲット・フィールド

「この１年」のビデオも上演。グッズ販売も並行して

開催。この中には最大のカード・ショーもあり、

オークションも行われます。

２０１１年の国歌斉唱、ゴッドブレス・アメリカの

オーディションも予定され、合格者は、公式戦で歌う

チャンスがあります。

毎日、先着１０００人には「２０１１年ツインズ・カレンダー」

のプレゼントも。

この３日間のイベントの売り上げは、ツインズ・コミュニテイ基金へ

贈られ、１９８９年から始まった、このファン・フェストの積み立て

基金は４２０万㌦（約３億４９００万円）にもなります。

ファン、球団一体になってのキャンプイン前の大事な

イベントなのです。

了

エンゼルス５０周年イヤー

エンゼルスは「２０１１年シーズンには、チーム創立５０周年

記念イヤー・イベントを行います」と、発表しました。

１９６０年１２月６日、拡張チームで誕生したエンゼルスは、

アナハイムをホームに歴史を積み重ねてきました。

２０１１年は５０周年ロゴを作り、様々のイベントで盛り上げる予定です。

この間、２００２年のワールドシリーズ優勝を始め、西地区

優勝８回、２人のＭＶＰを送り出し、サイヤング賞も２人、

ゴールドグラブ賞受賞者は３３人、オールスター・ゲーム

出場者は延べ１３０人にも。

選手は左袖に記念パッチも着け、球団マークのＡを金文字

で飾るプランもあります。

今季はレンジャーズにさらわれた西地区の王座奪還へ、

今、再建計画は進行中。まだ、ウィンター・ミーテイング

では、いい成果はアナウンスされませんが、「期待して

ください」とのことです。

５０周年の芝生ボックスも２５㌦で販売を始めました。

いい成績を期待できるでしょうか。

了