ブレーブスは9月23日、「ボビー・コックス監督の契約を1年延長、2010年シーズン
で引退。今後は顧問(5年契約)として球団に残り、メジャー、マイナーの組織教育
のアドバイスする」、と発表しました。
コックス監督は23日で通算2409勝、歴代4位(現役2位)の実績があり、
ナ・リーグ5回優勝。14年連続ポストシーズン進出の記録を持つ名将。1995年には
インディアンスを4勝2敗で破り、ワールドシリーズ優勝。ファンからも、
ナインからの信頼が厚く、いいおやじさん、の老監督です。(68歳)
穏やかに話ししているときは、目を細め、温顔に微笑を浮かべて、本当にいい
おじいさんです。
ところが、選手への判定が気に食わないと、烈火のごとく怒り、退場処分をものともせず、
体当たりの抗議をします。
退場処分通算150回は歴代1位。飛び抜けたNO・1です。今スーズン
も7回も退場しています。
その抗議について、CBSのダニー・ノブラー記者は、自身のブログで
「コックスは常に選手を守る。不利な判定をされて黙っておれない性格だから
瞬間的に抗議に飛び出す。その信念は一貫しているのはすごい」と書き、
エド・ラプアーノ審判の見方を紹介しています。
「彼を退場!とするのは簡単だが、翌日はけろりとしている。すべて、
選手にベストを尽くす、というクラシックの姿勢なんだ」。
私も、何度も、ブレーブスの試合を見て「退場しなければ、ベンチで冷静に
指揮していれば、試合の展開は変わったのに」と、思うときもありました。
だが、68歳の今も、試合に賭ける情熱は少しも衰えていないのはさすがです。
レンGMから「来年も」と、契約延長の申し出があったとき、相談したのは
パム夫人でした。「いいでしょう。おやりなさいよ」。
「パムは、まだ、しばらく私について来る」と、コックス監督は微笑を浮かべた
そうです。
後任はゆっくりGMとコックスが相談して決める、と言われています。
名物監督がついに去る、のは寂しいことですが、住まいのマリェッタ(ジョージア州)
はアトランタ市圏内、自身の牧場、アディアースビルはアトランタの北。
ターナー・フィールドにも近く、マイナーのローマ(1A)は牧場の西、
グィエット(3A)はアトランタの東。いずれも車ですぐに移動できるので、
「多分、コックスはマイナーの巡回指導をするのではないか」というGMの見解
です。
勇退を惜しむトニー・ラルーサ監督(カージナルス)ジョー・トーリ監督
(ドジャース)は「間違いなく殿堂入りするだろう。しかし、彼は、また、
戻ってくるさ」とコメントしました。
「わたしには父。他の監督に代わればカルチャー・ショックを受ける」と、言う
3番のチッパー・ジョーンズ三塁手。
これで4年連続ポストシーズンを逃した(まだ、ワイルドカードの夢は
消えてはいませんが)ブレーブス。来年の健闘を祈りましょう。
了
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