今季限りで、現役引退、と、伝えられる、ジム・トーミー選手
が25日、クリーブランドのホーム最終戦で、打者1人、
1球だけ三塁を守り、ファンのスタンディング・オベイション
を呼びました。
もう41歳、すでに600号本塁打の大台に乗り、古巣に
戻ったトーミーは、1991年にデビュー当時は三塁手
でした。しかし、一塁手へ移り、DH専門になった今、
三塁を守るのは、1996年9月29日以来、15年ぶりの
歴史的瞬間です。
控え選手の内野グラブを借りて守備位置についたトーミ
にファンは歓声。マニー・アクタ監督は「このプランは
前から考えていた。実現させるのは今日しかなかった。
投手には”三塁へ打たすな”と、指令していた。功労者
に贈る花道のプランだった」と、説明しました。
相手のツインズ投手は、代打に出たトーミーを避けて四球を出した
ため、ファンは一斉にブーイング。このあとの攻守交代で
三塁守備へ向かったのです。
打球が飛ぶか、と見守るファンも「1球で交代」の
演出を理解し、インディアンスの投手は外角球。
ツインズの選手も打たず、この1球でベンチへ
戻りました。このとき、スタンディング・オベイションが
起きたのです。
トーミーが加入しても、インディアンスは勝てず、
ポスト・シーズンの夢は空しく消えましたが、ファンは、
チームの英雄を称えたのです。この日で中地区2位は
確保したインディアンス。本人は去就には無言ですが、
クリーブランドで、そのユニホーム姿を見るのは、これが
最後ではないでしょうか。
(了)
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