クーパースタウン野球殿堂で編集している「インサイド・ピッチ」の最新号で、
「9月1日は村上投手の大リーグ・デビュー記念日です」という巻頭特集
が届きました。
村上投手は、1964年9月1日、マイナーから昇格。この日のメッツ戦
で8回に登板、1ニングを三振2個、安打1本に抑え、ファンから大きな拍手を
浴びました。この年はさらに8試合投げ、1勝0敗、防御率1・80。翌年も
4勝1敗、3・75。まだ、日本人選手はいなかった時代のパイオニア、と
して注目を集めました。
ところが「彼は野球留学で送りだした」という南海ホークスと、所有権を
巡り、受け入れたジャイアンツとの見解の差は大きく、大もめになり
ましたが、この2年間で帰国しました。
野茂英雄投手が渡米、ドジャース入りしたのは1955年。9年もの
長いブランクがあります。当時、日本人選手で史上初の挑戦者だった、
村上さんの苦労は大変だった、と思います。
村上さんも、もう66歳。先月24日、サンフランシスコで開催された
「咸臨丸渡航150周年」の記念式典に渡米。ホームのAT&Tパークで行われた
(対レッズ戦)セレモニーに登場。ファンから歓迎の拍手を浴びました。
「まだ、昔の私を覚えていてくださる市民がいるのは、本当に
うれしいことです。ここで、もう一度、始球式をやりたいですね」と、
笑顔の村上さんは言いました。
クーパースタウンでは、当時、村上投手がデビュー戦でかぶっていた
帽子を保管、展示しています。
大リーグの、歴史を大事にする、こういう姿勢は、私たちもうれしく思います。
了
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