7月9日、ビッグ・トレードが実現しました。
マリナーズの左腕エース、クリフ・リー投手(31)が、同じ西地区首位の
レンジャーズへ4人の若手選手と交換トレードで移籍しました。
最下位にあえぐマリナーズは、もう、今季は絶望、と判断し、目下8勝3敗、
一番安定しているリーを放出。若手の育成で来季に夢をかける、方針に
転向したようです。
マリナーズは、このオフにFAになるリー(今は年俸900万㌦)を引き止めるには
巨額の資金がいるため、「今のうちに若手補強を」と、考えても不思議ではありません。
この弱みにつけこみ、ヤンキースは具体的な交換選手も用意して交渉、
また、中地区首位のレッズも、トレードを申し込んでいました。
レンジャーズが、この2球団に割り込んで、競り勝ったのは、レンジャーズが2007年の
ドラフト1位のブレイク・ビーバン投手、2008年1位のジャステイン・スモーク一塁手
の有望株を出してもいい、と応じたため、「この2人を手に入れた方が得策」
と、なったようです。
その上、レンジャースがリーと来年以降の契約を結べば、リーはタイプA
の選手ですから、ドラフト1位指名権が2人分、手に入るので、その計算
もあったようです。
レンジャースは目下、2位エンゼルスに4・5差を附けて独走態勢。
1999年以来のプレーオフ出場へ、リーの加入で万全の補強です。
昨年7月、インディアンスからフィリーズ入りしたリーは、リーグ優勝、
ワールドシリーズ出場の主役でした。オフにマリナーズ入り。
そして今、レンジャーズ。1年間で3回も、エースがトレードとは、驚きの連続です。
リーが今の好調を保てば、レンジャースの夢はかなうでしょう。
しかし、この西地区のライバル同士は、まだ5試合しか対戦していません。
レンジャースが3勝2敗のリードですが、今月中にオールスター後7試合、
9月から閉幕までに7試合も残っています。テキサスで8試合、
アナハイムで6試合です。
まだまだ地区優勝の前途は分かりません。優勝請負人のリーは、今後、どんな
活躍を見せるか、楽しみです。
了
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