クーパースタウンのヒストリアン(歴史家)、アメリカ野球研究協会(SABR)
の創設者、として知られる、クリフ・カチラインさんが、6月29日、亡くなられました。
88歳の高齢でした。
カチラインさんは、1921年7月25日、ペンシルバニア州クェーク・タウン市
(フィラデルフィア市の北部)の生まれ。子供のころから野球だ大好きな少年でした。
20歳のとき、当時、唯一の野球専門誌だった「スポーティング・ニューズ」を
年間購読(25㌦)し、毎日、熱心に読みふけり、すぐに、誌面の間違いを指摘した投書を
編集部へ送り、その訴えが的確で、専門的だったので、感心した編集長から
「キミはそんなに熱心なら、ここへ来て一緒に働かないか」と、誘われたのが、
この世界にのめりこむきっかけになりました。
1941年に初めて購読してから、わずか2年後、1943年に記者生活を
スタートしたのです。
以後、20年間も同社で働き続け、セントルイス市に本拠があった、同誌は
全米野球記者協会加入が認められたとき、セントルイス地区の野球記者協会
会長へ推薦されたほどの活躍でした。
途中2年間、サッカーの仕事も手がけ、クーパースタウンの殿堂ヒストリアン
として招かれ、記録に精通していたキャリアを生かし、1971年にはSABR
を組織、野球の歴史研究、昔の話題、記録掘り起こしに全力を傾けた、
と言われています。
SABRには、1985年まで組織の中心で働き、引退しました。
クーパースタウンでは「殿堂の図書館、資料室を充実させ、系統だった資料分析、
収集に務めた10年間の功績は、計り知れないものがある。彼の書いた
野球の記事は、全米100万人の野球ファンに読まれた。彼ほど、野球を
心から愛していた人を知らない」(ティム・ウィレス殿堂リサーチ・ディレクター)
と、賞賛しています。
私も、昔は、スポーテイング・ニューズ誌の愛読者でした。誌面を通じて
いろいろ教えて頂いたのが、今の記事を書く土台になっているのです。
偉大な先人のご冥福を心から祈りたい、と思います。
了
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