ついに大ベテラン左腕、ランデイ・ジョンソン投手が現役引退を表明しました。
2009年はジャイアンツ入りしましたが、左腕回旋筋肉痛と、背中痛のため、途中で休養。
再起後は救援で5試合、わずかなイニングを投げただけで、ピリオドを打ちました。
待望の300勝は6月4日、ワシントンのナショナルズ戦。ダブルヘッダーの第1試合。
6回を2安打、自責点ゼロ。敵地で達成しました。「何とかホーム、サンフランシスコで」
と、チームも、ランデイ自身も願っていましたが、夢はかないませんでした。観衆も
少なく、寂しい大記録のゴールでした。
しかし、ランデイが身をもって示したお手本は、ジャイアンツ先発投手陣に
大きな影響を与えました。この入団効果は素晴らしい、と思います。
マット・ケインはオールスター投手に成長、テイム・リンスカムはサイヤング賞
受賞。バリー・ジトは悩みから抜け出し、J・サンチェスはノーヒット・ノーラン
を達成。黄金先発陣が完成したのです。
それにしても、45歳での300勝とは、いかに、この大記録が至難の業か、良く分かり
ます。
頑健な体、と言われたランデイも40代になってからは、腰の故障に苦しみ、何度
も挫折のピンチがありましたが、執念でたどりついたのです。
デビューが25歳と遅かったので、この強靱な体力と、精神力がなければ、
「惜しかった」で終わったかもしれません。
今後、45歳まで投げられる投手は、おそらく出ないでしょう。
初の完全試合を記録したのは、40歳8ヶ月8日。アリゾナ時代の2004年でした。
2005、6年、ヤンキースに招かれて入団した2年間は、ニューヨークのメディアと
折り合いが悪く、カメラマンとの大げんかや、論争が絶えず、居心地が悪いまま
去りました。この2年間はともに17勝を挙げていますが、思い出は良くないはず
です。
20勝したのは2002年が最後。この年は通算5回目、最後のサイヤング賞受賞
の年でした。
引退後、5年で資格を得るクーパースタウン野球殿堂入りは、2015年ですが、
ランデイを知る記者は多いので投票しない人はまずいないでしょう。
90%近い得票で1年目に殿堂入りするのではないでしょうか。
そのとき、ランデイは50歳。晴れてクーパースタウンの壇上でどんなスピーチをするか、
期待しています。
(了)
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