ウィンター・ミーティングの楽しみのひとつは、30球団の監督と、記者がフランクに
話し合えることです。
MLB会場のインディアナポリス市ダウンタウン・マリオット・ホテルのプレス・ルーム
には、初日の7日から毎日、各監督が1時間の会見に応じます。この問答の
詳細はネットでも読むことはできるので、大変便利です。公式戦の最中は、狭い
監督室で担当記者しか分からないような応答でおしまいになり、普段、接していない
我々は聞いていてもお手上げです。
しかし、もう、激しいやりとりもなく、会見拒否もなく、なごやかに(一部そうでもない
箇所もありますが)話は進み、監督の本心が覗けます。
2日目は、話題の筆頭は、カージナルスのトニー・ラルーサ監督でした。
何といっても、禁止薬物使用の疑いのある、マーク・マグワイアが打撃コーチ
に就任。来季から姿を見せるからです。戻って来い、と、声を掛けたのはラルーサ。
監督が何と言うか、みんな、注目しました。
「あと数週間で、彼のお披露目会見をやれるだろう。彼は、みなさんの前に
姿を見せる」と、断言。これはニューズ、と、全米に一報は流れました。
薬物問題で呼ばれた議会証言では「過去は話さない」と、沈黙で通し、以後
4年間も黙ったまま。それが、ついに口を開く、とうのですから大変です。
「会見で何かを話せば、彼も本来のマックに戻るだろう。彼は信念に基づいて
話すはず。キャンプが始まれば、彼はコーチングに専念する」と、ラルーサ。
つまり、このお披露目会見で、薬物問題はジエンドにしたい、ようです。
多分、セントルイスのホーム、ブッシュ球場でやるでしょう。そこで、マックがどんな
コメントをするのか、これは今は予測もつきません。
「私は、彼の就任受諾以来、再三、彼と話し合った。打撃コーチのことも、
過去のことも、考える時間は十分に与えた。だから、私は、彼が戻ったのは
大変幸運だと思う。球界に、カージナルスに、プラスになる、と信じている」
ラルーサはマック擁護の立場から、再起に細心の用意をしたようです。
就任決定後、時間がかかったのは、ワールド・シリーズの前後では迷惑が
掛かっては、の配慮だったそうです。
1998年の70本塁打新記録、通算583本塁打。この偉大な記録は、
会見で暗雲が晴れるかどうか、待ちたい、と思います。
了
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